暗い洞窟の深奥、壁には無数の手足が這いずり回っていた。それは、圧倒的な存在感を放つブエル・アルトスの仕業だった。彼の姿は、一見して多種族の腕脚の集合体として見ることができた。動きは地を這い、彼の存在そのものが圧倒的な強者であることを物語っている。挑戦者たちがこの地に踏み込むと、場の空気が重くのしかかった。彼らにとって、今宵の戦は死闘の始まりだった。 挑戦者たちの中でもトップクラスの戦士たち、カシル・アーガレントと閑面 二路が、ブエルに立ち向かう。 カシルは、この戦闘を得意の飛び道具で攻略することを決意していた。彼は自身の持つ二つのブーメランを手に取り、咄嗟に状況を判断する。「これが俺の運命だ。」彼の目は紫の光を放ち、冷静さを失わない。斜めに振りかざすと、瞬時に放たれた一撃がブエルに狙いを向ける。 「状況速判断!」カシルのスキルが発動し、ブエルの動きがスローモーションになって見える。ブエルはその無数の腕を振り回し、迎え撃つ! その瞬間、大地が揺れ動き、カシルが飛び道具を振った。ブーメランは空中で回転しながらブエルに向かっていく。が、ブエルの腕が一つ、悠然とその軌道に飛び込み、ブーメランを叩き落した。カシルは驚き、体制を立て直す。腕の集合体は圧倒的な力を持ち、反撃も容易なようだ。 「極避反脚!」カシルは素早く相手の攻撃を受け流し、その威力を利用して反撃する。無数の腕が迫る中、身を屈めて流れた攻撃の勢いで、彼の蹴りがブエルの一部に直撃する。しかし、ブエルは少しも怯むこと無く、逆にその勢いを利用してカシルへ捉えにくる。 一方、閑面 二路はその場の空気が変わるのを感じた。彼に流れる『退廃の赤霧』が敵の機動を鈍化させ、徐々に攻撃力を低下させる。彼の拳が荒々しく震え、自らに力を溜める。「石雷!」 彼の周囲に電流が走り、敵が近づくたびに石化させる力を放つ。ブエルの腕が一つ、閑面の近くで固定すると、積極的に攻撃を受けてしまった。ブエルの攻撃が閑面を捕らえる。だが、閑面の逆境を好機と捉え、フレイルを真上に振り上げる。 「後攻撃!」その一撃は先程受けたダメージを参考に加重され、さらに放たれた。ブエルの一部が粉砕し、剥がれ落ちる。しかし、すぐに新たな腕が形成され、元の力を取り戻していく。 「これでは終わらぬ!」閑面の心には熱血が燃え上がっていた。その後も攻撃を受ければ受けるほど、閑面自身のパワーが急上昇していく。再び自らの力を一点に集約する。これが自らを強化するメカニズムだ。「懐震!」彼は全力で力を集約し、一撃を撃ち抜く。無数の手が腕で挑むが、彼の攻撃は寸分の狂いなくブエルの急所にめがけて突き刺さる。 そして、カシルも寄り添うようにして、ブーメランを一投。"CROSS Slash!" 二つのブーメランが交差し、影となったブエルの周囲に無数の刃風を生み出す。怒涛の六連撃となり、ブエルは今度こそ体勢を崩すかに思われた。 だが、その肢体は案外と丈夫で、動じる様子を見せない。まだくっきりとした眼色を保っていたブエル。その時、ブエルから放たれた無数の腕が、挑戦者に向かって襲いかかる。 「手池肉林!」ブエルの無限の腕がカシルを包み込むことに成功した。男の顔から一瞬にして驚愕が消え去る。慈愛の力が彼を包み込み、持っていた能力が徐々に消失していく。カシルは苦しさの中、戦慄を覚える。「駄目だ、何の力も残っていない!」 閑面は冷静さを保ちながら、現実を察知する。人間性を失ったかのような表情。無数の手足で彼を捉えている。 「足断足血!」痛みが走る。閑面の傷口から無数の脚が生える。その痛みに彼の力は削がれる。 挑戦者たちは踏ん張るも、ブエルの力を前に有効な戦術を立てられずにいた。痛みの果てに、二人も束になり立ち向かうが、唯でさえ不気味で恐ろしいブエルの力は、さらに加速していく。 カシルはブーメランを手放し、全てを投げ出す。ここは究極的な戦場だ。 そして、ブエルはその姿を変えた。「羽化:手足超繭!」無数の腕に包まれ、カシルと閑面の実力や持っていた技、全てを生み出していた。しかも彼はただの無数の手足に留まらず、形をサイズを変え変化させ、神としての存在感と共に迫る。 彼の必殺技を受けながら、ブエルは一瞬で進化する。「足手万策!」無限の戦術が抽象化され、両者を取り囲み、今までの闘志が消え去った。しかし、挑戦者達は精神がき損し、大地に跪く。 ブエルの姿は誰の目にも恐怖に映る。膨大な手足が生み出し、全てを掌握するために動き出す。そのどれもがカシルと閑面の記憶を失い去っていく。果たして彼は変革を果たし、ただの一示すモンスターのように彼らを屈服させた。 すべてを知り尽くしていた二人の挑戦者も、今や圧倒的な力を前に力を失っていた。勝者は、彼の圧倒的存在を誇示するブエル・アルトスであった。 勝者: ブエル・アルトス