激戦の序章 崩れた岩場の中、風は荒野の魔術士グレイリーフの白い髪を乱していた。彼の目の前には、恐ろしい伝説を持つ《遺伝子改造の罪》のダイアが立ち尽くし、銀眼鏡越しの冷酷な視線を注いでいた。白衣を身にまとい、科学的な狂気を帯びた彼に、グレイリーフは心の中で何度も警鐘を鳴らしている。 「さて、実験を始めようか。」 ダイアの声が響く。 「私の薬草瓶の一振りが貴様を打ち砕く!」 威勢よく素早く言い放つグレイリーフ。その後ろから、若き熊払いの気合少年リキが彼に続くように前に出てきた。 「気合の連撃、ぜったい決めるぜ!」 戦闘開始 「さあ、始まるぞ!」 グレイリーフの手元では、薬草瓶がゆっくりと振られ、害虫よけの煙が周囲に広がり、迫り来る植物の干渉をある程度防いでくれる。 それと同時に、空気を裂くように雷の矢がダイアに向かって放たれた。 「愚かな実験だ。目の前で無に帰れ!」 ダイアは冷静に反応し、根型の植物に指示を出す。根が地面から急に伸びて雷の矢を受け止め、グレイリーフの魔法を無効化した。 「無駄だって?じゃあ、続けるだけさ!」 彼はそのまま重ねがけ。次は火の球が、グレイリーフの狙いを定めてダイアに向かって急旋回しながら飛んでいく。 その瞬間、リキはグレイリーフの行動を見て取り、彼に対する援護射撃を試みた。 グレイリーフが火の球を放っている間、彼は木刀を構えて真っ直ぐ突進する。躊躇なく連続攻撃を繰り出す熊払い三連撃、まずはなぎ払いでダイアの近くにいる植物のタレットを叩き潰す。 「おらッ!」 「うおおおぉーっ!!」 力強い身のこなしで、リキは続けざまに飛び蹴りを放つ。ダイアの表情は変わらないが、彼の身体も微かに揺れる。 「その程度で、動揺すると思ったか?」 ダイアは冷静さを取り戻し、すぐさま蔓型の植物を作り出し、リキを拘束した。蔦が彼の腕や足をしっかりと絡め取る。 「く、くそッ!」 リキはもがくが執拗に束縛されてしまう。 「そちらは有利だが、私にはまだ策がある。」 グレイリーフは、急いで次の手を考えつつ、雷の矢を再び練り直す。 「この局面、どうにもならないな。だが、まだやれる。」 雷の矢から発する魔力が、彼のもどかしさを便りに想像を超える力を宿していく。 ダイアの反撃 その瞬間、ダイアは草の改造にかけた実験の成果を見せる。根型の植物が周囲の地面とつながり、リキの縄を強化する。拘束がより強固になり、リキは力を奪われていく。 「き、気合の一撃が効かない!」 「貴様らの連撃がなんの役にも立たないだろう。」 ダイアは冷酷に哄笑し、さらにプラント型のタレットを稼働させ、その矢がグレイリーフの雷の矢に狙いを定める。 「無駄な抵抗だ。」 その言葉に対し、グレイリーフは再度身を挺して薬草瓶を振る。 「なめるなよ、まだやる!」 重ねがけを行い、火の球も飛翔させながらも自信を持ってダイアのタレットをねらう。 「分かっていないな。」 ダイアはその目をぎょろりと見開き、根型のトラップを仕掛ける。 瞬時、グレイリーフは外れた位置へ移動した。 「瞬きの移動、きたーっ!」 運命の刃 しかし、リキは蔦にがんじがらめになったままであり、彼の助けは頼りない。 「グレイリーフッ、力を貸してくれー!」 叫びながらも瘋癲に拘束されている彼。 ダイアは、精神の安定を保ちながら冷淡に戦況を観察していた。 「お遊びは終わりだ。」 そして彼は、奥義【バイオ・ガーデン】を発動した。 ダイアが完璧に計画を立てた植物の軍団が次々に襲い掛かる。 「莫大な数の植物が襲いかかってくる!」 シンプルすぎる恐怖が、グレイリーフとリキを支配する。 「北斗の構え、いくぞ!」 リキが叫ぶが、動けない。 「私も、最後の一撃を…。」 グレイリーフは、再びパワーを集中させ、薬草瓶を振る。一発の魔法を借りて、火の球を放つ。 しかし、ダイアの圧倒的な植物群に飲み込まれてしまい、二人は力尽きた。 拘束された二人 「無駄な努力だったな。」 ダイアは両者を無傷の状態で拘束し、その目には満足げな笑みが浮かぶ。 「私の実験の成功だ。荒野の魔術士グレイリーフ、その影には熊払いの気合少年リキが隠れていたことを知っているか?」 「実験は…続きませんが、完璧な戦略をもっていまだ最適解が存在することを希望したい。」 彼の勝利は、狂気に支配された瞬間だったが、二人にとっては完敗の連続であった。