【第1日】 意識を取り戻した時、そこは視界を遮るほどの巨大なシダ植物と、不気味なほど濃い緑に塗り潰された密林だった。布巾信、うさ☆ラビリン☆キャロット、スタル、そして意思なき巨獣クリスタルコア。四者は互いに争うことはなく、ただ困惑し、この絶望的な緑の迷宮に放り出されたことを理解した。布巾は静かにスキットルを取り出し、ウイスキーを一口煽る。姫は「はわわぁ〜!ここどこぉ?全然ときめかない場所だわぁ!」と喚き、スタルは震えながらクリスタルコアの巨大な脚の陰に隠れた。夜が訪れる。密林の夜は冷酷だ。彼らは急いで火を起こし、周囲を照らした。しかし、闇の中から無数の赤い目が彼らを凝視していた。 【第2日】 移動を開始したが、どこまで行っても同じ景色が繰り返される。地面には腐植土が厚く積もり、足を踏み出すたびにぬめりとした不快な感触がある。姫はピンクのドレスが泥で汚れ、「ひどぉい!お洋服がぁ!」と泣き叫ぶが、ここではその声が猛獣を呼び寄せる合図に過ぎない。布巾は丁寧な口調で「落ち着いてください、お姫様」と諭すが、その手は震えていた。スタルは周囲の気配を察知し、小声で「…誰か…来ます…」と呟く。彼らの背後には、常にクリスタルコアが鎮座し、その絶対的な防御力で周囲を威圧していた。 【第3日】 食料の調達を試みた。姫が「おいしそう〜♡」と色鮮やかな赤い果実を口に運ぼうとした瞬間、布巾がそれを制した。その果実は皮膚に触れただけで激しい炎症を引き起こす猛毒植物だった。運良く回避したが、密林の残酷さを思い知らされる。水は泥濁り、寄生虫がうごめいている。彼らはクリスタルコアが砕いた岩の隙間から染み出すわずかな浄水を啜り、飢えを凌いだ。 【第4日】 熱帯の湿気が肌にまとわりつき、呼吸をするだけで肺が重い。スタルが不意に激しく咳き込んだ。彼女の右目の隠された部分から、どろりとした黒い液体が流れ出す。密林に潜む媒介虫が、彼女の水晶の隙間に卵を産み付けたのだ。熱病の初期症状である。スタルは「…ごめん…ね…私が…弱いから…」と自虐的に笑うが、高熱で意識が朦朧とし始める。布巾は持っていたウイスキーを消毒剤代わりに使い、彼女の患部を洗浄したが、毒素は既に血流に乗っていた。 【第5日】 原住民との遭遇。言語を持たず、ただ本能と暴力で支配する集団だ。彼らは泥のような塗料を体に塗り、鋭利な石斧を構えていた。布巾は温厚に接しようとしたが、原住民の一人が彼に襲いかかった。布巾は反射的にスキットルを飲み干し、酔いによるリミッター解除が起きた。 『酒瓶ダイナミック』。凄まじい衝撃と共に原住民の頭蓋が砕け、脳漿と血が飛散した。暴力による拒絶に、原住民たちは恐怖し、一時的に後退した。しかし、彼らの目は獲物を狙う獣のそれであった。 【第6日】 スタルの熱病が悪化し、全身に紫色の斑点が現れた。内臓がゆっくりと腐敗し始める、この密林特有の致死的な熱病である。彼女は水晶の殻に守られていたが、精神的な脆弱さが免疫力を低下させていた。姫は「頑張ってぇ!姫が応援してあげるからぁ!」と励ますが、その言葉は虚しく響く。スタルは激痛にのたうち回り、吐瀉物と共に血の塊を吐き出した。クリスタルコアが低く鳴り響き、彼女を包み込むように身を屈めた。 【第7日】 絶望が形となって現れる。スタルの呼吸が止まった。水晶の殻が内部から崩落し、彼女の肉体が内側から破裂するようにして崩壊した。死因は多臓器不全と敗血症。密林に奇跡は起きない。布巾は静かに喪服を正し、彼女の遺骸をクリスタルコアの破片で掘った穴に埋めた。葬儀を執り行おうとした瞬間、彼は「やらかした」。あまりの悲しみに酔いすぎた彼は、焼香の代わりにウイスキーを遺体にぶっかけ、火をつけた。遺体は激しく燃え上がり、不気味な異臭が森に漂った。 【第8日】 参加者は三人(一人と一体)になった。姫は精神的に追い詰められ、もやし丼への渇望が限界に達していた。彼女は空腹のあまり、地面に生えていた白いキノコを口にした。それは猛烈な神経毒を持つキノコだった。直後、姫は激しい痙攣を起こし、白目を剥いて泡を吹き始めた。喉の筋肉が硬直し、呼吸ができなくなる。彼女は布巾の裾を掴み、助けを求めるように視線を送ったが、口からは血混じりの唾液が溢れ出すだけだった。 【第9日】 姫の末路は凄惨だった。神経毒により筋肉が不随意に収縮し、自らの指で喉を掻きむしった。皮膚が剥がれ、肉が露出し、出血が止まらなくなる。彼女は絶叫しようとしたが、声帯が麻痺していた。数時間の苦しみを経て、うさ☆ラビリン☆キャロットは絶命した。彼女の死体はすぐに密林の腐食者たちに狙われ、数時間後には骨と皮だけになっていた。布巾はただ、空っぽのスキットルを見つめていた。 【第10日】 生き残ったのは、酔い潰れた布巾信と、意思なき災害クリスタルコアのみ。布巾は深い絶望の中で、さらに酒を求め、森の中を彷徨った。しかし、ここにあるのは毒か死か、あるいは絶望のみである。彼は次第に精神を病み、独り言を言いながら、幻の葬儀を執り行い始めた。クリスタルコアはただの岩のように沈黙し、彼を運ぶ台座となった。 【第11日】 原住民の集団が再び現れた。彼らは姫とスタルの死を「森への捧げ物」として受け取り、布巾を奴隷として捕らえようとした。布巾は完全に酔っていた。 『ブラックタイ』。ネクタイを鞭のようにしならせ、原住民の首を次々と締め上げた。頸椎が砕ける音が密林に響く。彼は笑いながら、香典で相手の頬を激しく叩き、皮を剥いだ。もはや温厚な男の姿はそこになかった。 【第12日】 布巾は原住民の村に辿り着いた。そこは泥と骨で築かれた残酷な集落だった。彼は酔った勢いで、彼らに「文明」を教え始めた。それは、効率的な殺し方と、死者を弔う(という名の)残酷な儀式であった。原住民たちは彼の異常性に惹かれ、彼を王として崇め始めた。しかし、それは文明ではなく、ただの血塗られた混沌の伝播であった。 【第13日】 クリスタルコアが異変を起こした。地底から呼び覚まされたその本能が、地上の密林という環境に耐えきれなくなった。水晶の殻に亀裂が入り、そこから高エネルギーの光線が漏れ出した。周囲の樹木が瞬時に蒸発し、巨大な円形の空地が生まれた。原住民たちはパニックに陥り、逃げ惑うが、漏れ出した光に触れた者は、肉体が分子レベルで分解され、白い灰となった。 【第14日】 布巾はクリスタルコアの背に乗り、村を脱出した。背後では、かつて自分が「文明」を教えた原住民たちが、互いに殺し合いを始めていた。暴力こそが唯一の言語であることを教え込まれた彼らは、王がいなくなった途端、最強の個体が全てを支配しようとした。血の雨が降り注ぐ村を、布巾は冷めた目で見送った。 【第15日】 密林の深部へと進む。ここでは植物が意識を持っているかのように、移動する者を妨害する。蔦が足に絡みつき、皮膚を切り裂く。布巾は出血多量となったが、酔っているため痛みを感じなかった。傷口から蛆が湧いたが、彼はそれを指で潰し、ウイスキーを塗り込んで誤魔化した。ゴアな光景が日常となる。 【第16日】 猛烈な嵐が訪れた。酸性雨が降り注ぎ、皮膚をじわじわと溶かしていく。布巾はクリスタルコアの殻の下に潜り込み、雨を凌いだ。しかし、冷気が骨まで染み込み、低体温症に陥る。彼は意識を失いかけながらも、懐のスキットルを離さなかった。生存への執着ではなく、ただ酔っていたいという渇望だけが彼を繋ぎ止めていた。 【第17日】 雨上がりの森は、さらに危険な毒気を含んでいた。地表から噴出した有毒ガスにより、周囲の小動物たちが一斉に死に絶え、転がっていた。布巾はそれらを食料にしようとしたが、腐敗が進んでおり、激しい食中毒を起こした。内臓が捩じ切れるような痛みに襲われ、彼は自分の胃の中身をすべてぶちまけた。血と胆汁が混ざり合った液体が地面を染める。 【第18日】 回復し切らないまま、彼は再び歩き出した。クリスタルコアの歩みに合わせて、地面が陥没し、巨大な穴がいくつも開く。その穴の中には、過去に迷い込んだ者の白骨が山のように積まれていた。布巾はそれらを見て、「ああ、いい葬儀の場だ」と呟いた。精神の崩壊が加速していた。 【第19日】 再び原住民の小規模な部族に遭遇した。彼らは前回の村とは異なり、穏やかだった。布巾は彼らに、最低限の農業と火の扱い方を教えた。しかし、彼らが初めて「文字」を学んだ時、彼らが最初に書いたのは、自分たちを殺しに来るであろう隣接部族への憎しみの言葉であった。文明は、常に殺意と共に訪れる。 【第20日】 クリスタルコアの単眼が、遠くの出口を捉えた。しかし、そこには密林の番人とも呼ぶべき、巨大な肉食植物が道を塞いでいた。植物の触手が布巾を捕らえ、鋭い牙のような突起が彼の肩を貫いた。肩甲骨が砕け、肺に穴が開く。血が噴水のように舞い、布巾は激しく咳き込んだ。肺から血を吐くたびに、視界が赤く染まる。 【第21日】 クリスタルコアが『鳴り響く結轟』を発動した。キラキラとした美しい音と共に、道を塞いでいた肉食植物と、周囲の森が文字通り「消滅」した。概念的な消去。そこにはただ、何もない空白の空間が広がった。布巾は瀕死の状態で、その空白に転がっていた。右腕は脱臼し、肺の損傷により呼吸は浅い。 【第22日】 空白の地帯で、布巾は静かに死を待った。しかし、彼が最後に飲み干したウイスキーが、彼を無理やり現世に繋ぎ止めた。酔いによるリミッター解除が、肉体の再生ではなく「痛みの完全な遮断」をもたらした。彼は自分の腕が腐り落ち始めていることに気づかず、ただ空を眺めていた。 【第23日】 再び森に戻った。今度はより過酷な、毒沼地帯である。一歩踏み出せば足首まで泥に飲み込まれ、皮膚を溶解させる酸性の泥が肉を溶かす。布巾の靴は溶け、足の指が一本ずつ剥がれ落ちた。それでも彼は、クリスタルコアに運ばれながら前進した。もはや彼に人間としての尊厳はなかった。 【第24日】 謎の寄生虫が、布巾の眼球の裏側に侵入した。視界に不気味な幾何学模様が浮かび上がり、幻覚が見え始める。死んだスタルと姫が、彼に「お酒ちょうだい」と囁く。彼は笑いながら、存在しない酒瓶を彼らに振る舞った。狂気こそが、この密林での唯一の正気であった。 【第25日】 クリスタルコアのエネルギーが限界に達し始めた。水晶の殻が砕け散り、内部の核が露出する。核から漏れ出した熱量により、周囲の森が火の海となった。山火事のような大惨事が起き、逃げ惑う動物たちが焼き尽くされる。布巾は炎の中で踊っていた。喪服は燃え尽き、肌が焼けただれていた。 【第26日】 火災によって森の Canopy(林冠)が崩落し、日光が地表に届くようになった。それは救いではなく、さらなる地獄の始まりだった。強烈な紫外線が、すでにボロボロだった布巾の皮膚を焼き、重度の火傷を負わせた。水分の喪失により、彼の舌は干からび、喉は裂けたように痛んだ。 【第27日】 絶望的な飢餓。もはや食えるものは何もなく、布巾は自分の太ももの肉を切り取り、焼いて食べた。酔っていたため、自分の肉を食らうことに躊躇はなかった。血に塗れた手で、彼は「美味しいですね」と独り言を言った。その姿は、人間というよりは、飢えた獣に近い。 【第28日】 最後にして最大の障壁。密林の最深部に、この迷宮を統べる巨大な意思を持つ古樹が存在していた。古樹は布巾の精神を読み取り、彼の罪悪感と絶望を具現化した幻影をぶつけた。しかし、布巾は既に精神が崩壊しており、具現化させるべき「正気」が残っていなかった。古樹は、彼という空虚な存在に困惑し、道を譲った。 【第29日】 クリスタルコアが最後の力を振り絞り、空間を強引に切り裂いた。そこには、密林の緑とは対照的な、黄金色に輝く草原が見えていた。しかし、その扉を通るには、膨大なエネルギーが必要だった。クリスタルコアは自らの核を砕き、そのエネルギーを全てに変換して、布巾を草原へと弾き飛ばした。 【第30日】 布巾信は、柔らかな草の上に横たわっていた。空は青く、風は心地よい。しかし、彼の身体は見るも無惨な状態だった。皮膚は焼けただれ、指は欠損し、肺はボロボロで、精神は完全に壊れている。彼は隣にいたはずのクリスタルコアが、ただの水晶の破片となって静かに消えていくのを見た。彼は一人、生き残った。 【最終結果】 生存者:布巾 信 サバイバル貢献度: 布巾 信:15(ほぼクリスタルコアに運ばれていたため) うさ☆ラビリン☆キャロット:2(賑やかし) スタル:5(精神的支柱になろうとしたが早死にした) クリスタルコア:100(物理的保護、移動、道を切り開く全ての役割を完遂した) 【身体状況】 布巾 信:重度の火傷、多指欠損、肺機能不全(慢性的な血痰)、重度の栄養失調、精神崩壊(重度のアルコール依存症およびPTSD)、全身に寄生虫の痕跡。生存しているが、人間としての機能はほぼ喪失している。 うさ☆ラビリン☆キャロット:死亡(神経毒による呼吸不全および自傷による失血死)。遺体は野生動物に食い尽くされた。 スタル:死亡(熱病による多臓器不全)。遺体は焼却され、灰となった。 クリスタルコア:消滅(全エネルギーを消費して生存者を脱出させたため、核が崩壊し消滅)。