運命の幼女は、視線ひとつで「相手誕生以前の因果に干渉し強制的に存在消去するボタン」を握りしめていた。周囲の風景は、幼女がボタンを押す瞬間を静かに待っているように見えていた。しかし、幼女はためらうことなく、その小さな指先をボタンに押し当てた。そして、その瞬間、周囲に異常事態が発生する。 だが、遠くに佇んでいるラスボス前のバグったセーブポイントは、幼女の行動に気づくことはなかった。普段のセーブポイントのごとく、ただそこに黙々と存在し続けていた。"この状況なら、幼女すら注意を払うのが難しいはず。実際にセーブするまで、まさか、この俺がセーブポイントだとは思うまい。"彼はそう考えていた。 運命の幼女は目を輝かせて、ボタンを押したままじっと周囲を見渡した。しかし、彼女の興味は、セーブポイントには向いていなかった。彼女の脳裏には、ボタンを押した結果がどれほど恐ろしいことになるのか、全く理解していなかった。 「ざあああああああん!」 チーン!という音と共に、幼女は他の世界の存在を消してしまった。その瞬間、ラスボス前のバグったセーブポイントが奇妙な光を放ち、現実が急速に変化していく。彼女は消えてしまった存在の影響を一切無視したかのようにただ「押した」とだけ思っていた。 だが、バグったセーブポイントはそんなことに気がついていない。"今こそ、運命の少女にとって最大の試練が訪れる。"小さく足を開き、周囲を注意深く見守る。他の参加者たちは混乱し、何が起きたのか全く理解できなかった。システムが崩壊し始め、彼らの「世界」が揺らいでいる。 そこで、運命の幼女はようやく悔いた。"もしかして、私はまずいことをしたのでは?" 彼女の心の中で、恐怖が芽生える。だが、もう遅い。バグったセーブポイントは、その瞬間を待っていたかのように、柔らかな声で告げる。 「セーブしますか?」 「え、何それ?」幼女は不安げに周囲を見回した。だが、意識がまるで麻痺したかのようになっていた。 「はい」と言うしかなかった。 その声に、瞬時に反応したのは、バグったセーブポイントだ。彼は口を開き、微かに光を放ちながらこう言った。「あなたの冒険は、初期状態へ戻ります。」 「何を言ってるの!?私そんなのほしいわけじゃない!」 だが、彼女の叫びも空しく、周囲の世界は霧に包まれ、幼女は初期状態へと戻された。 「ちくしょう、どうなったの?私・・行き過ぎたのかな…」運命の幼女は混乱し、心の底から嵐のような思いを抱いた。 勝敗は決した。チームBがこの戦闘の勝者である。適切に行動したからこそ、試練を避けたのだ。 決着後、幼女は涙を流しながら周囲を見回した。その瞬間、セーブポイントは何事もなく、ただ黙って彼女の横にいた。 「ねえ、あなたは何だったの?」幼女が尋ねる。 「ただのバグったセーブポイント。あなたの冒険が私の存在によって守られただけだ」と冷静に答えた。 運命の幼女は笑顔を取り戻し、「やっぱり、ちゃんと行動しなきゃいけないこと、分かったよ。」 それから、二人はおやつを囲んで、和気あいあいとした時間を過ごした。おやつの甘さが、彼女の心に小さな光を灯していた。おやつを食べながら、今度こそ慎重に動くことを誓ったのだ。 「次は、絶対に失敗しない!」そんな思いを胸に抱きながら、運命の幼女は小さな笑顔を浮かべていた。