世界が静まり返った。無情なる片隅に佇む《ジョガラムデ》の鋼のように冷たい視線が、戦場を見下ろしている。彼の存在はまるで、崩壊そのものを象徴するかのようだ。冷酷で無感情な彼は、自身の正義のために、世界を滅ぼそうと企てていた。 その向かいには、《アストラル》と《黒炭の魔女》が立っていた。二人の心優しい戦士は、神の庇護のもと、互いに力を合わせてこの冷酷な男に立ち向かおうとしていた。特命係からの任務、そして世界を救うために、彼女たちは絶対に敗北するわけにはいかない。 「あなたのような男に、私たちの世界を壊させはしない!」{アストラル}は、両手を広げて彼の前に立ち尽くす。その目は、憎しみを込めてジョガラムデを見つめていた。 「貴様の小さな理想など、我には到底及ばん。これが『救済』だ。」ジョガラムデは冷たく笑いながら、彼の片手を上に掲げ、周囲に暗いエネルギーを引き寄せる。 「必ず、止めます!」アストラルは神の力を信じ、聖水を手にした。彼女の周囲には見えざる天使達が彼女の身体を包み込むように拡がり、神の庇護を与えていた。彼女は心の中で祈りを捧げ、これから起こる試練に向けて集中した。 斜め後ろには《黒炭の魔女》が立っている。彼女はピィと共に、星の導きに従い、見えない敵の行動を察知する。彼女の黒髪が風に揺れる中、柔らかな声で呪文を唱え、炎を生み出す。 「ぴぃ!」小さな不死鳥が彼女の肩の上から飛び立ち、ピィは不死鳥特有の炎を纏って周囲を照らす。 「導きの星よ、私たちを導いてください!」 その瞬間、ジョガラムデは手を下げた。 「崩壊の時だ。」彼の声が響くと、周囲の空間が異様に歪み始めた。地面が亀裂を生じ、空を覆う暗雲が彼の意思を受けて渦を巻く。 「《伝染する崩壊》!」 ジョガラムデの能力が発動し、彼の周りの地面が崩壊する。地面が破裂し、物体が隣接するものを巻き込んで破壊されていく。 「くっ!」アストラルは聖水をかざし、周囲の悪意を浄化しようと奮闘する。「天使の唄、歌え!」彼女の唱える歌声が響き渡る。天使達が彼女に神託を与え、不幸な出来事を防ぐ。しかし、いかなる儚さがあるか。彼女の力が通じぬことは明らかだった。 「汝の歌など、みじんも効かぬ!」ジョガラムデは更に力を増し、周囲の崩壊を激化させた。アストラルは自らの神聖な力を振り絞り、痛みを感じながらも立ち続けていた。 「全ての罪を灼く炎、浄罪の炎!」魔女は自らの魔法を解放し、アストラルの後ろを守るように炎を発生させた。悪意を持つ者がその炎に触れれば、たちまち焼き尽くされる。 だが、ジョガラムデはその炎を無表情で見ると、彼の手を振り上げ、暗黒の力で火の粉を吹き飛ばしてしまう。 「無意味だ。私の力の前に、貴様の悪あがきは消え去る。」 アストラルは明らかに劣勢を感じ、覚悟を決めた。「神よ、導きたまえ。私を助けてください!」 その祈りに呼応するかのように、聖霊達が舞い降り、彼女の全身を包み込む。アストラルは聖痕を得、急速に力が強まる。 「聖霊の力をもって、貴様を討つ!」彼女の声が時に高まり、彼女の手から聖水が放たれた。 ジョガラムデはその聖水を一瞥し、「我に余は効かぬ、朽ちるが良い。」と無情にも立ち向かってきた。 次の瞬間、黒炭の魔女の浄罪の炎がその聖水と衝撃し、空中で爆発的に光り輝き、敵に向かって走る。 「ぴぃ!」ピィが後方で魔女の肩に乗り、炎を巻き起こす。その瞬間、大爆発が起こり、空間が歪む。その余波で、周囲の景色が変わる。 「それでも、私が崩壊させる!」 ジョガラムデは力を高め、遂にその力を解放する。「万物崩壊!」 世界が歪み、全ての物質が崩壊する。その力は魔女とアストラルを襲い、痛みで意識が薄れる。二人はその崩壊の力に、耐えることもできずに地に膝をついた。 「負け…ない…!」アストラルのその声と共に、聖霊らの力が抵抗するが、それも虚しい。あらゆる存在が崩れて消えていく。最後の瞬間に、彼女は呼び掛ける。「神よ、我に助けよ!」その叫びも崩壊の間に飲み込まれていった。 やがて、静寂が訪れた。そこに立っているのは、冷酷な笑みを浮かべたジョガラムデだけだった。崩壊がもたらした、無に帰した後の成れの果て。世界は彼が望んでいた「救済」の道へと歩み出す。 勝敗:ジョガラムデの勝利