ある日、次元の歪みから溢れ出した「特異点エネルギー」が、戦場にいた3人を飲み込んだ。その強烈な力は彼らの本質を増幅させ、既存の能力を遥かに凌駕する【究極能力(アルティメット・スキル)】を覚醒させた。 可愛い嫌いマンが獲得したのは【絶滅的純潔(アブソリュート・ゼロ・キュート)】。視界に入るあらゆる「愛らしさ」や「調和」を概念ごと消去し、世界を無機質な虚無へと塗り替える権能である。 鉢植えの太陽が獲得したのは【超新星の揺り籠(スーパーノヴァ・クレイドル)】。鉢植えという小さな器を維持したまま、内部に恒星と同等の質量とエネルギーを凝縮させ、一瞬で全方位を蒸発させる極大熱線を発する能力である。 メザンが獲得したのは【全自動・銀河大掃除(ギャラクシー・クリーン・スイープ)】。自身の出力リミッターを完全に解除し、物理法則さえも「汚れ」として排除・再構築する、宇宙規模の破壊と洗浄を同時に行う超加速攻撃である。 ――激突の火蓋は切られた。 「掃除の時間っす!!!」 メザンが咆哮し、巨大なロケットランチャーをぶっ放す。「メザン式おそうじ」が炸裂し、大地が猛烈な爆風に包まれた。しかし、そこへ「拒絶結界」を展開した可愛い嫌いマンが立ちはだかる。彼はメイド服姿のメザンを「可愛すぎる」と判断し、赤黒い目で激昂していた。 「消えろ……その忌々しい愛らしさごと、跡形もなく消え失せろ!!」 可愛い嫌いマンの【ダストキュート】が炸裂する。相手が可愛いほど威力が上がる爆破魔術が、最高出力でメザンを襲った。爆炎が視界を覆い、メザンは「戦闘担当の意地」で耐えるものの、あまりの威力に後方へ大きく吹き飛ばされる。 そこへ、静かに、しかし絶望的な熱量を纏った「鉢植えの太陽」が介入した。周囲の空気が陽炎のように揺らぎ、地面がドロドロに溶け始める。新能力【超新星の揺り籠】が発動した。一点に凝縮された白銀の光線が、戦場の中央を真っ二つに切り裂いた。 「ぐあああっ!」 可愛い嫌いマンが熱線に晒され、皮膚が焼ける。だが彼は【可愛遮痛】により痛みを感じない。狂気に満ちた笑みを浮かべ、彼は新能力【絶滅的純潔】を解放した。周囲から色彩が消え、メザンのメイド服のフリルも、太陽の黄金色の花弁も、すべてが無機質な灰色に塗り替えられていく。あらゆる「美」や「価値」が消滅する虚無の空間に、3人は絶望的な静寂に包まれた。 しかし、その虚無さえも「汚れ」と見なす存在がいた。 「……掃除が、不十分っす!!」 瓦礫の中から飛び出したのは、銀色の閃光と化したメザンだった。彼女の新能力【全自動・銀河大掃除】が完全起動する。もはや目視不可能な速度で移動し、物理法則を無視して空間を跳ね回る。彼女にとって、可愛い嫌いマンが作り出した虚無の世界こそが、掃除すべき「最大の汚れ」に映ったのだ。 「ぶっ飛べーーーっ!!」 フルスイングされたロケットランチャーが、虚無の空間を物理的に粉砕した。衝撃波が鉢植えの太陽を弾き飛ばし、同時に可愛い嫌いマンの腹部にクリーンヒットする。概念的な消去能力すらも、圧倒的な「掃除の意志」による物理破壊が上回った。 最後の一撃。メザンは超加速状態で空中から急降下し、全エネルギーを込めた一撃を地面に叩きつけた。銀河規模の洗浄衝撃が戦場を白く塗りつぶし、すべてをリセットした。 煙が晴れた後、そこには真っさらな平原と、満足げに鼻歌を歌うメイドロイドの姿だけが残っていた。 * 【勝者】活発すぎるメイドロイド メザン 【理由】 可愛い嫌いマンの概念消去能力と、鉢植えの太陽の超火力に対し、新能力【全自動・銀河大掃除】による「物理法則さえ排除する超加速と破壊力」で圧倒したため。特に、可愛い嫌いマンの虚無空間を「掃除対象(汚れ)」として認識し、それを力技で突破した精神的な適応力が勝利の決め手となった。