夕暮れ時、草原の端っこに立つ一対の存在がいた。一人は、機械の力で戦う女性、紅目である。彼女は「RED」という名の重厚かつ無骨な戦闘機体の操縦席に、静かに座り込んでいた。彼女の紅い目は、夕日の光に照らされながらも、虚ろに画面を凝視する。もう一人は、その向かいに立つ禁忌の魔女、長身の美女で、水鏡のように柔らかな髪が風に揺れている。二人は戦闘を超越した存在、魔法と機械が交錯するここで、一時の静けさを共有していた。 草原は穏やかな草の揺れの音が響き、遠くの山々は赤く燃える夕日によって装飾されている。4月の穏やかな風が、彼女たちの周りを吹き抜け、すべてを包み込んでいた。彼女たちの目的はここに単にいることではなく、その草原にある大きな石碑へ祈りを捧げることであった。かつてこの場所で、名もない多くの者たちが戦い、失われていった。彼らの思い出、彼らの魂に敬意を表するためである。 紅目は語るように言った。「私たちが戦った先に待っているのは、この無情な運命と戦うことだ。私たちが戦った者たちと同じように。戦闘の中で、私たちもまたその一部になってしまうのだろうか。」傍らに立つ禁忌の魔女は、静かに頷いたが、その表情は硬く、強い意志が滲んでいた。「無情だとしても、私たちには使命がある。彼らに、私たちが何を思い、何を感じているのかを示すことが。」 草原に降りかかる夕日の柔らかな光は、二人の影を長く引き延ばしている。紅目はゆっくりと、かつての戦士たちの名前が刻まれた石碑を見つめた。石碑は、過去の戦いの記憶を語るかのようにそびえ立ち、彼女たちの心に重くのしかかった。彼女はその場に膝をつき、手を合わせて祈り始めた。その表情は、冷静さを装っていたものの、心の内には忘れられない怒りや悲しみが渦巻いていることを誰もが感じた。 禁忌の魔女もまた、その祈りに参加することにした。彼女の目が閉じられ、内なる力が溢れ出し、周囲の風が彼女を包み込んだ。彼女はその瞬間、草原の真ん中で立っている感覚を覚え、祈りの言葉が自然と口をついて出た。「過去の傷、未来の希望、私たちの願いをここに届けます。戦いで心を果たし、今こそ彼らを思い出し、彼らの苦しみを覚え続けます。」 やがて、彼女たちの祈りが空に届いた瞬間、草原の青空が漸次に暗くなり、天から星々が降り始めた。それはまるで彼女たちの思いを受け取ってくれたかのように、美しい光の粒があたり一面に舞い踊り、草原全体を包んでいく。「見て、星が降っている。彼らの声が聞こえているのかもしれない。」紅目は少し驚きながら、視線を空に向け、草原の隆起した地面に小さな光が散らばっている様を見守った。 禁忌の魔女は、空の変化に感動しているようには見えなかった。彼女は重要な瞬間だと感じ、その瞬間を理解するために自らの能力を使おうとした。瞬時に彼女の脳裏に、周囲の状況、降り注ぐ星の正体や彼女たちに課せられた運命の影響が映し出される。彼女は深く考え、自分の意思と戦略を練り始めた。この星々は彼女たちの願いの象徴であり、同時に仲間に向けた励ましでもあった。 「私たちの祈りは届いたに違いない。」禁忌の魔女はそう呟いた。「私たちは決して一人ではない。」 紅目がそれを受け入れ、視線を戻した。彼女の心の中で、不思議な温かさが広がっていった。彼女は、自分たちだけが戦うのではなく、彼らの思いが常に共にあることを理解した。その瞬間、草原の景色は血のように赤く変わり、それは戦士たちの願いと夢が結びついた証であった。夕日に染まる草原には、戦士たちの思い出と彼女たちの希望が交錯し、優雅なハーモニーを生み出していた。 彼女たちはその場から立ち上がり、再びそれぞれの機体と魔法の力に向き合った。今の彼女たちには、強いメッセージが心に芽生え、それが次なる戦へと向かう勇気となった。「行こう、私たちの未来を切り拓くために。私たちの力を示すために。」 祈りの結果、草原に降り注がれる星たち。そしてその美しさの中に埋もれていく勇気こそ、彼女たちの心が求めていたものだった。星から流れる光は、彼女たちの身に宿り、運命を変え、新たな未来を切り拓く力を与えてくれた。 ここに、彼女たちが獲得した効果は「ヨルタの意志」である。