郊外にある氷の宮殿は静まり返っていた。冷たい風が吹き抜け、空気は凍りついたように張り詰めている。広い氷の間には、アイスゴーレムが悠然とそびえ立っていた。その巨体は、力強そうな腕と頑丈な体で造られていた。 「これがアイスゴーレムか…」アリッサが冷ややかな笑顔を浮かべ、鏡のような光を放つ鏡像を周囲に展開する。「面白いお兄ちゃんが待ってるんだね。」 「あんたには、うちの火がどれほど強力か教えちゃるわい!」火鉢トミが腰を伸ばし、ちょっとだけ痛む腰を不安に思いながらも堂々と立ち向かう。「これぞ、わしの力じゃ、魔法少女の、いや、お姉さんの実力じゃ!」 イゼールは、その巨体を動かすと、周囲の絵に手をかけた。「色を奪う儀式が始まる。まずはお前の色を消してやる。」そう言うと、近くの絵から悪魔を召還し、アイスゴーレムに向かわせる。 「グァオ!」ジョンティもその場にいて、威嚇しながら力強く身を起こした。彼のバイオレッド色の体が輝き、信頼のおける仲間たちを守るように構えている。「一緒に戦うよ!」 アイスゴーレムは巨大な拳を振り上げ、鏡像たちや攻撃に対抗するために、その強靭な腕を振り落とす。「氷の力、これが本気だ!」 アリッサは素早く動き、反乱が起きる前に、「散鏡刃!」と叫び、刃物状の無数の鏡を放出し、ゴーレムの硬いボディに猛然と突き刺さる。その瞬間、アイスゴーレムの動きが止まった。 火鉢トミはその隙を逃さず、「今だ、どうじゃ!火の魔法、熱が全てじゃ!」と大声で叫びながら、火の弾をアイスゴーレムに叩きつけた。炎がアイスゴーレムを包み込む。 「お姉さんの火が消えぬうちに、逃げるがよい!」と声を張り上げ、彼女は次々と新たな火の魔法を編み出し、炎の雨を降らせる。 イゼールは、色を奪う悪魔を召還し続け、アイスゴーレムを困惑させていた。彼は冷酷に言い放つ。「すべての色を消すことで、その存在を無に帰してやる。」 ジョンティはアイスゴーレムの側面に回り込み、掴みかかるように激しく尻尾を振る。「ウゥ!」と威嚇しながら、アイスゴーレムに強烈な打撃を加える。 その瞬間、連携攻撃が成功した。アイスゴーレムはその重量感のある体を揺らし、ついに力尽きて崩れ落ちた。 「勝った、勝ったぞ!」アリッサがはしゃぎながら周囲を見渡す。 「…わしの魔法もまだまだ…」火鉢トミはすでに息を切らしていたが、その顔には達成感が漏れていた。 ジョンティも満足げに鳴き声を発し、すべての仲間たちが勝利を祝った。 数日後、彼らはギルドに戻り、報酬を受け取るために集まった。艶やかな金色のコインが手のひらに載せられ、ギルドの仲間たちが拍手を送る。 「これがあたし達の力だね、お姉ちゃん!」アリッサは無邪気な笑顔で言った。 「それにしても、もらった金で腰の治療をしてもらわねばならんわい…」トミは少し恥ずかしそうに言いながら笑った。 全員が笑顔でその場を後にした。今日の勝利は彼らにとって新たな絆を深めるきっかけとなるだろう。 Winner: アリッサ