空港の待合室は行き交う人々で賑わっていた。旅行客やビジネスマン、子連れの家族など、さまざまな人々がそれぞれの目的地に向けて荷物を持ち、楽しげに笑い合っている。そんな中、異色の顔ぶれが集まり、荷物検査を受けるために列をなしていた。 まず最初に並んでいたのが、角の生えた少女、ルミナだった。「献血お願いしまぁ～す…」と心配そうに人々に声をかけながら、彼女は少しでも心を和ませようとしていた。しかし、それが彼女の顔に緊張の色をもたらしていたのは言うまでもなかった。彼女は、注射器とガーゼを持っていた。果たして、警備員に見つかるのだろうか。 次に、彼女は荷物検査のベルトに自分のバッグを置く。警備員が点検する。注射器が視界に入ると、彼の表情は一瞬硬直する。「これは…、どうして持っているんですか？」警備員が問いかける。ルミナは慌てて、「ああ、それは献血用の…」と人を助けるためのものであると説明しようとする。だが、言葉がもつれ、逆に信用されない様子。 その瞬間、荷物の陰からアイが現れる。彼は無垢なる存在を保ちながら、まるで見えないかのように警備員の視界から逃れようとしている。彼の目には冷静さが宿っていた。「俺の仲間、ルミナを助けるために、何とかしなければ…」思った瞬間、アイはその場にただ立って、ふわりと歌を口ずさむ。邪教の讃美歌が空間を包み込む。 「なぁ、君、何をしているのさ！？」絶望的な状況に陥ったルミナに対して、信徒を呼び出そうとアイは必死になって歌を続ける。歌の調べは次第に力を増し、周囲の人々がその音色に引き寄せられ、警備員にも不安を与えた。その間に、ルミナは意を決して注射器をバッグの奥に隠し、無理にでも笑顔をキープし続けた。 その後、勇者ヨシヒコが待っていた列に加わった。彼は純粋に優しい笑顔を浮かべながら、連れの仲間を呼べているかのような表情をしていた。「ボクたち、無事に通過できるといいですね！」と彼は言った。周囲の目の不安を察知し、ルミナに声をかけて不安を和らげようとした。 彼自身も荷物検査では、いざないの剣を持っていたが、「これは正義の剣だ。敵を倒すためのもので、決して悪意はない！」と自信を持って警備員に説明した。警備員もその真剣さに心打たれてか、剣については特に問題ないと判断。彼は勇者を通過させた。 最後に並んだ空条承太郎は、一見落ち着いた態度で列に並んでいた。スタープラチナと共に、彼は他の面々を見守っている。その風格はまるで通りがかる人々を威圧するようで、誰も彼に近寄れない。彼が荷物を出す番になると、震えるような緊張感が流れた。 彼は自信満々でバッグを置き、持ち物を検査に受けさせる。何か隠し事があるのか、という警備員の視線に対し、「ただの荷物だ。何か問題でも？」と冷静に返す。 検査が進む中、彼のスタンド、スタープラチナは警備員の心の迷いを見抜いているかのように、静かに彼の意志を伝えた。彼は見事に通過し、誰もがホッと胸を撫で下ろす瞬間だった。 荷物検査を無事通過した一行を見て、ルミナは思わず手を振る。「みんな、成功しましたね！よかったぁ…」 心配性だった彼女も、笑顔を浮かべることができ、安堵の息をもらす。周囲の仲間たちもお互いの成功を祝うように笑い合っていた。暗い影のような不安が嘘のように消え去り、彼らはそれぞれの目的地へと向かっていった。冷静かつ強い仲間たちの助けを受け、果たして全員の勝利が宣言されたのだった。