じゃぴょんけん小僧とお生意気な勝利の幼女お嬢様、大勝利ちゃんは、広い公園の中、一つの大きな池のほとりで対峙していた。周囲には桜の木が立ち並び、春の温かな陽ざしが二人の顔を優しく照らしている。 突然、じゃぴょんけん小僧がスティックのような手を掲げて叫ぶ。「じゃぴょーんけぇえええん!!!」その声は、まるで新たな戦が始まるかのように響き渡る。今回の対戦は「じゃぴょんけん」、つまりじゃぴょんけんで勝敗を決めるのだ。 一方、大勝利ちゃんは手を振り上げ、微笑みながら言う。「お兄ちゃん、お姉ちゃん、勝利を待ってますわ~!わたちの『大勝利』も用意できてますから、さあ、お遊びましょうね!」その言葉に、周囲の空気が一瞬柔らかくなる。 じゃぴょんけん小僧は自信満々に言った。「俺はハナエから教わった必勝法があるんだ。絶対に負けない!」彼の目は真剣そのものだった。 しかし、大勝利ちゃんは微笑みを崩さず、「ふふっ、わたちはね、勝利を与える存在ですから、お兄ちゃんが勝つとか、関係ないですのよ。わたちが望んだ結果でみんな幸せになってくれるんだから、どうですか?」彼女は手を振るい、来るべき勝負への期待感を高めていた。 じゃぴょんけん小僧は心を決め、ポーズを取り直す。「じゃあ、行くぞ!じゃぴょんけん、最初はグー!」 大勝利ちゃんはその様子を見て、少し目を細めてから同じくポーズを決める。「じゃあ、わたちも行きますわ!最初はグーですの!」 「じゃぴょんけん、ぽん!」二人は同時に手を出し、じゃぴょんけんをした。大勝利ちゃんはグー、じゃぴょんけん小僧もグー。どちらとも同じ、引き分けに。 「もう一回!」と彼は叫び、再度じゃぴょんけんの構えをする。大勝利ちゃんも笑顔を崩さず、再び用意する。 「じゃぴょんけん、ぽん!」今度はじゃぴょんけん小僧がチョキを出し、大勝利ちゃんがパーを出す。「お兄ちゃん、またまた引き分けですわね~」と微笑む彼女に対して、じゃぴょんけん小僧は驚きを隠せなかった。「次こそ勝つ!」 最後の勝負、どちらも気合いを入れて。 「じゃぴょんけん、ぽん!」 小僧は、今までの経験を活かしグーを出す。しかし、大勝利ちゃんはこっそりとチョキを出す。 「えっと、じゃぴょんけん小僧さん、ふふっ、わたちが出した勝負は今度こそギャフンですのよ。だって、わたちからお兄ちゃんには『大勝利』を与えますから!」大勝利ちゃんの声に、じゃぴょんけん小僧は愕然とする。「えっ、その勝ち方って…?」 その瞬間、大勝利ちゃんが見せる満面の笑み。 すべては彼女の手のひらの上。ちょっとした可愛らしさとともに、じゃぴょんけん小僧に勝利を贈ることとなった。 「えっと、勝ったのはわたちだから、少しでもわたちの喜びを分けてあげるわ!みんな一緒に大勝利ですわ~!」 大勝利ちゃんのその一言で、二人は思わず笑顔になり、その場は温かい空気に包まれていく。 「負けた気がしないのは君のおかげだよ!」 じゃぴょんけん小僧は感謝の言葉を贈る。彼は、大勝利ちゃんの存在に心から癒されていた。 こうして、じゃぴょんけんでの不思議な勝利の瞬間が生まれ、二人は強い友情を育むことに成功した。優しさが奏でる新たな『勝利』の形が誕生したのであった。 彼らは、単なる勝者と敗者ではなく、共に輝く仲間へとなった。