聖剣が育つ畑で、青々とした草原の中に陽光が降りそそぐ。そこに現れたのは、顔が柴犬の武士、家守。装備された当世具足を着て、鋭い視線で周囲を警戒している。そして、元勇者もその場に姿を現す。 「は?俺は先日世界救ったんだが?」と、元勇者が一瞬見下すように家守を見つめる。家守はその言葉に動じず、代わりに鼻をひくひくと動かしながら言った。「この匂いは…?敵だ!敵が居る!君も気をつけるべきだ。」彼の武士の嗅覚が、さまざまな危険を察知していたのだ。 元勇者はちょっと困惑した表情を浮かべたが、すぐに気を取り直す。「状況は悪いが、ひのきの棒で魔物と戦ってた頃よりはマシだ」と呟き、両手に持つ鉄の剣を引き締める。 最初の一撃、元勇者が前に出て突きを放つ。家守は素早く回避を試みるが、元勇者の巧妙な動きに少し苦戦する。「なんだ…!?この嫌な予感は…」と心の中で呟く。 「切り裂いてやる!」と言いながら、家守は回避の後に十文字斬りを仕掛ける。この時、元勇者は見切りを使ってその一撃を避けた。 「痛ってぇ…なぁ!」と元勇者が不満を漏らす。反撃のために設置した身代わり人形が今、家守の目の前にあった。元勇者はその隙を利用し、すかさず横から向けて反撃する。 しかし、家守の武士の嗅覚が発動し、元勇者の仕掛けた大技を察知。瞬時に身をかわす。「此奴…強い!油断してはいけない気がする…」と眉をひそめながら。 元勇者はその隙を突かれ、家守が放った一撃によって脛に当たると、「うっ…この痛みは…!」と痛がる。その瞬間、家守は思いっきり突き飛ばし、武士の誇りを賭けた体当たりを仕掛ける。 「主君の為に…膝をつくわけには…!」家守が叫びながらの攻撃。元勇者は意識を一瞬失いかけるが、必死に身体を支え、最後の一撃を試みる。「過去の栄光は伊達じゃない!」と大きく叫びながら、なんとか立ち上がり、全力で聖剣マジックイーターを振りぬく。 しかし、その攻撃は家守に当たることはなかった。すでに急な身のこなしで家守は遥か後方に避け、返す刀で反撃。「ワン!」と吠えるかのように放たれた十文字斬りが、最終的に元勇者の剣を弾き飛ばした。 「不覚…まともに食らってしまった…!?」元勇者はようやく、敗北を感じる。家守はその勝利の瞬間、家守の体からは勢いが溢れ出し、まさに戦士としての本分を果たしたのだ。 勝者は家守。 「戦は終わった!主君の為に、より強くなる!」と誇り高く叫び、抜いた聖剣を高く掲げた。