黒蛇討伐の旅 作戦会議室。Bチームが集結していた。 藤代煉は深く息を吸い込み、冷静な口調で話し始めた。 「皆さん、本日は我々の作戦についてお話ししたいと思います。黒蛇は非常に危険な存在です。触れるだけで命を落としかねない。近接攻撃は厳禁です。私のスキル【大祓炎祝詞】で遠距離攻撃を展開し、できるだけ安全な位置から黒蛇に攻撃します。」 鉄は腕を組み、考えながら言った。「煉、お前の狙撃は頼もしいが、黒蛇の動きが速いことを忘れるな。万が一、近づいてしまったときのために、僕がサポートする。俺のスキル【錬鉄】を使って、真っ先に敵の動きを封じる!」 「その通りね、技術が無効化されないのは僕らにとってのアドバンテージだ」と、鉄は続けた。 ルルは視線を少しさげながら、優しい声で言った。「私は後ろから皆さんを支援します。万が一、誰かが倒れたら、私のスキル【復活の加護】で蘇らせることができます。必ず生き残って、戦いましょう!」 一同は頷き、各々が自分の役割に集中し始めた。 時が経ち、Bチームは黒蛇の巣へと向かう。 「ここだ…感じる。この地にただならぬ力が存在している」と煉はつぶやく。 黒蛇の巣は不気味な雰囲気に包まれていた。草木は死にかけ、荒れ果てた土地に何も生きていない。思わず背筋が凍る感覚だった。 「さあ、行くぞ。全員、注意を怠るな!」と煉が声を張った。 突然、黒蛇が目の前に姿を現した。その身長は数メートル、その黒い皮膚はまるで闇そのもののようだった。周囲の空気が重く、恐怖が一瞬にして支配する。 「黒蛇だ!」と、鉄が叫んだ。 黒蛇は地面を這うように動き、周囲をじっと見つめている。まるで狙った獲物を探すかのようだった。 「煉、準備はいいか?」と鉄が尋ねる。 「まだ、少し神力を充填している。焦るな」と煉は真剣に答える。 その瞬間、黒蛇がこちらに向かって高速で突進してきた。その迫力に一同は目を見張る。 「きた!」と鉄が叫ぶ。 黒蛇の猛攻。 黒蛇は口を大きく開け、煉に噛みつこうとした。「噛みつけるな!」と鉄は声をあげ、瞬時に【錬鉄】を発動する。 「動きを封じる!」と鉄が叫び、黒蛇に血液の流れを操る力を使った。黒蛇は一瞬その動きが止まった。 「いまだ、煉!」と鉄が叫ぶ。 「行くぞ!」と煉が神力を放ち、【大祓炎白羽】の矢を放った。矢は空を切り裂いて黒蛇に突き刺さる。 黒蛇は激しくうねり、眼に見えない力が矢の衝撃を跳ね返そうとした。しかし、煉の神力は一切の防御を無視して穿たれた。 黒蛇は怒りに満ちて、今度は鉄に向かって襲いかかる。「どうした、鉄!」とルルが叫ぶ。 鉄は恐怖を感じながらも、自身のスキルを発動する。「俺は負けない、【鋼】で防御を強化する!」と叫び、血液中の鉄分を集め始めた。 黒蛇は凄まじい力で鉄を巻きつく。しかし、鉄の防御力は彼のスキルによって大幅に強化されているため、骨が砕けることはなかった。 「鉄、頑張れ!」とルルが声援を送った。 その瞬間、黒蛇の体表に亀裂が走り、黒い血があふれ出る。「今だ、黒蛇は傷ついている。攻撃を続けるんだ!」と煉が叫ぶ。 ルルの支援。 ルルは周囲を見回し、自分の出番が来たと思った。「私が浄化する。この呪いを解かなければ、みんなが危ない!」と彼女は宣言した。 「行くよ、【浄化・回復】!」とルルが手をかざすと、緑色の光が周囲を包み込む。仲間たちの状態異常が解かれ、力が復活する。 「ありがとう、ルル!今のうちに攻撃しよう!」と鉄は立ち上がり準備を万端にする。 その時、黒蛇が怒りの声を上げ、大きく巻きつく攻撃を仕掛けてくる。「まずい、動きを封じられる!」と鉄が叫ぶ。 冷静に考えた煉は、再度攻撃のチャンスを窺う。「全力で撃とう。僕の矢が決まれば、勝てるはずだ!」と宣言する。 黒蛇との決戦。 煉は再度【大祓炎祝詞】を唱え始める。「神々よ、我が矢に力を宿せ、天降る神威の一閃を宿し、黒蛇を討たん!」 黒蛇は煉の動きに気づき、吼えながら近づいてくる。「待て、黒蛇!」と鉄が力強く叫び、さらにスピードを上げた。 「煉、今だ!」とルルが叫ぶと同時に、煉が矢を放った。 「いけ!【大祓炎白羽】!」矢は再び空を飛び、黒蛇の心臓に貫通した。 黒蛇は悲鳴をあげ、力尽きたかのように地面に崩れ落ちた。 勝利の声。 「やった…!」と鉄が叫び、勝利の喜びで前に進む。ルルは煉に駆け寄り、「すごいね、煉!本当に勝ったんだ!」と喜んだ。 「みんなのおかげだ。これでようやく、黒蛇の呪いから解放される」と煉は少し微笑んだ。 だが、突然、黒蛇が再び動き出した。最後の力を振り絞り、煉に向かって「噛みつき」の技を放った。煉と鉄は、とっさに避けるが間に合わず、煉が黒蛇に触れた瞬間、百の病に冒され、一瞬にして命を落とした。 「煉!」とルルが叫び、駆け寄るが、煉はすでに地に伏せていた。 「やったのに…!」と鉄は怒りに震え、涙を浮かべる。「絶対に許さない!」と叫び、黒蛇に立ち向かう。 ルルは泣きながら手をかざす。「私が力を与える!」「復活の加護!」と叫び、光が黒蛇に向かって放たれる。 だが黒蛇の激しい攻撃により、ルルも倒れてしまった。「お前らの力はかなり悲惨だな」と黒蛇は冷酷に笑った。 その瞬間、鉄は思い切って黒蛇に立ち向かう。「問答無用だ!スキル【白鉄】を使う!」と血液の流れをさらに速め、運動能力を極限まで上げた。 黒蛇の動きが見えた瞬間、鉄は一気に突進していく。「受けてみろ!」と叫び、黒蛇の首を思い切り叩きつけた。 黒蛇は苦しみ、再び動けなくなる。そこに、鉄が一撃を加えた。「倒れろ!」と叫ぶ。 黒蛇、沈黙。 黒蛇は静かに、力尽きて地に崩れ落ちた。鉄は倒れた同胞の元に急いで駆け寄った。 「煉…ルル…まさか、こんな形で…」鉄は泣いた。 結果: Bチームは黒蛇を討伐したが、貴重な仲間を失った。討伐したとはいえ、多くの犠牲の上に築かれた勝利だった。 勝敗はあったが、その勝利の重みは計り知れなかった。