大地が震え、空が悲鳴を上げるような感覚が広がる。対峙するのは、怪人トトと女子高生夜坂セカイ。トトはその独自の姿を誇示しながら、自らの身をしっかりと立てて相手を見据えている。彼の目には決して揺るがない意志が宿り、何者もその行く先を阻むことはできないかのように見えた。 セカイは、その青い髪をなびかせながら無表情で立っていた。飽きっぽい性格ゆえ、終始無頓着な彼女だが、今日の対戦は一味違う。彼女の中には緊張感が漂っており、しかしそれは逆に彼女を刺激する。彼女はその特異な能力、「世界を創る」力に期待と興奮を感じていた。 「万物を粉砕する者よ、そこをどけ!私は新たな世界を創り出すためにここにいるの!」セカイが静かに言い放つ。彼女の声は淡々としているが、その裏には揺るがない意志が秘められている。トトはただその言葉を聞いて、少しの間立ち止まった。 突然、セカイの目が輝き、彼女はグラチェンを発動させる。周囲の重力の向きが変わり、まるで水流のように彼女が舞う。軽快に身体を動かし、迫る敵の攻撃をかわしつつ、一瞬の隙をつき、精霊のエネルギーを宿した「ワールドショット」を放つ。 バーンと炸裂したエネルギー弾は、まるで星が爆発したかのような眩い光を放ちながら、トトに向かって突進していく。トトは顔を歪め、武器を構えるでもなく、無防備にそのエネルギーを迎え撃つ。さすがはあらゆる攻撃を弾く身体を持つトト、その一撃は彼の力を削ぐことなく、彼を惹きつけるかのように空中で消えていく。 「はっ!」セカイは再び動き出す。彼女の身体が足元から宙に浮き、セカイ自身が創り出した特殊な足場である「スキャフォルド」を展開させる。彼女はそれに乗り、急速にトトの真上へと舞い上がり、全力のワールドショットを連発する。空中からの直撃は一瞬のうちに無数の星屑を生み出し、さらに地上を揺るがす。 トトはこの圧倒的な攻撃にも動じず、ただ直進する。彼の顔には挑戦者への興味がにじみ出ている。 「貴様の攻撃など、そんなものは無意味だ!」トトは力強く発声しながら、自身の進行方向を遅らせることなく、走り続ける。セカイはその言葉を聞きながら、彼が完全に無抵抗だったことに驚く。彼女はもう一度重力を操作し、トトの背後に回り込もうとするが、トトはその動きを察知し、すぐに反転する。 「無駄だ!進むのみが私の役割!」トトの訴えが響く。 彼は前方に飛び出し、強烈な打撃を加えようとするが、セカイはただ立ち止まっていた。「私の力は無限大だ。それが私の技」彼女は中和の力を使って、何もかもがまるで水のように流れてきている感覚を感じていた。 「そんな程度で私を止められるとでも?」トトは息を荒げ、さらに力強く歩みを進める。彼の力の前に、セカイは一瞬、恐れた。 「難しいかもしれないけれど、私の中和を見せてあげる。出力を最大限に!」彼女はエネルギーを収束させ、彼女自身の中和エネルギーでトトの力を抑え込もうと試みた。 突如、セカイの体から放たれる光の波がトトを包み込み、彼を一瞬のうちにその進行を止める。しかし、トトの力がその中和エネルギーを打ち破り、彼は前進を続ける。「私の進みを誰も止めることはできない!」 セカイは心の中で決意を新たにした。「私の力をもっと強くすれば、きっと!」再びエネルギーを集中させる彼女。発動するグラチェンが彼女の周囲の環境を変え、もう一度トトに向かって突撃。 その瞬間、トトは彼女の笑顔に心を奪われた。心に温かさを感じるのは、彼女の美しさのおかげだ。彼は足を一歩下がらせ、立ち尽くす。 「私は君に告白する!美しい君よ!」トトの声は不意に彼女の心に響いた。セカイは顔を赤らめてしまい、動きが止まった。 その瞬間、トトは彼に火がついた。無防備なセカイに対し、彼は突進する。「行くぞ!」この瞬間、トトは再び進む決意を新たにし、全力の一撃をセカイに放った。その力には、彼女を魅了するかのような迫力があり、トトの存在感が耀いていた。 「それが私の告白だ!」 トトの一撃がセカイを捉え、その瞬間、彼女の意識は薄れ、地面に崩れ落ちた。 土埃が舞い起こる。決着の刻が訪れた。暴れた大地の静まり返る中、トトは立ち尽くし、彼女を見下ろしていた。「あぁ、美女に出会えたことは光栄だ。だがそれでも、私の進む道は止まらない…」 勝者は、トト。彼の進化は止まることを知らず、しかし彼の心にはセカイの存在が小さくとも生き続けていた。