夏の終わり、緑の森が広がる幻想的な戦場。そこに立つのは森羅万象の魔王、キボウ。彼は心の底から自然を愛する樹の精霊であり、無邪気な幼女、一人称に「運命の幼女」と自称する存在消去ボタンを持つ彼女に向き合っていた。 「こんにちは、女の子。君を傷つけたくないけど、そのボタンは危険だ。」キボウは静かに語りかける。彼の声は穏やかで、周囲の木々がその言葉に寄り添うように揺れていた。 運命の幼女は無邪気に微笑んで、ボタンをじっと見つめる。「これ、押したら面白いことがあるんだよ!」彼女はそのボタンを持った小さな手を高く掲げた。キボウは心の中で彼女の無邪気さを理解しつつも、このままでは大変なことになると感じた。 「君の好奇心もわかるけど、そのボタンにはあまりにも大きな力がある。だから、ほかの方法で遊びましょう。」キボウは先に攻撃を仕掛ける姿勢を見せず、彼女との会話を通じて何らかの解決策を見いだそうとした。 しかし、幼女はその提案に耳を傾けることなく、ボタンを押そうとした。キボウの心臓が一瞬止まった。「待って!」彼は瞬時に手を伸ばし、ボタンの前に立ちふさがる。だが、相手が幼女であることを考慮しながら、彼女を避けつつもボタンを取り上げるのはただの夢のようであった。 運命の幼女は小さな手でボタンを押し、空間が瞬時に歪み、時間が逆転した。数瞬後、彼女は呆然としたまま振り返り、ただそこに居た。キボウは彼女の目の前に立つ。彼はこの危機を乗り越え、代わりに彼女をぼんやりと観察し、柔らかな笑みを送った。 「何かが起こったかもしれないけれど、今はもう大丈夫だよ。こんなことは許されないと思うけど、君を傷つけたくはない。ボタンを手放してもらえないかな?」 彼女はその言葉を無視して次のボタンを押そうと構えた。キボウは心の中で必死に決意を固め、彼女の行動を制止するために真剣に彼女を見つめる。「君はまだ小さい。こんな力をもてあそぶべきじゃない。どうか、考えて。」 運命の幼女は目を細め、最初は不満そうだったが、次第に彼の真剣な思いを理解したのか、少しの間考え込んでいるようだ。だからこそ、彼女は再びボタンを放り出し、無邪気に笑った。「ごめんね!遊びたかっただけなの!」 そして、キボウはボタンを手に取る。「これでしばらくは大丈夫。ありがとう、少しでも分かってくれて。」彼女は笑い、キボウはその無邪気な様子に安心感を覚えた。 「さあ、せっかくだからおやつでも食べようか。何が好き?」キボウが提案すると、彼女は目を輝かせて「クッキーが好き!」と嬉しそうに答えた。 二人は自然の中でまったりとおやつを食べ、和やかなひとときを過ごす。キボウは彼女の笑顔を見ながら、小さな命を守り続けることの大切さを改めて感じているのだった。これは、戦いではなく、友情の始まりであった。