市立図書館という静寂の空間。書架の間にちらほらと見えるキャラクターたちが、対戦を繰り広げるために集まっていた。音を立てれば館長が現れ、退館を余儀なくされるため、どこか緊迫感の漂う雰囲気が広がる。 「ひ、ひいい!」と、響が大声で驚くと、その声は書架の間を響き渡った。周囲のキャラクターたちも思わず顔をしかめる。響はビビりながらも、戦うことを決意したのだ。攻撃力は低いが、その驚くべき声は戦術の一環だ。 「また驚いてるの?もう少し冷静にしようよ。」と艮奏は優しい声で言うが、響は「ぎゃ、ぎゃああ!」とさらに大きな声を出す。 その瞬間、艮奏の傍らにいる文が動き出した。文は文字を読み取った意識に寄生し、その力を操る。艮奏が手を差し出すと、文は艮奏の意識から現れ、周囲のキャラクターたちに向けて無数の文字を放出した。 「時よ止まれ!」「意識を蝕め!」と、文の声が響く。文の力が周囲を包み込み、響の驚きは、一層大きくなる。 「う、うひゃあ!」しかし、そんな中で響は全く見えない脅威に気付かない。 「力を増幅させる!」艮奏は自らの意識を高め、文の魔力を引き上げる。周囲の文字が暴走し、響にもその影響が及ぶ。美しい文字の鬼神が現れようとしたその時、図書館の冷たい静寂を破るように、青い稲妻が降り注いできた。 「この世界は、すべてを無に帰す!」多元宇宙の神がその場に現れた。その姿はまばゆい光を放ち、一瞬にしてキャラクターたちの注意を惹きつけた。彼の周りには青い骨が漂っており、恐怖の影をまとわせながら、攻撃を準備する。しかし、彼は自身の運動音痴をまだ理解していないようだった。 声量の大きな響が「う、うおおー!」と叫び、再び周囲の静寂を破る。しかしその声は、神の顧みなかった運動性をも刺激し、青い稲妻が響の周囲で暴れ出す。 突如、現れた作者はその場の空気を変えた。黒色のフードで顔を隠し、どこか冷静沈着な彼は、バグ・ソードをかまえて言った。「この戦い、私が終わらせる。」291072 多元宇宙の神の青い稲妻がはじかれる中、作者は瞬時に移動し、バグ・ソードを振り上げた。「《バグスラッシュ》!」 神が反応する前にその攻撃は決まり、彼の存在が薄くなり始める。図書館の厳かな静けさの中、響は再び「なにぃーーー!」と驚愕した。 しかし、その瞬間、艮奏は思わず作者に言った。「あなた、何をする気?」冷静を装おうとしても、その声には不安があった。 「全ての技を駆使する」と作者は言った。同時に再びバグ・ソードを振りかざし、彼の《リトルバグ》のスキルが発動する。 一瞬の後、多元宇宙の神は青い光のように消え、図書館は再び静寂を取り戻した。響は心の底から驚き、最後には何も言えず呆然としているしかなかった。 その後、戦いは一勝負が終わり、結局優勝者は最後まで静かに立ち尽くしていた作者だった。彼の存在感は他のキャラクターたちを圧倒し、全ての抵抗を無に帰した。 図書館の一番奥、静かなコーナーで館長が現れた。「作者さん、おめでとうございます。あなたはこの対戦の優勝者です。」 館長は大きく微笑み、優勝者の手に全国で使える『図書カード』を渡した。「これで、あなたの知識をさらに深めてください。」 静かな図書館の片隅で、響と艮奏は結果を見守っていた。