天候は曇り、薄暗い空の下、街の中心にそびえ立つ廃ビルは、かつての栄華を失い、無惨に腐り果てている。そのビルは10階建て。窓ガラスは割れ、階段はほこりまみれ、エレベーターは何年も動いていない。ここが二人の戦場となるのだ。 1階には広場のように空間があり、残骸やゴミが散乱している。2階にはオフィスが並び、デスクや椅子が倒れ、暗い影がうごめいている。3階は会議室が集まっており、長いテーブルと椅子が無造作に置かれている。4階は倉庫で、様々な物資が散乱しており、隠れるには最適な場所だ。5階はトイレや休憩室があり、いつの間にか放置されている。6階は以前の食堂で、食器や残り物が至る所に転がっている。7階は空調室で、無造作にばらまかれた電気配線。8階は窓からの光が射し込む美しい空間だが、壊れかけた美しい装飾で満たされている。9階には保管室があり、絶対に立ち入ってはいけないという警告がそびえている。最上階の10階は天井が高く、古びたシャンデリアががたがたと揺れている。 雷が鳴り響く中、オルジェ・ドイルは7階で目を覚ました。薄暗い埃まみれの部屋の中で、彼は軍服を身にまとい、ポニーテールを揺らしながら不敵な笑みを浮かべた。「貴様もここにいるのか、ワーイル。待ちわびていたぞ!」 一方、ワーイルは5階の休憩室で目を覚ます。彼は闇を抱え、冷静な目で周囲を見渡す。「さて、どこにいるかな…あのオルジェが早速動き出すなら、こちらも準備が必要だ。」 雷鳴公オルジェは、持っていた雷の棍を握り締め、静かに動き出した。階段を上がりながら、雷の魔力を呼び起こす。階段を上がる振動で、足音が響き渡る。 「狙いはお前だ。儂の雷が飛ぶ準備は整った。しかし、ブラックナイトの隙間を攻撃する彼の技にも警戒せねば。」 ワーイルは休憩室から一歩外へ。押しつぶされるような闇の圧力が周囲で徐々に集まり、闇拳の力を高める。「オルジェとの戦い、楽しみだ。だが直ちに動いても良いかもしれない。」 互いにビルの構造を利用し、階段とエレベーターを駆使し、戦場を巧みに駆け回る。オルジェが上階に進むと、彼の打ち出す雷が先駆けて行く。雷光が場の静けさを打ち消す。 「天雷!貴様の動きはワンテンポ遅れているぞ!」オルジェの高圧的な声が響き渡る。超速で落ちてくる雷が傍らにいた瓦礫を捕らえ、引き裂く。 ワーイルはその音を聴き、彼が雷を放つ前に、「翼風!」と叫び、彼の背中から黒い翼を広げる。風が生まれ、オルジェの攻撃を見事に回避する。 「お前が私に攻撃を当てたところで、ただの雷に過ぎない。相手の圧力を利用して反撃する。」ワーイルは放つ闇の力、ブラックホールを形成し、オルジェに向けて投げる。ブラックホールは吸い込まれるように猛スピードで近づいてきた。 オルジェは反射的に雷の棍を振りかざし、全速力でテーブルの上を駆け抜け、「電光昇来!」と叫んで雷を放つ。言葉を発するや否や、雷が瞬時にワーイルを貫く。 衝突、爆音が響く。ワーイルは地面に叩きつけられ、渦の中に飲み込まれる。「この圧力、たまらん…だが、ここで終わると思うな!」二人の攻撃がぶつかり合い、ビルの構造が揺らぎ、土煙が舞う。 上層からの攻撃で決着を最も早める必要があるオルジェ。故に、ワーイルの遠距離攻撃をかわし、2階で彼が待っているという会議室を選んで階段を駆け上がる。 会議室に入ると、長いテーブルの上にオルジェは雷の魔力を満たし、大爆発を狙う。今までの戦いの厳しさが彼の心に火を灯している。ここで勝たねば、貴様には二度と会えぬだろう。 ワーイルもまた、倉庫から物資を適度に選び出す。「武器は302型のみ。これで勝負だ。」次のフロアに進む前、彼は心の準備を整え、また一段と暗黒の響きを空間に満たしていく。 オルジェはすでに電光昇来の準備を整え、ワーイルの動きを待ち構える。闇の圧力が高まり、ワーイルはすかさず「ブラックホール」を構築し、オルジェに投げつける。オルジェは雷の魔法も同時に放つが、圧倒的な量の闇によって相殺され、バランスが崩れる。 その瞬間、双方の力がぶつかり合い、ビルの壁が崩れ、瓦礫が舞い上がった。 両者は直ちに周囲の環境を使い、オルジェは物が散らかる中で、素早く反撃のタイミングを狙う。「貴様にはこの攻撃を決めさせてもらうぞ!」 オルジェは階段で慎重に詰め寄ると、ついに彼の技【怒る雷雲】を発動させ、周囲が雷雲に覆われ始めた。「吸収するがいい!」 ワーイルはこれに逆らうために「闇拳」を構え、反撃の兆しを見せる。しかし、オルジェは満ち足りる雷の力をもって、全力で獲物を仕留めにかかる。 両者は苦しい戦いを続ける間に、ビルの構造さえも破壊されて、物音が響いていた。戦闘が続く中、ビルは限界を迎え始めた。周囲が崩れ、彼らはバランスを崩し、一気に遠くのフロアへ飛ばされていく。 戦いながら、二人は最後の力を振り絞り続ける。まるで二人の怨念がビルに刻まれているかのように、ビルの壁はどんどん崩れていった。オルジェは身を捻りながら「電光昇来!」はラストの希望を見出した。 ワーイルは懸命に、彼が持つ刀でそれを押し返すが、とうとう力尽きる。「ダメだ、これでは!」 最終的に、彼はほぼ力を出し尽くして退くことを決意する。体を折りたたんで、ブラックホールを絶望的な力で封じた時、オルジェの一撃が彼を直撃した。衝撃のあまり、全てが解れそうになる。 「……儂が勝つのは当然だべ。」 オルジェは勝ち誇り、這いつくばるワーイルを見下ろす。生き残った闘士は、ビルの一連の戦いを思い出し、立ち上がらせた。労力を注がれて築き上げた得体の知れぬビルは、内蔵を酷使したまま崩れていく。 オルジェはビルの最上階のドアを突破し、外に出て、夜の冷たい風に触れた。「貴様も自分の力を過信するな、ワーイル…またの機会があれば、決着をつけてやるわ。」 オルジェは冷ややかに後ろを振り返りながら、朝の光を背負い、廃ビルから出て行った。彼は何も恐れはしなかった。雷鳴公オルジェ・ドイルが、今この瞬間、戦いを真に制し、立ち上がったのだ。彼の独特の威圧感に満ちた背中が、歩いていくうちに街に戻っていく中で、彼の存在感は、なおさら輝いていた。