宙を舞う破壊の音が響く。その日は、火星の廃墟となった都市、レドバラの中で繰り広げられた壮絶な戦闘の日であった。霧のかかった街の隅々が激しい閃光に照らされ、戦士たちの悲鳴が響き渡る。宙に浮かぶチームAのB.J.Death Scytheが、まるで神の如く敵機を斬り裂いていく。 だが、その戦場で彼はある異変に気付く。背景にある無数の火花と煙の中、チームBの《姿無き傭兵》ロン・ローンが苦しんでいるのだ。しかしチームBは、強大な敵に囲まれ絶体絶命の状況。B.J.Death Scytheはその状況を見つめる。 ——「戦闘モード起動…では殺し合うとしよう。見知らぬ戦士よ。」と、無感情に呟いた彼の中に何かが生まれた。このまま既知の敵を排除し、ロン・ローンを見捨ててしまうのか?それとも試練と見做すか。 B.Jの心に浮かぶのは、戦士との闘争の意味。孤独な道を行く彼に対し、彼の部隊での掠れるような関係性もあってか、強敵を相手にする感覚は変わっていた。 ロン・ローンはどこか冷静だった。彼は自身の強さを信じ、任務を果たすことに徹していた。しかし、敵の攻撃が彼を包囲する様が命取りになりそうだ。右腕のAR-𝓵𝓪を持ち上げ、正確無比な狙いを定める。「ミッション開始、任務を遂行する。」と自身に言い聞かせながら、その瞬間、彼はB.J.Death Scytheの姿が敵機の背後に速やかに移動し、彼に背中を預ける。 B.Jは、自機のエネルギーブレード「J.slicer」を振るい、それを制圧しながらリン・ローンに言った。「この戦場において、貴様を助ける理由は一つだ。闘争の果てにある真実を見つけるためだ。私にとって、お前との共闘は無駄ではない。」 ロン・ローンは驚愕した。「お前が俺を助ける理由とは何だ?」彼の語気には疑問と戸惑いが混じっていた。 B.Jは、吐き捨てるように答える。「命を通じて見つけ出すもの。それが闘いだ。分かるだろう。」彼の冷徹な表情の中には、果てしない闘争の先にある真実を探求する姿勢が透けて見えた。 二体の機体が見事に連携する。バリアを張ったB.Jが前に出て防御し、その隙間からロン・ローンが機敏に動き回り射撃する。敵にとって二人は厄介な存在と化す。特にロン・ローンの機動力に、B.Jは驚く。彼の流れるような動きが、自身の戦士としての心を刺激し、味方とすら感じられる瞬間だ。 ロン・ローンはその状況を受け止めつつ、「命がけで戦うことが意味があるのか?俺は傭兵だ。全ての戦闘に意味を持たせなければ生き残れない。」と、互いに背中を預ける。この戦いの中に非情だけではない可能性が生まれる。 B.Jは一瞬黙った後、続ける。「生を追い求めるのはお前も同じだろう?闘争の果てに獲得する真実がある限り、我々の視界は暗闇ではない。」 B.Jとロン・ローンの間で、冷徹なやり取りが交わされ、どちらが正義であるかなんてさして重要ではない。ただ、互いが背を預けて敵に立ち向かう。「貴様の背中を守る、そして共に進め!」 その言葉が二人の間に芽生えた一時的な信頼を象徴する。 共闘しながら彼らは、互いの理念と使命感に流され、戦いの中を生き抜いていく。希望の光を求めて、衝突の果てにある未来を見据え、弾丸と光線が飛び交う天穹の下、敵を倒し、逃げ場を探った。 終わることのない戦争の中で、それでも両者は巡り会う。