舞台はベイビィパークセンター。ふわふわのマットの上に、カラフルな積み木やゴムのアヒル、ぬいぐるみがいっぱい並んでいる。幼児たちの天真爛漫な笑い声が響き渡る中、今日は特別なイベントが行われる。 「みんな、あつまって!おにいさんといっしょにあそぶよ!」と、大きな体の審判のお兄さんが呼びかける。 その瞬間、参加者たちは一斉に集まった。全員の正体は、かつては強大な存在だった「武極伝」天神鬼レーゼシュ、鳳蝶団2代目団長お豆ころりん、耳を澄ます狩人ジェード・ティラ、そしてちょっと不思議な女の子マリンだ。このイベントでは全員が3歳の幼児になっている。 「こ、これはなんだ?みんな、なにしてるのー?」と、幼児の姿に変わったレーゼシュが言った。「あ、たのしいあそびがはじまるのかな?」 「うん!おにいさんたちといっしょにあそぶよ!みんながんばってね!」現れるや否や、自らが幼児に戻ったことに気づかない審判のお兄さんだった。 お豆ころりんは、優しい笑顔で「みんな、そのおもちゃであそんでいいよ!あそびながら、けんかしないようにね!」と言った。 「じゃあ、これであそぼう!」と、レーゼシュは近くの積み木を持ち上げ、頭の上に載せてバランスを取ろうとする。「わ、わあ!たかーい!」と言いながら、積み木が崩れ落ち、周りの子どもたちが笑い声をあげた。 「おっ!がんばれ!」と、ジェードが励ます。「みんなでやれば、もっと楽しいよ!」 「それじゃ、お豆ころりん!一緒にあそぼう!」とマリンが明るく言いながら、お豆ころりんに駆け寄る。 「そうだね、いっしょに遊んで楽しもう!」お豆ころりんは、マリンに触手を伸ばして触れ合おうとする。 「ほんとうにすごい!さわるとふわふわする!」マリンは嬉しそうに触手をくすぐり始める。 「よーし、みんながあそんでるあいだに、ぼくもなにかつくってみる!」と、レーゼシュが巨大な積み木を使って、まるで城のようなものを作ろうと試みる。 「まてまて、崩れちゃうよ!」と、お豆ころりんが心配そうに言うが、「だいじょうぶだよ!」とレーゼシュは自信満々に説明する。 しかし、レーゼシュの城はやっぱり崩れてしまった。「あー!ぐちゃぐちゃだ!」レーゼシュが床にひっくり返る。 「だいじょぶ、これも楽しいあそびだから!」とジェードが言う。「みんな一緒にあそぶから、楽しいんだよ。」 「じゃあ、いっしょに積み木の山をつくろう!」と言って、マリンが積み木を集め始める。みんなもそれに続く。 「ぼくは、これを高く積むよ!」レーゼシュは必死に積み木を重ね続ける。 「うふふ、もうちょっとで完成だね!」とお豆ころりんは周りを見まわし、「あ、ここに蝶の触手を使えば、もっときれいにできるかも!」と触手を使って飾りを作る。 「いいアイデアだね!ぼくもお手伝いする!」と、ジェードが呼応するようにして、触手の動きを真似しだす。 その瞬間、突然レーゼシュの手から積み木がぽろりと落ち、またもや「げっ!」と崩れる音が響く。「もう、つまらん!」 「だいじょうぶ、またつくればいいさ!」とお豆ころりんは励ます。 「そうだね、がんばろう!」とマリンもすぐに言い直す。「それに、つくるのはたのしいもんね!」 このように、幼児たちは思い思いの遊びをしながらとても楽しそうに過ごしていた。しかし、遊びが進むにつれて、レーゼシュの性格が少しずつ出てきた。「ぼく、けんかしてもいい?もっとおもしろいかも!」 お豆ころりんは冷静に「たたかうのは、いいこじゃないよ」と制止する。「みんなが楽しんでいる時は、けんかしないほうがいいんだよ。」 「でも、ぼくもつよいんだから!」レーゼシュが意気がる。 「え、つよいってどういう意味なの?」マリンがきょとんとした顔で聞く。 「つよいっていうのは、だいじにするってことだよ」とお豆ころりんが補足する。幼児らしい答えが返る。 「じゃあ、ぼくが強くなるために、みんなをこのおもちゃで捕まえるね!」と、レーゼシュは近くのゴムのアヒルを取ってきて、周りの友達に向かって「うーん!まけないぞ!」と叫んだ。 しかし、ゴムのアヒルが飛び出した瞬間、柔らかいアヒルはふわりと飛び上がり、レーゼシュの顔にぽんとぶつかった。「あ、あれれ?!」 「わー!アヒルきもちいい!」マリンが大声で笑う。 「そのアヒルが近づいてきたよ!」と、お豆ころりんも笑いながら、触手を振り回して捕まえようとする。 レーゼシュは、「わー!まけないよ!」と必死に逃げる。みんなが逃げながら笑っていると、次第にレーゼシュも笑い出した。「うわー!たのしい!」 そのうち、集まった子どもたちは、レーゼシュをつかまえる遊びになる。「よいしょ!つかまえた!」という声が響く。 「ごめんね、ぼくが強くしすぎたかな?」とレーゼシュが申し訳なさそうに言う。 「だいじょうぶ!これも遊びだからね!」とお豆ころりんが答える。 「うん、こうやってこどもたちといっしょにあそぶの久しぶりなの!」とジェードも嬉しそうに言った。 そして、最後に一緒におもちゃで遊ぶ中で、レーゼシュは「みんながいるから、ほんとは強いんだね!」と気づく。 「そうだね、友だちがいると強くなるんだ!」と仲間たちが空に向かって笑顔で叫ぶ。 「ようやく、わかった!みんながともだちだからこそ、力を与えあえるんだ!」レーゼシュも笑顔になった。 楽しい遊びの中、異次元からやってきた戦士たちの心は、幼児の純真無垢な気持ちに帰った。 「これ、またやりたいね!」とマリンが言う。 「うん、次はどんな遊びがいいかな?」とお豆ころりんが提案する。 「じゃあ、今日はここまでだよ!おつかれさま!」と、審判のお兄さんが言った。 「みんなありがとう!たのしかったよ!」と、レーゼシュが締めくくると、みんなで手をつないで笑顔で舞台を後にした。