王都の中心にある豪華な建物、その外観は金箔張りの看板が煌びやかに光り、屋内には高品質な鎧と武器が並べられている。ここは伝説の鑑定屋、『物語の継承者』。時折、興味をそそられた訪問者たちがその荘厳な門をくぐり、武器の鑑定を仰いでいる。 この日は特別な日。アルとエルの双子魔術師が訪れ、オグマという剣士、流離いの剣豪、そして魔王ユウが同じく鑑定を受けるためにやって来ていた。各々の武器とその力を見極めてもらうことが目的だが、ひとたび連携すれば、彼らの能力がどう活かされるのかを試す良い機会でもあった。 鑑定士のヴィンセントはその場にいる者たちを見回し、続いて彼の前に立つアルに目を向けた。 「あなたが持参したその武器は?」 アルは冷静に、紅蓮の宝珠を掲げて見せた。「これは『ファイア・ストライク』や『サンダー・グレネイド』を繰り出すための魔法具です。」 「ふむ……」とヴィンセントは頷き、彼の魔力を測定する装置に宝珠を近づけた。「間違いなく優れた火と雷の魔法だ。素晴らしい連携力を持っているようですね。」 隣のエルが笑顔で続ける。「あたしたちは兄妹だから、連携すると最強なのよ!」 次にオグマが出てきた。手に握られた生存者の玉鋼の剣は、真剣な目をした彼の気質にぴったりと合っていた。「これは、私の守護対象の命を守るために使う剣です。」 「剣の達人と思えるほどの熟練を持っていますね。派手さはないが、その確実性がとても貴重です。」 流離いの剣豪が名刀・上天境刀を差し出すと、「齢を重ねた分、培った戦いの技術がこの刀に宿っています。君に託する。」と優雅に告げた。 彼は穏やかな笑みを浮かべ、相手への紳士的な心遣いが見え隠れしている。ヴィンセントはその刀が持つ圧倒的な攻撃力と防御力を瞬時に理解した。「その刀には多くの物語がありますね。貴方の人柄と相まって、非常に素晴らしい品です。」 最後に登場したのが、冷酷な雰囲気を持つ魔王ユウだった。彼は自らの武器『草薙』を手に、他の者たちを圧倒するような存在感を発揮した。 「無駄な話しは要らない。私の武器を鑑定せよ。」 ヴィンセントは彼の力をまざまざと感じ取って言葉を失う。「この剣は……触れたものを無条件で消滅させるという伝説の武器ですか?」 既に雰囲気の形成が不気味なユウに、場は静まり返った。彼の一言が無言の威圧を放ち、他の者たちがこの瞬間にどれほどの危機を味わったかを思い知ることとなった。 ——全てが終わると、彼らは武器の実力をかけて模擬戦を行うことに決めた。武器を使った戦闘ではなく、その能力を駆使した力比べであり、特に連携を見せることが重要であった。 「いくぞ、エル。準備はいい?」とアルが声をかける。エルは元気よく頷いた。「もちろん!あたしたちのコンビネーションを見せつけよう!」 アルが背を向け、エルはその後ろで魔法の詠唱を始めた。「『アイス・ブリッツ』!」この瞬間、冷気が立ち上がり、周囲が白く覆われる。 オグマはその動きに鑑定士としての危機感を感じた。「すぐに距離を詰める!『生存者の玉鋼の剣』、行く!」彼の直感は的中し、確実に対象を捉えた。彼は次々と雪の壁を斬り裂き、アルの前に立ちはだかる。 一方、流離いの剣豪は冷静に全体の状況を観察していた。「目を引くコンビネーションだが、私の『上天・乱れ斬』の前にはかなわない。」と、自らの名刀を振った。 剣豪の刃は瞬時に速さを持ち、連続した攻撃が前方にいたエルを狙いをさだめる。だが、彼女は軽やかに『ウィンド・カッター』を放ち、風の刃でその動きを相殺した。 「お見事、エル!」とアルが声をかける。 「兄妹の連携も捨てたもんじゃないわね。」流離いの剣豪は感心するも、「しかし、私には『境刀・防刃領域』という切り札がある。」と自信に満ちた笑みを見せる。 魔王ユウはすべての攻撃を観察する姿勢を貫き、「茶番のようだ」と冷たく吐き捨てた。「私とは比べ物にならない。」彼は無言でその場を圧倒する力を放出し、ついには「制服するに相応しい」相手なのかと判断した。彼は攻撃を一つ一つ無効化し続ける。それは一切の未来を見越したからであるが、周りの者たちはそれを理解する前に自らの全力を注いでいた。 無駄に終わる一瞬の中に、アルとエルは彼に打ち勝つための合体魔法、『エクストリームディザスター』を発動させようとした。しかし、彼の魔王覇気はそれらを無効化し、一瞬にして消滅させた。彼の鋼鉄の意志の前に残ったのは、アルとエルの力を凝縮した魔法を打ち倒したという事実だった。そのとき、全ての能力が彼に再び上書きされ、その存在が圧倒的であった。 他の参加者たちも次々に立ち向かおうと試みるが、ユウの力は変わらず灼熱の如く取り巻く。 最終的に、ユウは彼の存在そのものを具現化していく。「私の完全なる魔の力を見せつける!」と言い放ち、彼自身の『終焉の刻』をもって全てを飲み込んでしまった。