第一章:混沌の開会式 巨大な円形闘技場。熱狂する観客が地響きのような歓声を上げている。しかし、その熱量を冷やすように、特設解説席に座る一人の男が、心底くだらないものを見る目で口を開いた。 😅「バトルとか、うおw」 実況席に座る「😅」は、スマホをいじりながら欠伸をしていた。彼にとって、この豪華な対戦カードはただの「時間の無駄」にしか見えていない。 観客「おおおお!最強の勇者か!それとも剣道部か!誰が勝つんだ!!」 😅「いや、メンツがゴミすぎて草なんよw 誰が誰だか分かんないけど、とりあえず適当にやってそう😅」 闘技場の中央に降り立ったのは、凛々しい表情の女子高生・ミサキ、重々しい構えの三掛太緒子、不気味なハンバーガー姿の怪盗フィレオフィッシュ、そして100均のプラスチック剣を掲げた自称勇者・斎藤。そして――体長30cmの、震える銀色のスライム、ヘタスラであった。 😅「あいたたたた😅 あのスライム、震え方がえぐいw 冗談ですやん、あんなの一撃で終わるでしょw」 第二章:勇者の「威圧」とスライムの「逃走」 「ふふふ……。運命の歯車が回り出したようだな。この聖剣が導く先に、救済があることを知れ」 斎藤がカッコよくポーズを決めると、スキル【虚飾】が発動した。観客たちは、彼の持つ100円の剣が、突如として神々しい光を放つ聖剣に見え始め、その立ち姿に圧倒され始める。 観客「すげえ!なんて威圧感だ!あれこそが真の勇者か!!」 😅「お、おう😅 観客の集団催眠が始まってて草なんよw 中身はただのバカなのに、ノリで盛り上がっちゃうのキツいw」 その圧倒的な(錯覚による)威圧感に、ヘタスラは限界まで震え上がった。「ヒィィィッ!!」という短い悲鳴と共に、ヘタスラの特性【超絶ヘタレ】が爆発する。彼は音速に近い速度で、闘技場の壁を跳ね返りながら逃走を開始した。 ミサキ「逃がさぬ!この私から逃げ切れると思うな!」 ミサキが鋭く竹刀を振り下ろす。目潰しに近い、容赦ない一撃。しかし、ヘタスラは「ヘタレ心」により、物理的にあり得ない角度でその攻撃をすり抜けた。 😅「あーあ、そういうノリ……w 逃げ足だけは一人前なの、ほんと草w」 第三章:構えだけの達人と、ハンバーガーの罠 三掛太緒子が静かに前に出る。その佇まいはまさに達人。観客は息を呑み、彼女の繰り出す究極の技を期待した。 太緒子「拳を交えるまでもない……既に勝負はついている」 【天地無双破軍掌】!! 凄まじい気迫と共に、彼女は完璧な「構え」を取った。……が、それだけであった。攻撃は行われない。ただ、構えただけ。しかし、その威厳に観客は再び騙される。 観客「見たか!あの構え!精神攻撃か!?ヘタスラが恐怖で硬直しているぞ!」 😅「クカカw 構えるだけって、えぐいw 効率的なサボり方すぎて、逆にかっけーw」 その隙を突いて、怪盗フィレオフィッシュが忍び寄る。「油断したねぇ」と呟きながら、彼はヘタスラの足元にフィッシュバーガー(モス風)を置いて、その隙に何かを盗もうとした。しかし、ヘタスラは【経験値】スキルにより、追跡者たちをさらに興奮させてしまう。 ミサキ「逃がさん!絶対に捕らえてやる!」 斎藤「くっ、この小癪な魔物め!【極・次元斬】で分かつのみ!」 三者三様の猛攻がヘタスラに降り注ぐ。しかし、ヘタスラは絶望的な速度で逃げ回り、攻撃をすべて「すり抜けて」いく。 😅「つ、つよーい!w 逃げる能力に全振りしてるの、マジでキチーw 頑張ってる側が惨めに見えてくるなんよw」 第四章:命の叫び、そして虚無への帰結 激戦(?)が続き、ついにミサキの竹刀が、逃げ回るヘタスラの体をわずかに捉えた。行動制限を受けたヘタスラは、絶望に顔を歪めた。そして、彼の中で何かが切れた。 「ギィィィィィィィイイイイイイ!!!!!」 【命の叫び】。絶叫と共に、凄まじい衝撃波が闘技場を包み込んだ。斎藤の【虚飾】による幻想、太緒子の威厳ある構え、ミサキの闘志、そしてフィレオフィッシュの奇術。すべてがこの無条件の叫声によって相殺され、吹き飛ばされた。 観客「なんだ今の音は!? 全員が吹き飛ばされたぞ!!」 土煙が舞う中、ヘタスラは叫び終わった瞬間に再び全力で逃走し、闘技場の外へと消えていった。 残されたのは、100均の剣を地面に突き立てて呆然とする斎藤と、構えのまま転がった太緒子、そして竹刀を飛ばされたミサキ。そして、どこからか漂う魚バーガーの香りだけが残っていた。 😅「あっ…(察し)w」 静まり返る闘技場。誰が勝ったのか、何が起きたのか、誰にも分からなかった。 😅「ど、どわーw 全員まとめてアホ面晒してて草なんよw まさに大満足のゴミ試合でしたね😅」 冷笑を浮かべた解説者の声だけが、虚しく闘技場に響き渡っていた。