音楽と酒が流れるジャズバー、エクリプス合衆国のバイアリーカウンティ。この静かな夜に、突如として不穏な空気が漂い始めた。辺りの客たちはざわめき、舞うように踊る人々の笑顔が一瞬にして消え、異質な緊張感が場を包み込む。 「来たな、スパイク。」 ショット・ラビィは、かすかに刀の鞘を握りしめながら、冷静に眼前の男を観察した。目の前に立つスパイクは、皮肉な笑みを浮かべた長身の男だった。彼の着ているくたびれたスーツは、彼の生活の厳しさを顕にしていた。 「おや、相棒、私をわかっているようだね。そろそろ、君たちの実力を試してもらおうか。」 スパイクの言葉には、いやに挑発的な響きがあった。明るく冷静沈着なラビィは、スパイクの挑戦を受け入れる決意をした。 「私は逃げたりしない。あなたの情報、手に入れたいから。」 ラビィの背後には、彼女の愛刀『兎龍丸』が控えている。彼女の身体を纏うように霊気が集まり、完全なる状態に整った。右目を失った彼女だが、その目の代わりに宿した《天眼》は、彼女に未来を予測する力を与えていた。 戦闘が始まる。スパイクは、まず《ガンスピンファイア》を放った。彼は手元の銃を滑らせるように、次々と弾を撃ち出していく。正確な射撃は、ラビィの後ろを掠めながら、彼女の位置を突き止める。 「くっ…!」 ラビィは、流れるような動きで攻撃を受け流し、次の行動に移る。彼女の《居合抜刀術【水月】》が発動し、攻撃は全て水のように受け流されていく。 「そんな動き…!」 スパイクが驚く中、ラビィは一気に彼の側へと進み、反撃を開始した。抜刀術《連》での一撃、威力の高い袈裟斬りがスパイクの横腹に襲いかかる。 「なるほど、やるじゃないか。」 この一撃は彼をかすめ、スパイクは苦い笑みを浮かべる。彼はこの戦いで手加減をするつもりであったが、それが次第に本気に近づいていく。だが、彼のHPは30%を切ることが許されない。 「では、少し本気を出させてもらうよ。」 彼はスピーディに移動し、《フェイントダッシュ》を発動した。ラビィの目の前で彼が消え、背後から現れる。 「何!」 その彼の動きに、ラビィは一瞬驚き、危うく攻撃を受けそうになる。だが、彼女の《天眼》が未来を視せ、彼女は咄嗟に横に避けた。 「私はあなたの攻撃を見通せる。未来は見えるの!」 再びラビィは体勢を整え、霊気を纏い攻撃に出た。彼女の抜刀術《閃》が雷光の如く舞い、スパイクに迫る。しかしスパイクも簡単には当たらない。 「私の攻撃は避けられないと言ったろう?それがこの力さ。」 スパイクは《エーテルバレットブルーノート》を放つ。弾は音波のように広がり、確率で混乱をもたらす。 『混乱』の状態が発生し、ラビィの動きが乱される。 「くっ…!」 一瞬の隙を突いたスパイクは再び銃を構え、連続で弾を放ち続けた。この銃撃の雨は、即座に彼女を追い詰めていく。 『ガンスピンファイア』が再度炸裂し、弾がラビィを襲う。何発もの弾が彼女の周囲を揺らし、その攻撃を凌いでいく。 「避け続けるのは難しいな…」 だが、その時、導かれるように『兎龍丸』を抜くタイミングが訪れる。ラビィは一気に集中し、目の前に迫る弾に対して《設置型波動》のような動きで、刀を刃で受け止める。 「受け流せた…!」 逆転のチャンス。ラビィは今、かつての勇者が持っていた一太刀を放つ。「兎裂」の奥義を発揮する。 「おおっと、そんな攻撃が…これは面白くなってきた。」 その一撃は、スパイクの横を走り抜け、これまでの一撃を全て無にしていく。 「私の兎裂、いざ覇道に至る!」 ブレードが彼の弾を打ち消し、スパイクは反応して早急に移動、その場から逃げた。 しかし、徐々に彼のHPも減少していく。 彼が持つ情報が、彼を戦意を掻き立てる。 「そろそろ本気…か!」 スパイクは《エーテルバレットブルーノート》の波動をさらに大きくし、ラビィを混乱させつつ、銃撃の連射を開始する。 「くそ、避けられない…!」 しかし、ラビィの新たな力が宿っていた。彼女の《天眼》はさらに明確となり、未来の状況を見透かせる。彼女は一瞬力を引き出す。 「私の全力!」 高まる霊気が彼女の瞳に宿り、圧倒的なエネルギーのもとに一太刀。《兎裂》の奥義が発動した瞬間、圧倒的な切断力と共にスパイクの周囲を振り抜く。 「これが終わりだ…!」 スパイクのHPは30%を切り、彼は自身の攻撃を止めざるを得なくなる。 「くっ…! やるな、君は本物だ。」 未だ冷静を保つスパイクは、戦闘を止め、戦場を静寂に包み込む。その瞳に宿る光が消えた時、ラビィは勝利を掴んだ。 「これであなたの情報を手に入れられるの?」 静かに、彼女の商品となる未来が待ち受けていた。 ----------------- 戦闘中に最も火力の出た攻撃:兎裂 ダメージ:820 -----------------