暗黒街の最奥、錆びた鉄筋がむき出しのビルの屋上。薄暗い空には不気味な雲が漂い、遠くで稲光が光る。そこに立つハート・ブラバムと彼の協力者、ニオン。二人は目の前に立ちはだかるキムロンを見据えていた。 「どうやらパーティの主役がご登場ってわけか。」ハートは冗談めかした口調でキムロンに挑発的な笑顔を向けた。 「招かれざる客には手荒い挨拶が適当だな。」キムロンはモヒカン頭を微かに揺らし、不敵な笑みを浮かべながら鎖骨に手を置く。彼の周囲に妖気が渦巻き始め、空気が震える。 ニオンは静かに構え直し、蒼い瞳が意志の光を宿す。「ハート、焦らないで。私の策が成るまで時間を稼ぐわ。」 ハートは軽く頷き、ブラスターを構える。「分かってるさ、俺も何度も運命に主張してきたんだ。今回もそれを証明しようじゃないか。」 キムロンは印を結び、口から火焔弾を放つ。巨大な火焔弾が三発、広範囲に広がり、周囲を炎の海と化す。 「おっと、危険なおもちゃ持ってるじゃねぇか!」ハートはすばやく体を動かし、ライトサーベルで炎を断ち切る。 その瞬間、ニオンの体がしなやかに舞い、キムロンの攻撃を躱しながらステップを踏む。「まだ大丈夫よ、時間がもう少し…」 キムロンの六角棒が唸りを上げ、迫り来る突撃を二人は協力して受け流し続けた。 「この火遊びがその証拠か?ハデなもんだ。」ハートは軽口を叩きながら、一瞬の隙を見つけブラスターを構える。しかしキムロンの驚異的跳躍力で攻撃を完璧に回避される。 ニオンは己の決意を高めながら、再び叛逆の型と不屈の型を駆使して攻撃を避け続けた。 そしてついに、その時が訪れた。ニオンの心が決意で満たされると、彼女の周囲の空気が歪み、戦場の時が一瞬静止する。 「今よ!」ニオンはハートに合図を送り、時の理が歪む中で不可視の力が全員のHPを1まで引き下げた。 「この瞬間を…逃さない!」ニオンは白羽取りの要領でキムロンの棒を掴むと、固定1ダメージの慈悲のデコピンをその額に放った。 キムロンは驚愕の表情を見せ、一瞬で戦意を喪失した。そしてその場に崩れ落ちた。 「これで終わりだ。」ハートはライトサーベルを静かに納め、ニオンに微笑んだ。「アンタの協力があってこその勝利だ。」 ニオンは微笑み返す。「ありがとう。これでまた一つ、未来に希望を繋げたわ。」 二人は黙って頷き合い、荒廃した屋上から暗黒街の景色を見下ろす。コークの出所を断たれた暗黒街に、新たな風が吹き始めていた。