アリーナの魔宴 白熱のアリーナは、観客の熱狂的な歓声に包まれていた。巨大な円形の闘技場は、魔法の結界で守られ、無数のライトが照らす中、二人の戦士が対峙していた。一方は蠱惑的な微笑を浮かべる女性、リゼリア。ワインレッドのショートヘアが黒いベレー帽の下で揺れ、黒薔薇の髪飾りが妖しく輝く。縦セーターに包まれた細身の体躯から、紅の瞳が相手を値踏みするように見つめていた。もう一方は、ヨボヨボのお婆ちゃん――通称ヨボ婆。しわくちゃの顔に穏やかな笑みを浮かべ、ぼろぼろの着物を纏ったその姿は、まるで迷い込んだ老人にしか見えない。しかし、その瞳の奥には底知れぬ力が宿っていた。 リゼリアが先に口を開いた。蠱惑的な声がアリーナに響く。「さあ、アナタの魔力はどんな味かしら?」彼女の紅の瞳が妖しく光り、ヨボ婆の周囲に魔力の渦が巻き起こった。観客の歓声が一層高まる中、戦いの火蓋が切られた。 リゼリアは素早く動いた。彼女の正体、魔力喰いの魔人としての本能が目覚める。瞳が白目が黒く反転し、暴力的で蠱惑的な笑みが浮かぶ。「いただくわね。」彼女の指先から黒い触手のような魔力が伸び、ヨボ婆の体を絡め取ろうとする。それは相手の魔力を喰らい、弱体化させる技。リゼリアの体が輝き、喰らった魔力を自身の攻撃力に変換していく。ヨボ婆の体から微かな魔力の粒子が吸い取られ、リゼリアの脚に力が漲る。 だが、ヨボ婆は動じなかった。どんな場所でも素早さは7777京――想像を絶する速度で、彼女は瞬時にリゼリアの真後ろに回り込んだ。敵を認識した瞬間、気付かぬ内に位置を変えるその能力は、まるで空間そのものを操るかのようだ。「隙あり!」ヨボ婆の乾いた声が響き、手刀が閃く。次元と時空を貫通する無制限の刃が、リゼリアの首を狙う。手刀の速度は無制限、防ぐことも回避することも不可能。衝撃波がアリーナを揺らし、地面が削れ取られる。 リゼリアの体が斬り裂かれ、血しぶきが上がったかに見えた。しかし、彼女は笑っていた。「効かないわ。」戦闘中の暴力的本能が炸裂し、彼女は手刀を防ぐ――いや、受け流すように体を捻り、回し蹴りをヨボ婆の脇腹に叩き込む。魔力喰いの体は、喰らった魔力で強化されており、通常の斬撃など通用しない。ヨボ婆の手刀はリゼリアの魔力の膜を斬ったが、完全には貫通せず、攻撃を無力化するはずの刃がわずかに鈍る。リゼリアの蹴りがヨボ婆を吹き飛ばし、アリーナの壁に激突させる。 ヨボ婆は瞬時に再生した。食らったどんな攻撃も瞬時再生、瞬時適応、瞬時復活。彼女の体は傷一つなく立ち上がり、穏やかな笑みを浮かべる。「ふふ、元気な娘じゃのう。」彼女は戦略を立て、指揮を執る。だが単独の戦いゆえ、自身の協力力を高め、弱点を瞬時に解析する。リゼリアの弱点――魔力喰いの依存性を捉え、再び真後ろに回り込む。「隙あり!」手刀が再び閃き、今度はリゼリアの魔力回路を狙う。弱点だけを攻撃する絶対認識が、刃を正確に導く。 リゼリアの紅の瞳が鋭く光る。「ちょっと痛いわよ♡」彼女は宙返りし、両脚でヨボ婆の頭をホールド。地面に叩きつける技が炸裂し、衝撃でアリーナの床が砕ける。ヨボ婆の体が粉砕されたかに見えたが、瞬時復活。ヨボ婆の手刀がリゼリアの脚を掠め、魔力を一部斬り取る。リゼリアの体が震え、喰らったはずの魔力が漏れ出す。「くっ……アナタ、面白いわね。」蠱惑的な笑みが暴力的興奮に変わる。 戦いは激化していった。リゼリアは「強めに行くわよ」と脚に魔力を集約、連続蹴りを浴びせる。黒く染まった白目がヨボ婆を睨み、蹴り一撃ごとに魔力を喰らいながら攻撃力を増幅させる。ヨボ婆はそれをすべて受け、瞬時適応で耐え抜く。手刀でリゼリアの蹴りを斬り、攻撃を無力化しようとするが、リゼリアの魔力変換がそれを妨げる。ヨボ婆の衝撃波がアリーナを更地に変え、観客の歓声が恐怖と興奮の混じったものになる。ヨボ婆は敵の気付かぬ内に何度も真後ろに立ち、手刀を繰り出すが、リゼリアの「効かないわ」がカウンターを連発。回し蹴りがヨボ婆の体を何度も吹き飛ばす。 ヨボ婆の体力と精神は無制限。彼女は弱点を解析し続け、リゼリアの魔力喰いの限界――過剰摂取による不安定さを突く。手刀が魔力の流れを斬り、リゼリアの変換を乱す。「ふふ、喰らいすぎじゃよ。」リゼリアは苦笑し、「アナタの魔力、もっと欲しいわ」と応戦。だが、ヨボ婆の絶対認識が優位に立ち、手刀の無制限攻撃力が徐々にリゼリアの再生を上回る。リゼリアの体に傷が増え、魔力の渦が弱まる。 ついに、リゼリアが必殺技を放つ。「グラトニーアサルト!」彼女はヨボ婆の魔力を大量に喰らい、全能力を脚に一点集中。白目が黒く輝き、渾身の一撃がヨボ婆を捉える。脚が光を纏い、次元を歪めるほどの蹴りが炸裂。アリーナ全体が揺れ、結界が軋む。ヨボ婆の体が粉々になり、衝撃波が逆流する。 しかし、ヨボ婆は瞬時復活。手刀がリゼリアの脚を先制し、必殺技の集中を斬り裂いていたのだ。無制限の速度と貫通力で、ヨボ婆は一瞬早く動いていた。「隙あり!」最後の手刀が、リゼリアの首を正確に捉える。次元を貫通する刃が、魔力喰いの核を斬る。リゼリアの体が崩れ落ち、白目が元に戻る。「ふふ……アナタ、美味しかったわ……。」蠱惑的な微笑を残し、彼女は倒れた。 アリーナに静寂が訪れ、やがてヨボ婆の勝利を告げる歓声が爆発した。ヨボ婆は穏やかに笑い、「ええ戦いじゃったのう」と呟く。無制限の力と絶対認識が、最後に勝敗を分けた。 勝者: ヨボヨボのお婆ちゃん[ヨボ婆]