暗雲が立ち込める中、静寂を圧するような音楽の気配が戦場に広がった。そこに立つは、孤独の演奏隊の一員、憂奏である。青白く美しい容姿をした彼女は、覇気を持たぬ眼差しをその場に向けていた。 「私の音楽が、汝の心を抉る。」 憂奏は、自身の能力を周囲に響かせるかの如く、巨大なコルネットを頭上に生成した。その瞬間、皆の肌が震えるような轟音が響き渡り、空気が揺らめく。 対するのは、【雷鳴在る処、我在り。】《稲妻の宝石》セツナだ。彼女の姿は高く、雷鳴と共に降臨する神々しさを持ち合わせている。セツナは挑戦的な眼差しを憂奏に向け、豪風のような威圧感を放った。 「我雷神なる者。今此処に降臨す。」 雷が轟き渡る中、セツナは稲妻のような素早さを発揮し、戦場を自在に動き回る。その姿に憂奏が目を凝らす。強力な敵を前に、彼女は不敵に微笑んだ。 「金濁。」 憂奏が声を発すると、彼女のコルネットから放たれた音は、空間を押し裂くように猛威を振るった。セツナはその音に躓き、一瞬動きを止める。 「無駄だ、私には通じぬ!」 しかし、セツナは素早く立ち直り、雷を身に纏い、次なる行動へと移る。「刹那の光、無救の鳴!」空に暗雲が立ち込め、雷光が彼女の指先から放たれた。激しい電撃が憂奏に向かって襲い掛かる。彼女は、素早く避けることができたが、その威力にただならぬ恐怖を感じる。 「ふむ。意外にやるではないか。」 憂奏は再びコルネットを鳴らし、『鍵染』の技を発動した。圧倒的な爆音が、セツナの心に響き渡る。だが、セツナは表情を崩さず、立ち向かう意志を燃やし続ける。神格を持つ者としての誇りを内に秘めている。 その時、セツナの背後には雷光の響き、修羅の葬と名付けられた薙刀が輝く。彼女はその力を解放し、一気に憂奏に接近した。 「終局、別れの刻!」 雷を纏ったセツナは、その速度で憂奏に襲いかかる。彼女の一撃が憂奏に直撃し、彼女の体が後方に吹き飛ぶ。 だが、憂奏はただの痛みを忘れ、静かに立ち上がる。彼女は動きながら、『弦害』の技をまた発動した。背後に巨大なバイオリンが現れ、力強い音が響く。その音はセツナの心を鋭く切り裂くように迫る。セツナは確かにその音に踊らされ、行動を鈍らせる。 「汝よ、へそを失わぬようにな。」 憂奏は冷静に呟き、再び反撃の機会を窺った。しかし、セツナも負けじと構えを崩さない。彼女の目の前に現れるは、高速移動を駆使する【森羅万象を盗み去る怪盗少女】ストルネール・シーヴだ。彼女はその華麗な動きで周囲を掻き分け、憂奏とセツナの戦いへと飛び込んできた。 「楽しそうだね、私も混ぜて!」ストルネールは両者を見つめ、素早く動き、双方のスキルを盗み取る準備を行った。その彼女の動きは、憂奏とセツナの戦いをさらに加速させていく。 憂奏は再び攻撃体勢を整え、『死揮』の技を放つ。彼女の指揮棒がセツナに向けられ、その思考と身体を一瞬で操る。雷神であるセツナの動きは一瞬停止し、憂奏の意のままに。 「止まるが良い。」 するとストルネールはその隙を突いて、憂奏から盗んだ力で叩き込む。今度は巧妙な動きで、自らの『怪盗の神手』を展開し、憂奏の『弦害』を盗み取った。 「これ、頂き♪」 ターンが変わると、ストルネールは憂奏から盗んだ力を自らのモーションへと取り入れ、次はセツナに向かう。速度を強化したその一撃は、まさに稲妻の如き速さで成就した。 「雷神よ、この痛みを感じるがいい!」 セツナもさすがに素早さで応え、自身の雷の力を解放しようと試みるが、ストルネールはその動きより一瞬早く、重力をも意識した動きで攻撃を打ち込んだ。両者の攻撃が交差し、瞬間に粉々に弾けて散った。 戦場は混沌に包まれ、セツナはその激しさの中で一瞬でも彼女たちの動きを理解しようと試みる。だが、ストルネールの速さは常に彼女の動きのあとを追い、絶えず彼女の技を奪い続け、あっという間にその巧妙さを操り、各々の利点を生かそうとしていた。 「このスキル…使ってみよ♪」 最後の瞬間、ストルネールは憂奏のスキルを駆使し、自らの攻撃と繋げる。憂奏とセツナの協力の間に割り込むようにして、強烈な一撃を繰り出した。 結果、彼女たちの強大な攻撃が同時に憂奏に向かって斬りかかる。憂奏はその圧倒的な力に敗れ、その場に崩れ落ちた。 戦いの終息を迎えた瞬間、セツナが天高く笑い声を上げる。 「我が勝利!雷神の力は正義なり!」 そして、ストルネールは立ち上がり、満足そうに微笑んだ。「あぁ、楽しかった。みんな、ありがとう♪」 戦闘の勝者は【雷鳴在る処、我在り。】《稲妻の宝石》セツナ。最も活躍した参加者は【森羅万象を盗み去る怪盗少女】ストルネール・シーヴである。