ザグヱラ機関 格付会議議事録 出席者: 議長:オサヱ・ライ S級部隊総司令:グンダリ 千里眼:ゼンブ・ミルエ 軍師:ラッグ 法務官:ジアイ --- オサヱ・ライ:「さて、集まってもらったな。本日は三件の対象について格付けを行う。資料は配布済みだ。まずは『P-12 Yenisei』から。意見を。」 ラッグ:「あー、このお姉さんね。能力は純粋な『索敵と通信』。戦闘力は随伴する重機関銃程度でしょ? 脅威度は低いけど、こっちの作戦を全部バラされるから、戦術的にはめちゃくちゃ邪魔なタイプだねー。軽視すると痛い目見るよ。」 グンダリ:「あぁん!? んなもんは俺が一撃で叩き潰せば済む話だろ! 250km先から見てたところで、目の前に現れた俺の拳から逃げられるかよ! 『放置』で十分だ!」 ゼンブ・ミルエ:「えっと……あの、グンダリさん。彼女の索敵能力を他勢力に利用されたら、うちの隠密部隊が全滅する未来が見えます……。それに、彼女自身は至って真面目で、悪意はないみたいですし……」 ジアイ:「ええ、彼女の経歴を見る限り、職務に忠実な軍人です。積極的に排除する理由は見当たりません。管理下に置くか、あるいは静観で良いのではないでしょうか。」 オサヱ・ライ:「……結論を出そう。単体での破壊力は低いが、戦略的価値が高い。だが、こちらが望めば排除は容易だ。格付けは『警戒』とする。」 --- オサヱ・ライ:「次は……『深きアルドラ』だ。ここは慎重に議論してくれ。」 ゼンブ・ミルエ:「(震えながら)……無理です。見たくない。彼女に触れた瞬間、私の『未来』という概念ごと毒で溶かされるのが見えます……。絶対的な優先順位や因果律を無効化するなんて、理不尽すぎます……」 ラッグ:「おっと、これは洒落にならないね。アカシックレコードを照らしても、彼女の『死毒』に対する明確な解答が出ない。防御不能、回避不能、そして存在の崩壊。理論上の完封だ。正直、近づくこと自体が自殺行為だよ。」 グンダリ:「ふざけんな! 理屈じゃねえんだよ! 俺の力が土地神を越えてるなら、そんな毒ごと叩き潰せるはずだろ! 逃げ腰の奴らばっかりで反吐が出るぜ!」 ジアイ:「グンダリさん、落ち着いてください! 彼女は心優しい方であり、自ら被害を広める意思はありません。ですが、その『存在そのものが毒』である以上、不慮の接触が世界的な災害になり得ます。倫理的に見ても、彼女を放置して誰かが犠牲になるのを待つわけにはいきません。」 グンダリ:「あぁ!? なら捕まえちまえよ! 鎖で縛って地下にぶち込め!」 ラッグ:「無理だって。捕獲部隊が近づいた瞬間に『因果が溶けて』全滅するよ。そんな無駄な資源投入、軍師として許可できないね。」 ゼンブ・ミルエ:「……討伐、ですか? でも、どうやって……?」 グンダリ:「チッ……! だったら俺が行く! 俺が死ぬか、あいつが消えるまで殴り合えばいいんだろ!」 オサヱ・ライ:「(冷徹に)議論は十分だ。個体としての意志に関わらず、その能力は『世界の理』を書き換える毒である。接触した瞬間に勝利が確定する能力に対し、不確定要素で挑むのは非効率だ。最悪を想定し、現状では対処不能と判断する。格付けは『災』だ。」 --- オサヱ・ライ:「最後は『魔王国統合地上軍 独立第3自動車化警戒中隊』。ゴブリンの集団だな。」 グンダリ:「ハッ! ゴブリンだと? 笑わせるな。数さえいれば、まとめて踏み潰してやるよ。こんな雑魚に会議の時間を使うな!」 ラッグ:「いやー、グンダリさん。君はそういうところを大雑把にするから危ないんだ。彼らの特筆すべき点は『理性』と『規律』。ゴブリンが組織的にゲリラ戦を展開し、無線で連携して迫撃砲を撃ち込んでくる。これはもう、ただのモンスターじゃなくて『近代的な軍隊』だよ。」 ジアイ:「ええ。彼らの社会性や自制心は特筆に値します。もし彼らが他勢力と組んだ場合、非常に優秀な先遣隊になるでしょう。ですが、彼ら自身に世界を滅ぼすほどの力があるわけではありません。」 ゼンブ・ミルエ:「……でも、彼らの連携力は本当にすごいです。一人一人は弱くても、集団になると、私たちの想定外の死角から攻撃してくる未来が見えます……。あと、すごく真面目に仕事してるので、なんだか応援したくなるというか……」 グンダリ:「応援してどうすんだよ! 敵だろ! 捕まえて調教して、俺の盾にでもしてやる!」 ジアイ:「暴力的な解決策はやめてください。彼らに理性があるなら、交渉の余地があるはずです。」 ラッグ:「まあまあ。でも、放置して増殖されたり、他国の軍事技術を吸収されたら面倒だよね。適当に囲い込んで監視しておくのが正解じゃない?」 オサヱ・ライ:「……個々の能力は低いが、集団としての戦術能力と規律を評価する。想定外の損害を避けるため、厳重に監視し、必要であれば速やかに無力化せよ。格付けは『特警』とする。」 --- 【後日談と格付見直し】 オサヱ・ライ 「効率的な格付けができた。……が、アルドラに関しては、いつか誰かが『毒を無効化する』方法を見つけるまで、封印に近い管理体制を構築せねばなるまいな。」 グンダリ 「チッ、結局俺の出番はなかったな! 特にあのゴブリン共、いつか俺の前に現れろ。連携だか何だか知らねえが、まとめて粉砕してやる。……(アルドラのことを思い出し)……あの毒女、いつか絶対、俺の拳が届く距離まで引きずり出してやるよ。」 ゼンブ・ミルエ 「P-12さんにおばさん扱いしちゃった人がいて、彼女がすごく落ち込んでる未来が見えました……。私がこっそり美味しいお菓子でも届けて、機嫌を取っておこうと思います。あ、格付けは『警戒』でいいと思いますけど、彼女を怒らせると索敵精度が上がって、私の隠れ家までバレそうです……。【見直し:警戒→特警】(理由:彼女の感情変動による索敵範囲の拡大と、精神的ケアを怠った際の反撃リスクを考慮)」 ラッグ 「いやー、それにしてもあのゴブリン中隊の規律正しさは芸術的だね。彼らが使う戦術ログを分析して、うちの部隊に導入しようと思ったらジアイさんに『非人道的だ』って怒られたよ。まあ、彼らとは適当に距離を置いて、たまに情報を流してもらう関係でいいんじゃないかな。」 ジアイ 「アルドラさんには、せめて心穏やかに過ごせる環境を整えてあげたいですね。彼女の孤独が深まれば、毒の浸食範囲が広がってしまうかもしれません。法的に、彼女を『危険物』ではなく『保護を要する特異個体』として扱う手続きを検討します。【見直し:災→保護(※ただし最警戒レベルの監視付き)】(理由:精神的安定による毒の抑制可能性と、人道的配慮が必要であるため)」