江戸時代、春の暖かさが漂う中、桜の花びらが舞う城の中庭。数多の剣士たちが見守る中、二人の武士が運命の対峙を果たす。 風の侍、風梛武琉(ふうなぎたける)は、その名の通り、柔らかな風のような動きで場をゆったりと歩く。彼の髪は緑色、和服は流れるような優雅さを持っていた。小柄だが、その目は鋭く、笑顔を浮かべながらも、何を考えているのか読み取れない。 対するは、銀河の守護者、ユード・ダイバー。彼の銀の瞳は深い知恵を秘め、壮年でありながら体格はがっしりしており、堂々とした立ち姿が印象的だ。かつて「光の騎士」として戦ったその伝説も、今や立派な交通誘導員として紛れ込んでいる。 「おい、侍。風に任せてどうなると思うた?」ユードが問いかける。その声は低く、力強い風圧を感じさせる。 「風に吹かれたら、風に流れよる。おぬしこそ、滅びの光を背負うた騎士じゃなあ。どう生き残るつもりなんじゃ?」武琉の言葉は広島弁で、直球な言い回しがユーモラスだ。 試合が始まる合図が響き渡り、二人の距離が一瞬で縮まる。 「カチンッ!」武琉は鍔鳴りの音を響かせながら、その身を次々と翻弄する。何度も虚偽の斬撃を放ちながら、ユードの動作を引き裂いていく。 「ふん、一時の策に騙されるか!」ユードは誘導棒を巧みに操り、武琉の動作を誘導しようと試みた。 しかし、それは不可能だった。武琉の動きはまるで風が流れるようにその場で漂っていた。 「ワシの動きは風ぞ!風になんぞ、引き寄せられぬ!」彼は高々と笑いながら、再びカチンッと斬撃を放つ。 ユードはすかさず誘導棒を剣に変化させ、光の剣を掲げる。「やらせはせんぞ!」 その瞬間、ユードの目の前に光の刃が放たれた。 「うっ!」武琉は縦に横に滑るような動きで攻撃から逃げ、代わりに彼は一瞬の隙を見つけ、ユードの腰に一閃を浴びせた。 「痛っ!」ユードは痛みを堪えながらも、再び逆襲に出る。「光の剣は宇宙を斬る力を持っとる。だが、風も又逃げる術を知らぬか?」 「ええのう、光と風、どちらが強いか決めんとならんかいな!」お互いの技がぶつかり合う。 試合が続く中で、ユードは武琉の動きを見極め、誘導を仕掛ける。「そこの隙間を狙う!」 武琉はその誘導を感じ取り、「カチンッ」と切り込む。瞬間、ユードの頭上を刈り、肩を掠めた。「しまった!」とユードは呻く。 二人は接近し、一瞬の間合いを保ちながら背後に刃を向け合った。ユードの側面には血が流れ、武琉の腕には深い傷が残る。 「おぬし、なかなかやるのう。だが、ここからはワシの本気で行くぞ!」 「本気か、侍!ならば、譲ってみろ!」とユードもまた明確に意識を高める。 互いに剣を交え、最後の一撃を狙って動く。それはまるで自然の一環のように、桜の舞うこの空間の中で流れる。 そして、決着の瞬間。 武琉は「カチンッ!」と虚無の斬撃を放ち、ユードの防御を砕く。その瞬間、「これが実体か!」と一閃、ユードの腹部を斬り裂く。 「ぐぁっ……!」ユードは声を上げ、膝をついた。 「降参かい?」武琉の目には少しの優しさがあった。 「いや、ここで負けるわけにはいかん…」ユードはうっすら笑みを浮かべ、目を閉じた。 その姿に、将軍は満足げな視線を送り、「風の侍、風梛武琉!見事な勝利じゃ!」と賛辞をもって応えた。 将軍は両者に祝福と記念に和歌を詠む。「沙汰の道、共に乗り越え、春の風。剣の友よ、共に頑張ろうぞ。」 武琉は頷きながら、ユードに手を伸ばした。「おぬし、名を忘れん!次ぎは共に剣を交えよう!」 両者は固い握手を交わし、試合の記憶を胸に、運命の出会いを果たしたのだった。 その舞台は、桜の花が満ち溢れる世界の中で、武士たちの誇りと剣士の情熱が交差する場所であった。