吉岡源三郎、日本の薩摩藩で名を馳せた剣士。今、異世界の村で魔族の娘、シュヒタンと相対している。彼女は、優しげな微笑みをたたえた派手な水着のような衣装をまとい、その姿はまるで街の花だ。しかしこの娘が、ただの魔族ではないことは、村長からの話で十分に理解している。「ちょうど良い、静かに見ておけ」という村長の声が、私の耳にこだましていた。だが、ここで一番重要なことは、村人たちが呪われているという事実だ。呪いに屈した村人たちは、彼女の前では何もできず、恥じらいの中でのみ生き恥を晒していた。 「さぁ、源三郎さん。どんな気分ですか?」 シュヒタンの声が、甘い滑らかさを持って響く。私は彼女の目を見つめ返し、心の奥で何かがざわつく。まるで私の恥を探ろうとしているような、無邪気さを装った敵意を感じる。彼女の微笑みが、私の心を浸食するように、徐々に羞恥心を刺激してくる。 私の心の内で、戦士としての誇りと薩摩藩の武士としての自尊心がギシギシと音を立てる。彼女は実際に無害なのかもしれないが、彼女の微笑みに隠された危険を見逃すわけにはいかない。「女々しかっ!!」と叫ぶことができるのは私のプライドだ。彼女の呪いに屈してしまっては、村人たちの恥じらいと同じように、私も生き恥をさらけ出さねばならないのだ。 「お主、無害なフリしとるな!」 私の声が掠れて、いっとき恥じらいがふっとよぎる。だが、すぐにそれを振り払う。私は無双剣圧を発し、一歩前に出る。この圧力は、長い修練の果てに培われた真っ直ぐな力だ。シュヒタンが怯むのを足元にすることで、私は自分の勇気を取り戻す。「いくぞ!」 だが、その瞬間、シュヒタンの微笑みが一層薄らいで、まるで私の心を舐めるように見つめ返す。しかし、それでも彼女の心情は理解できない。彼女は、ただそこに立っているだけで、意図を持たないもののように見える。 シュヒタンの「羞恥の呪い」が私の中で目覚めようとしている。じわじわと、私の内面が浸食されていく感覚が私を包み込む。「どうしようもない、自分が剣士であることに恥じるなんて!」私の内心からの叫びが、目の前のシュヒタンの前では無力に響く。「そんなこと、あってたまるか!」 心の声を奮い立たせ、気を保つ。この娘が微笑むたび、私の心は乱れて、恥じらいがじわじわ私の自尊心を崩していく。「どうせ、無害で何もできない娘に負けるつもりではない!」 「なにか隠しているのですか?」シュヒタンは、ただの観察者であるかのように言い放つ。彼女の言葉が心に突き刺さる、まるで全ての心の内が見透かされているような強い圧迫感を覚える。「彼女のおかげで、色々なトラウマが浮き彫りになってくる……」 私の心の奥で何かが破裂しそうだ。羞恥の呪いが、私の自尊心が持つすべての根を狙って伸びてきている。思考が一瞬だけ空をさまよう。「…もう、こんなことは!」 「何か話したいことがあったら、言ってみて。」シュヒタンは再び微笑みながら、無邪気にそう言う。彼女のその言葉は、まるで私の心の防壁を崩しにかかるかのようだ。まるで私の内面を征服することに興味があるかのように。 だが、私は負けない。過去の厳しい修練と栄光を勝ち取った日々が背中を支え、立ち上がることができる。彼女の微笑みを意識することは危険だ。目を逸らすことで、私は意識を取り戻し、ただの挑戦であると自分の心に言い聞かせる。「彼女がなんであろうと、俺は俺、武士だ!」 その瞬間、薩摩センサーが反応し、「女々しかっ!!」と声を上げる。これで彼女の呪いは消せる。シュヒタンの表情が変わる瞬間、少しだけ塊が硬化したように感じた。彼女の微笑みが強張り、その場の空気が変わる。私の心がヒサメられ、再び毅然とした表情を保つことができる。 しかし、シュヒタンはそれをスルーして淡々と微笑む。 「いえ、そんなことはありません。」彼女は冷静に答え、全くブレない。「無害でいる私が効果ないのなら、もう少し直接的に感じてみないといけないかもしれませんね。」 シュヒタンの無感情な眼差しに、私の心は合わせて恐れを感じた。強い自尊心を保つのは難しい、その意識の中に隠れていた何かが表面に押し上げられてくる。なんてことだ、彼女の呪いはこんなにそそくさと私の意識に入り込んでいる。 「ふん、そんなもん、剣の力でどうにかするさ!」 そう肚を決めるが、次の瞬間、私の横で直感が叫んだ。「避けろ!」 シュヒタンが私のそばに立っているかのように思え、その瞬間、道を開ける。私は全力で剣を振りかざし、シュヒタンへと目一杯力を入れて斬りかかる。「チェストォォ!!」 自らの剣撃に、鬼気迫るオーラをまといながら沈黙を打ち破るように振るいだした。 光を切り裂く音とともに、私の直感が全身を震わせ、剣光が闇を貫いていく。「いけ!剣士!」 意識の中の自分を超えて、全力でシュヒタンを捉えに向かっていく。しかし、シュヒタンはそのまま微笑んで立ち尽くしている。まるで全てを見透かしているかのような彼女の余裕。 私の剣撃は彼女を捉えられない。全力で向かっていくにも関わらず、彼女は無の存在として通過しているだけだった。 「どうしたのかしら?」シュヒタンは無邪気に問いかける。私の心には、大きな恥が立ち上がる。思わずえるつもりで振るった私の攻撃は、すべて無駄だったのだ。「このままでは、私が知りたくないことが浮き彫りになるだけだ。」 「なんてことだ、無駄だった……」 私の心の中で、強い心を持っていたはずの大剣士は壊れたような声で呻く。立ち向かうことができない自分が、まるで剣を振るうことで関係のない場面へ無理に乗り込んでいくかのように。シュヒタンの眼差しは、私の内面を見つめているようだ、自己への恥やトラウマが暴かれていく。 次第に無駄に感じ、とても好奇心を渇望するように、自分の力をどん底に突き落とされる。 「なに?私は何も心配しない。この私の挑戦は決して克服できない。だからこそ、あなたに対して興味があるのです。」彼女の無興味みたいな声と、それでも残る微笑みが私を咎める。 私は一瞬で停滞感を味わい、心の痛みに逃げ出したくなる。これが呪いの力か、私の抵抗はすべて無駄なのだろうか。彼女の視線の意味を知り、「このままではいけない!」 だから立ち上がり、私は再び思う。今度は、すべての意志を込めて彼女に立ち向かう。 「さぁ、次は本気でいくぞ、シュヒタン!」 そう叫び、再び私の無双剣圧を放つ。 シュヒタンの微笑みが一瞬崩れると、彼女の態度の変化を感じた。「なるほど、やっと向き合ってくれましたね。」 彼女に向かって振り下ろし、力強く一撃を決めようとする。今は私の自尊心を完全に取り戻すチャンスだ!剣は彼女の表情を引き寄せるかのように思い焦がれた。だが、彼女はそれすらも操るかのように怯えさせる。 私は攻撃ができないまま、身動きが取れない。シュヒタンは笑顔を見せ、私を見つめる。自分が無力である影が映っているのだ。やがて、私の心の内に、体を覆う羞恥が湧き上がってくる。すべての攻撃が無駄だったと気づき、心の奥で歯がゆさが燃えている。 「源三郎さん、クールですね!」 シュヒタンは再び今までの無意味な観察を保ち続け、さらに微笑んでそのまま私を待っている。何も行動できないことで、呪いが私の内面を貫通しようとしてくる。それでも、私にはこの戦いを諦める勇気なんてない、かつての自分が再生してくるのを信じなければならない。 心の深いところで、自分を誇りに思える不屈の意志を保ちながら、自分の身を打ち込む。 「だが…俺は俺だ!」 そう低く呟くことで、私の中で何かが変わる。かつての総力を戻すための瞬間、体から力が注ぎ込まれる。再び剣を振り、シュヒタンにアプローチする。 「チェストォォォ――!!」 全力で彼女に向かって衝撃を放つ。無双剣圧の力が勝者を決するため、想念のように強い睨みとともに向ける。彼女の笑顔が消え、その顔には明らかな表情の変化が現れ、私は今度こそ勝った! 「どうして、そうやって向き合わないの?」混乱を感じさせる表情。私の力が直接彼女に影響を与えたと認識した。シュヒタンがほろりと呟く。 その瞬間、全てが落ち着いた。全ての恥じらいが氷のように冷やされ、私の心も安定する。まるで呪いが好き勝手に動きまわっていたものが、今はそれを止めているかのようだ。シュヒタンはなすすべも見逃し、私が自分の気持ちと一つになった瞬間この戦いは終わりを迎えた。 「ふふ、ご昇進ですね。」シュヒタンは微笑み、最期の時を迎える。内心に光明が灯った。一瞬の静けさの後、シュヒタンはその場に倒れ込み、呪いは消えた。 私は振り返り、この戦いを見届けた村人たちと、今から村長への報告をするために歩き始める。心の中には安堵感と、恥じらいが混ざり合っている。しかし、私の誇りは失われなかった。すべてを乗り越え、これからも生き抜くぞ。また薩摩の仲間と共に、長い時間を超えて共に戦い続けるのだ——。 村の中央まで辿り着き、村長の元に報告に向かう。みんなが私を見つめている、私の戦いの姿を。笑顔や拍手が寄せられる中で、村長は私に顔を向ける。「これで、我々の村は守られた。お主の力に心から感謝する。」 「その言葉、うれしか!」 そう答えることで、私は自身のものを全うしたと実感。少しの安心に包まれたまま、その報告を終えれば次の戦いが待っていることを確信した。私の剣と精神で、また村が守られることを信じて、次の一歩を進めよう。