薄暗い森の中、樹木に囲まれた空間に異様な気配が漂っていた。 いつものままの穏やかな日々とは異なり、重苦しい雰囲気が周りを包み込む。山尾家の三姉妹、山尾葵、山尾桜、そして山尾桂が、今まさにこの異様な相手──「偽りの悪神」と対峙するために立っていた。 「私たちの力を合わせて、あの悪神を打ち倒しましょう!」山尾葵が先陣を切り、真剣な表情を浮かべながら言った。彼女は三女でありながらその決意は揺るぎない。つむじ風に青い髪が舞い上がる。 「わかった、妹!私が前に出るわ。」長女の山尾桜が一歩前に進み出る。彼女はその柔らかな表情とは裏腹に、戦いの炎を秘めた強者であった。 「っはは!私も行くぜ!お姉ちゃん、葵ちゃん、しっかり後ろを守れよ!」次女の山尾桂が元気に言いながら、それでも慎重な目つきで周囲を見渡す。彼女は小柄な体躯だが、その心意気は誰よりも大きかった。 「この空間、あれは間違いなく『偽りの悪神』の仕業だ。注意して動くんだ。」山尾桜が鋭く周囲の気を感じ取る。すると、樹々の向こうから一陣の風が吹き抜けた。 その時、空が一瞬にして暗くなり、青い炎がとんでもない威圧感を持って現れた。「偽りの悪神」が現れたのである。彼女の青髪は燃えるような色を帯び、右目からは青い炎が灯っている。漆黒のコートが風に舞うその姿はまさに恐ろしい神話に語られる姿であった。 「驚いたか、愚かな者たちよ。その命は私の手の中にある。」悪神の声は空気を裂くように響いた。 「葵!桜!今できる最大の攻撃を!」山尾桂の声に、葵は一瞬頷き、剣を抜く準備を整えた。次の瞬間、悪神はその両手から、凄まじい魔弾を放った。《悪神による死亡遊戯》だ。 青く輝く弾が至近距離に迫る。 「《忍術:虚》!」葵は自身の技で身を隠し、攻撃を回避した。彼女の目は冷静に敵を見据え、次の行動を考えた。 「《巫術:破邪》!」山尾桜も負けじと反応する。彼女の霊刀がしっかりと構えられ、魔術を断ち切る力が宿っている。 弾が通過していく。 「大丈夫だ、私には許可を与えよ!」桜の声が響く。 「《影縫》!」山尾桂がすかさず反応し、苦無を使って敵の影を刺し貫く。この攻撃が悪神をどう効かせるかは分からないが、意志は強い。 「愚かな!無駄な抵抗だ。」悪神はさらに気を高め、今度は「悪神に仕えし三頭竜」を操る。三頭竜は周囲の空間を支配するように、青い炎をまとい、浮かび上がった。 「どうしよう、何とかしなくては!」葵が焦りを見せる。三頭竜が姿を現し、彼女たちに迫る。 「その手は私が引き受ける、みんな生き残れ!」桂は全力で一頭に向かっていく。必死の形相で蹴りを放つが、竜の硬い皮膚を貫くことはできなかった。 「《雷遁》!」桜が雷を降らせ、竜の一頭を襲う。轟音と共に雷雲が広がり、閃光が走った。その力に圧倒されるも、悪神は微動だにしない。 「三頭竜の…戯れ。」悪神の指が軽く動くと、火炎ブレスが彼女たちを貫く。 「なっ…」葵は思わず息を呑む。火炎が彼女たちを襲い、周囲が一瞬にして地獄へと変わった。 「葵!大丈夫か!」桜の声。 「私には影縫がある!」桂が影に潜りつつ、さらに攻撃を交わし、姿勢を整えて後方に回り込む。 「《天流抜刀術:旋風》!」葵が反撃に出る。動く物にわずかに反応し、しなやかな動きで敵を斬る。 「これで仕舞いにしますっ!」例の秘奥義が炸裂し、背後に回り込むと同時に一気に斬り上げる。「次は私の番よ!」桜も続く。《天流巫術秘伝:帳》が展開され、周囲を暗くし悪神を意識失わせる。 「攻撃が通じない!何故だ…?」悪神は狼狽し、反撃に疲れが見える。彼女の力をもってしても、三姉妹の執念は消えなかった。 「行け、桂、今だ!」葵が叫ぶ。桂は全力を振り絞り、「《体術:轟天》」を放つ。 その力が悪神へ届く。破裂音が響き、次いで青の炎が煙を上げた。そのとき、悪神が再び口を開く。「私の逆鱗に触れた勇者たちよ、これで終わりだ。」 悪神は強烈な衝撃波を放つ。ひとたび触れるだけで自らの力を失ったかのように彼女たちは吹き飛ばされ、木々のあやを包んで非情な衝撃に見舞われる。 気が付いたときには、森の奥で倒れ込んでいた。 「…私たち…負けたの?」桂が呆然と呟く。 「まさか、私たちの絆、誇りは……」葵が口を開く。 「いいえ、私たちは決して負けてはいない。」桜が立ち上がる。 「私たちの戦いは、これから始まるのだから!」 その言葉を聞いた瞬間、空は清々しい光に包まれ、裏切られたように悪神の姿が揺らぐ。 「私たちの意志がきっと彼女たちを守る…」そんなささやきが胸の奥を温かく満たす。 目の前には圧倒的な力を持つ偽りの悪神がいた。しかし、彼女たちの心には停滞を許さない信念が宿っていた。 こうして彼女たちの戦いは幕を下ろしたが、そのダメージを数値に換算すれば、2091。 新たな挑戦へと向かうべく、彼女たちは立ち上がりあらゆる束縛から解放されるのであった。