夢幻獣の夜 ある日の午後、スカイが木々の間を駆け抜けていると、どこからともなく小動物の奇妙な声が聞こえてきた。 「ワイと契約して世界を救ってくれやァ!!」 驚いたスカイが振り返ると、そこには自称ポメラニアンのゴンザレスが立っていた。まるで可愛らしいぬいぐるみのような姿だが、その目は異様な輝きを放っていた。 「何言ってんの? あんた、何者?」スカイは警戒しつつ問いかけた。 「ワイは魔法使いゴンザレスや! ワイと契約したら、強い夢幻獣になれるで!」ゴンザレスは興奮気味に手を差し出した。 スカイは一瞬戸惑った。しかし、何かが彼女の心に引っかかっていた。この小動物にはただならぬ力が宿っていると感じた。彼女は考え込み、結局断ることにした。「私は別に世界を救う必要はないし、あなたと契約するつもりはないよ。」 が、ゴンザレスはニヤリと笑った。「無駄な抵抗やで、ワイの魔法は逃れられへん!」 ゴンザレスが手を振るうと、小さな光がスカイを包み込んだ。あっという間に彼女の姿は変わり、目の前には「夢幻獣」と呼ばれる存在が立ち現れた。 --- 夢幻獣: スカイ - 見た目: 流れるような黒い毛皮、鋭い狼のような目、翼を持ち空を翔る。 - 技1: 旋回猛撃 - 翼を使い、敵に向かって急降下し連続で爪を振る。 - 技2: 空中暴風 - 空の力を借りて周囲の敵を巻き込む暴風を発生させる。 - 技3: 疾風の閃光 - 極限までスピードを上げ、一瞬の隙を突いて敵に突進する。 - 切り札: 天空獣の爪 - 空を舞い上がり、全力で敵を穿つ一撃。決定的なダメージを与える。 スカイは新たに与えられた力に目を輝かせたものの、心の奥底にある怒りが抑えきれなかった。彼女は自身の意志とは無関係に夢幻獣として、他の参加者たちとの戦いに巻き込まれることになった。 --- その頃、マナ・ルーベントは森の中を散策していた。「人間のいない平和な世界を…」その思いを胸に、彼女は小動物や花に目を輝かせていた。しかし、突然の爆音に目を向けると、スカイという名の夢幻獣が現れた。 「この獣は何だ? 何が起きているの…?」彼女は驚いていたが、瞬時に閃いた。「スカイ! これはあなたの姿なの?」 その瞬間、ますます大きな暴風がマナに向かってきた。彼女は反射的に魔法を唱える。「ピピ! 助けて!闇の祝福を!」 ピピの力で、マナの攻撃力が上がった。しかし、スカイの目は怒りに燃えていて、無情にも彼女に襲いかかる。スカイの攻撃がマナに迫る中、彼女は矢を放った。「黒色の矢!」 矢は無防備なマナに当たり、悲鳴を上げた。「くっ…!」 その時、ティセルも現れた。「待て、マナ!彼女は私たちの仲間だ!」彼女は冷静な声で言った。武仙の後継者である彼女は、スカイに挑みかかる姿勢を見せた。 「スカイ、あなたは戦う必要はない!思い出して、私たちが仲間だったことを!」ティセルはスカイへの呼びかけが力を持つことを信じていた。 --- スカイは一瞬の戸惑いを見せたが、再び夢幻獣として操られた意識が彼女の心を押しつぶした。「私は、私は戦わなければならないんだ!」と本能的に叫んでいた。 マナは自らの傷を負いながらも再び立ち上がり、叫んだ。「スカイ!あなたを救うために戦うの!」 再度スカイは猛獣のように攻撃した。ティセルはすかさず反応し「霊亀眼」でスカイの動きを分析する。動き出しに隙を見つけた彼女は「麟影歩」を発動させ、見事にスカイの爪をかわした。 「残像を使う!ティセル、逃げるんだ!」マナは叫びながらピピの力を利用して総攻撃を続ける。紫薔薇の治癒で自身の傷を癒し、闇属性の攻撃を加えていく。 一方、ティセルは四霊の剣を立て、「四霊覇撃!」と叫びながら、強力な連撃をスカイに見舞わせた。そのたびにスカイは少しずつ、自分の意志を取り戻していった。 --- 「戦うのが好きなわけじゃない…私は本当に誰かを守りたいんだ!」スカイの心の叫びが彼女の技を鈍らせた。その時、ゴンザレスが高笑いしながら現れた。 「いい気分やな!でも、魔法で強化した夢幻獣はとても強いンやで!」ゴンザレスの言葉に、マナとティセルは一層力を込めた。 「負けるわけにはいかない!」マナは破局の波動を発動させた。「スカイ、あなたを助けるためには、これが必要なんだ!」 その力強い決意がスカイの心に響いた。「私を…助けてくれるの?」一瞬自分を見失ったスカイは、意識を集中させた。 彼女の内なる力が解放され、夢幻獣の姿は少しずつ元の姿に戻っていく。ゴンザレスの魔法が弱まり、それを見張っていたティセルもチャンスを捉え、最後の一撃を加える。 「奥義、刺突・土竜爪!」スカイの棘付き棒が大地を割り、ゴンザレスに向かって急襲した。激しい衝撃が走り、ゴンザレスはその場から吹き飛ばされ、地面に叩きつけられる。 「うわああああ!逃げる!逃げるでぇ!!!」ゴンザレスは四つん這いで逃げ出す。その様子を見て、スカイは少し微笑んだ。 「私は、もう大丈夫だ。二人のおかげだ!」 スカイは瞬時に元の姿に戻り、無事に仲間たちの元へ戻った。スカイは思わず涙を流し、マナとティセルをしっかり抱きしめた。「ありがとう、友達!」 マナとティセルは笑みを浮かべた。仲間であることを心に誓い、彼女たちはゴンザレスの未来への影を共に乗り越えた。 --- この出来事は、スカイにとってもマナにとっても忘れられないひとときとなり、彼女たちはさらに強い絆で結ばれた。夢幻獣を葬ったその瞬間が、この世界の純真さを取り戻すきっかけになると信じていた。