ある日の午後、静かな村の広場に、異なる存在が集まっていた。食材の精霊「こんにゃく」と、神々の中でも特に威厳を持つ「天照大御神」だ。二人を前に、周囲の空気が張り詰めていくのが感じられた。 こんにゃくはただじっと立ち尽くし、その存在感を放っていた。表面には「乙」の文字が焼き印され、まるで絵画のようにしっかりとした意志を宿している。 「自分が食べられるその日まで、私はただ黙々と、存在し続ける」と、こんにゃくは静かに心の中で語った。対する天照大御神は、大きな剣を手にしている。その名も「天叢雲剣」。光をはらむ剣の前で彼女は、自身の気合を溜め始めた。 「汝、名もなき者よ。私の前にある運命を受け入れるがよい」と、天照大御神の声が響く。 「ふふ、私はただの食材。運命を静観し受け入れる。それが私の役目だ」と、こんにゃくは静かに言った。 戦いが始まった。天照大御神が居合斬りの構えを取り、次の一撃を狙う。やがて、素早く幾度も繰り出される斬撃は、こんにゃくの身体をかすめようとするが、その滑らかな表面はすべての攻撃をもつるりとかわしてしまった。 「その剣、いい切れ味だが、私には届かぬ」とこんにゃくは静かに思い、まるで挑発するかのように立ち尽くす。 「無駄な抵抗をするな。私はまだ気合が足りぬ!」 天照大御神は集中を高め、精神統一に入り、やがて全身全霊で放つ寸前となった。 全ての客観的要素を排した神の意志、ただただ自らの攻撃に集中する天照大御神は、闘志が高まり、全ての周囲の時間が静止したかのように感じ始める。その瞬間、ついに天地創造が発動される。 「天地創造!」 巨大な閃光が彼女の剣先から発せられ、こんにゃくに向かって飛び込んでいく。だが、こんにゃくは動かない。受け入れるがよい、それが運命と信じているかのようだ。 光が届くとともに、こんにゃくは根を下ろしたまま、その刃に真っ向から立ち向かう。「私の夢は、人々に美味しく食べてもらうこと。運命を受け入れるのさ。」 次の瞬間、閃光がこんにゃくを覆い尽くす。 "ブチィッ"という音が広がり、閃光の中から生まれるのは、まるで全ての存在を断ち切るような力強さを持つ一撃だった。 その瞬間、こんにゃくの姿が消え去る。同時に、村の広場には再び静けさが戻ったのだ。 勝敗の決定的瞬間は、まさに神の一撃であった。こんにゃくはその運命を静かに受け入れ、力強さを学びながら消えていった。 こうして、天照大御神の勝利が決まった。 「勝者は、天照大御神である。」