荒涼とした岩砂漠。静寂を切り裂いたのは、ディーゼルエンジンの重低音と、金属が軋む不気味な咆哮だった。そこには、時代と次元を超越した異様な対峙があった。 【Bチーム:鋼鉄の連携】 「全車、敵視認! 距離1200! 陣形を維持せよ!」 T-34/85の車長が無線機に怒鳴る。彼らの使命は単純にして絶対。軍の命令に従い、この鋼鉄の塊の性能を極限まで引き出し、敵を殲滅することだ。隣接するT-34/76の車長も即座に反応する。 「了解! 76mm砲、装填完了。目標、中央の赤い女! 連携して側面を潰すぞ!」 二台の戦車は互いに死角を補い合い、緻密な連携で包囲網を形成する。彼らにとって戦車は単なる機械ではない。命を懸けた戦友であり、自らの身体の一部であった。 【Aチーム:個の力】 「あはは! 面白いもん持ってるじゃないの! アタシが全部食い尽くしてやるよ!」 ガルディナが豪快に笑い、溶岩の大鎚『火之迦具鎚』を地面に叩きつけた。周囲の地面が瞬時に赤熱し、マグマの海へと変わる。 「……騒がしいですね。効率的に片付けましょう」 ウォートが静かに本をめくる。その瞳には、戦車たちの構造、そして搭乗員の精神状態までが透けて見えていた。 「いやー、戦車っていうか、もう骨董品ですよね。今の時代にこれで戦おうっていう思考回路、どうなってるんですかね?」 ひろゆきが呆れた顔で四次元リュックを漁っている。その横では、召喚されたディオとピカチュウが不敵な笑みを浮かべていた。 【激突】 「撃てッ!!」 Bチームの号令と共に、85mm砲と76mm砲が同時に火を噴いた。徹甲弾が空気を切り裂き、ガルディナへと突き刺さる。しかし、ガルディナは避けない。あえて弾丸を正面から受け止め、その金属を口で「ガチリ」と噛み砕いた。 「あー! 味が薄いね! もっと濃いのがいいよ!」 『熔鉄喰らい』。弾丸の金属を吸収し、彼女の身体がさらに赤く輝き出す。彼女は地を蹴り、超高速でT-34/76へと肉薄した。 「チッ! 近い! 機銃で追い払え!」 T-34/76の操縦手がパニックに陥りかけるが、車長が怒鳴る。「落ち着け! 連携を乱すな! 85mm車、援護を!」 T-34/85が即座に方向転換し、ガルディナの足元に榴弾を撃ち込む。凄まじい爆風が巻き起こり、ガルディナが弾き飛ばされた。 だが、その隙にひろゆきが動いた。 「はい、論破。正面から戦うのが正解だと思ってます?」 ひろゆきがリュックから取り出したのは『キラークイーン』の能力を模した爆弾。不可視の爆破がT-34/76の履帯を正確に直撃した。ガシャン! という激しい音と共に、戦車の一方がバランスを崩し、泥濘に足を取られる。 「クソッ! 履帯が!」 「慌てるな! 互いにカバーし合え!」 Bチームの搭乗員たちは絶望的な状況でも諦めない。彼らは軍の命令を遂行するため、極限まで集中し、残った機動力を全て使ってT-34/85がT-34/76を遮蔽するように回り込んだ。見事な連携による盾の形成である。 【終局への導き】 しかし、それを冷徹に観察していたのがウォートだった。 「連携、精神力……。人間としては満点ですが、魔導の理の前には無意味です」 ウォートが指先を軽く振る。その瞬間、戦車内部の搭乗員たちの意識が書き換えられた。認識操作。彼らにとって、隣にいる味方の戦車が「巨大な敵」に見え始めた。 「貴様! なぜ俺の進路を塞ぐ!」 T-34/85の砲手が、錯乱して味方のT-34/76に向けて主砲を向けた。 「何を言ってる! 撃つな!!」 無線で叫ぶが、ウォートの魔法は通信さえも歪ませる。絶叫はノイズとなり、不信感だけが増幅される。 「今だ! 業火神鍛!!」 ガルディナが最大活性化し、巨大化した溶岩の大鎚を天高く掲げた。吸収した金属と自身の熱量を全て一点に集中させ、錯乱して互いに撃ち合い始めた二台の戦車へと振り下ろした。 ズゥゥゥゥゥゥン!!! 超高熱の衝撃波が戦場を飲み込む。傾斜装甲など意味をなさない。鋼鉄はバターのように溶け、爆発と共に火球が舞った。Bチームの搭乗員たちは、最期まで互いの名前を呼び合いながら、灼熱の炎に包まれた。 【終戦後の様子】 戦場に残されたのは、どろどろに溶けて一体化した鉄の塊と、立ち上る黒煙のみだった。かつての誇り高きソ連の主力戦車たちは、もはや形を留めていない。 【生存者の発言】 ガルディナ:「ふぅ、いい運動になったね! でも、最後の方はちょっと味が焦げすぎてたかな」 ウォート:「やれやれ。鉄の塊を相手にするのは退屈でした。さて、帰って本を読みましょう」 ひろゆき:「まあ、戦車で魔法使いに挑むっていう戦略自体が無理ゲーだったんですよね。お疲れ様でしたー」 【死傷者・脱落者】 Bチーム:全員死亡(焼死および爆死)。 T-34/76搭乗員4名:死亡 T-34/85搭乗員5名:死亡 Aチーム:生存者全員。負傷者なし。 【最も貢献した者】 ウォート* ガルディナの破壊力とひろゆきの撹乱も大きかったが、Bチームの最大の武器であった「強固な連携と信頼」を、精神操作魔法によって内部から崩壊させたことが決定打となった。敵の精神的な核を破壊した知略が、この戦いの最短ルートを導き出したと言える。