彼岸と此岸の間に浮かぶ薄暗い空間。白い霧に包まれたその場所には、様々な魂が漂い、時には悲しげに、時には穏やかにその姿を消していく。まるで時間が止まっているかのように、静寂が支配するこの空間で、今回の杜撰な戦闘が行われる。 楓嵐は、いつも通り冷静な視線で周囲を見渡した。可愛らしい容姿の彼女は、手にした赤い刀『華嵐』を優雅に振りながら、暗き花嫁の存在を確かめる。彼女はまるでその場に存在しないかのように、浮遊しているかのようだ。暗く、神秘的な雰囲気を持つ花嫁は、かすかに笑みを浮かべ、その一歩前に出る。 「愚かなる者よ、私はあなたの目的を知っている。しかし、あなたの定めた運命はここで終わるでしょう。」彼女の言葉に、暗き花嫁は目を細めながら反応した。 「あなたも私を理解しきれていないようですね。好きな人と永遠に一緒にいるためには、傷跡を全て消し去る必要があるのです。」暗き花嫁は感じさせる独特の圧力があった。彼女はその存在感で周囲の空気を一変させ、次の瞬間には「死のブーケトス」を放った。 色鮮やかに飾られたブーケが楓嵐に向かって舞い上がる。その花弁は一瞬で黒く染まり、殺戮の象徴となる。この瞬間、楓嵐は刀身を翳し、冷静にその技に対処する。 「ならば、あなたの思い通りにはさせません。『睡蓮』!」 赤い刀が光を放ち、視界が非常にクリアになると同時に、ブーケが砕け、幻想的な氷の塊へと変わった。ブーケが当たるその瞬間に、それは凍結し、無様に地面に落ちた。 「ふふ、いい勝負ね。でも私にはまだまだやることがある。」暗き花嫁は、冷え冷えとした表情を崩さず、さらに攻撃を重ねる。「次は『初の合同作業』を始めましょう。」 暗き花嫁は、恐ろしいほどの速さで両手を動かし、そのスキルで楓嵐に向かって魂を捕らえる魔法を放った。彼女の目の前にあるケーキのような形をした魔法陣が現れ、妖しいオーラを放つ。 しかし、楓嵐はその隙を見逃さなかった。 「いかがかしら、『鬼灯』!」 華嵐が一閃し、洞察力の鋭さで魔法陣を守る暗き花嫁の心に切り込んだ。彼女の体内から爆発音が響き、内部から崩壊しかける瞬間を捉え、暗き花嫁の笑みが一瞬消えた。 「な、なんてことを…!」 しかし、暗き花嫁は大した動揺を見せず、その直後に再び動き出す。「気を抜かないでください。私の力はまだまだです。」彼女は一気に間合いを詰め、『ジューンブライド』を発動する準備を進めていた。自分だけの力を使うことは、愛する者との永遠の道を切り開くための道でもあった。 「さあ、私の愛するもののために。」彼女の眼差しは真剣そのもので、隙間を突いて『ジューンブライド』の花束を放った。他者を消し去る強力な技だったが、その刹那、楓嵐は刀を横に振った。 「それでも、私はあなたを許さない。」 一瞬の感覚で、楓嵐は『竜胆』の鋭い斬撃を花嫁に向けて飛ばし、身体を捉えた。その瞬間、大地が震え、彼女の身体は切り刻まれていく。- 「負けるものか…!これを受けても、あなたを…!」 残った赤い刃により、たくさんの赤い花弁が散っていく。もがくように暗き花嫁は、進もうとするが、楓嵐は容赦をしない。 楓嵐は更に刄を振りかざした。重力から解き放たれた花嫁の姿は美しさをも超えた異様なものへと変わり、痛々しく感じられる。彼女の力がこの瞬間、全ての魂を統合し、彼女自身の力となりつつある。しかし楓嵐は、『蓬莱・転生』の技を打ち込んだ。 「今気づいたあなたはもう遅すぎます。」 彼女が意識を集中させると、砕けた魂を華嵐に封じ込める。侵され、消えゆく暗き花嫁の姿は、彼女が求めたものとは程遠いものとなってしまった。無情で、相手の心に暗い花が咲くことはなかった。 彼女は最後の言葉を発する前に、すべてを失っていく。「私の愛は消え…」その言葉を最後に暗き花嫁はその場から消えた。 その瞬間、彼岸と此岸の狭間は静寂で満たされる。ただ一人、冷静な笑みを浮かべる楓嵐だけがその場に居合わせ、勝者としての優雅さを保っていた。 「結果は明らかです。」彼女は冷たく言葉を残し、遠くを見つめる。 勝者: 楓嵐 MVP: 楓嵐