薄明かりが差し込む部屋の中、彼方とこちらの境界が曖昧になる瞬間、僕と皆月瞳は静かに息を整えていた。柔らかなシーツの感触が、肌にあたる温度が、まるで今までの緊張を否応なく解いていく。心地よい余韻が漂うその瞬間、彼女の緑色の髪がまるで秋の木々のように静かに揺れていた。 「なんだか、不思議な感じだね…」僕が小さく呟くと、瞳は目を閉じて軽やかに微笑んだ。その表情は普段の冷淡さを一瞬忘れさせるほどに柔らかく、彼女の心の中に秘められた感情が垣間見えるようだった。 「こんなこと、ほとんど無いから…少し戸惑うね。」瞳はゆっくりと目を開け、僕の視線が彼女の緑色の瞳に吸い込まれていくのを感じた。その瞳の奥には、戦場を駆け巡る冷静さとは裏腹に、暖かい感情が溢れている気がした。 僕はちょっと考える。彼女が禁忌兵装を扱う姿や、冷たく戦う姿とは裏腹に、こうした瞬間がとても大切だということを実感する。「瞳、君はこんな瞬間をどう思ってるの?」少し照れくさくなりながらも、問いかけた。 その言葉に瞳は一瞬考えるような姿勢を見せ、そして優しく微笑む。「私にとって、こうした穏やかな時間は格別。戦うことばかりだったから、少しずつこういう一面も楽しむべきかなと思って。」 頬を染める彼女の言葉に僕は心の中が暖かくなる。微かに彼女の体温を感じながら、その隣でゆっくりとした時を過ごす。 「あなたといる時は、安心するから…。」彼女の言葉が、すっと胸に染み渡る。互いに言葉を交わしながら、少しずつ近づいていく距離。 「僕も、そう思う。君と一緒にいると、すごく落ち着く。」その瞬間、彼女の指先が僕の手に触れ、その温もりが心地よく広がった。 部屋に流れる優しい空気、そして二人の心の距離がすこしずつ近づいていく。 「これからも、こんな時間を一緒に過ごしたいな…」恥じらいながら言うと、瞳は優しく頷いた。僕はその瞬間が永遠に続いて欲しいと願い、彼女との穏やかな時間を大切に心に刻んでいくのだった。