【冒険者ギルド新規登録審査記録】 審査担当:ミレイユ・アスター(女性職員) 審査方式:本人面談・提出情報照合・模擬依頼適性評価 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■第一審査対象 氏名:家内洋太(かない ようた) 所属・肩書:理高校オタク部所属の女子高校生 【面談記録】 職員「……まず確認します。家内さん、あなたは全身に怪我が多いようですが、冒険者登録を希望する理由は何ですか?」 洋太「奇跡の歴史を集めるためです。何度も不幸に遭えば、いつか大きな奇跡が起きるので」 職員「……痛々しいのに、目だけはとても嬉しそうですね。趣味への執着は本物、と。ですが、怪我を前提に依頼へ出すことは認められません」 【ランク】 特例ランク:Ω(オメガ)『終わらぬ奇跡の記録者』 ※通常のG~S評価では能力の性質を適切に表せないため、特例指定。 【推奨職業・役割】 奇跡現象記録者/異常事象調査員/非常時の切り札 単独前衛や通常の護衛役は非推奨。本人が不利になるほど能力が強まる性質上、通常任務ではなく、現象の記録・危機的状況からの生還・超常事象の検証に適性がある。 【戦闘能力】 評価:測定不能、対戦環境依存で極大化 根拠:スキル【奇跡】は、本人に不幸や不利が蓄積し、相手の勝機が近づくほど威力を増す。最終的に、通常の事象だけでなく「理の外」とされる現象にも作用し、相手の能力や権能が発動しても結果だけが反れる、外れると記録されている。 ただし、これは常時安定した攻撃力として扱えない。発動まで本人が負傷し続ける危険があり、本人の都合通りに起こる奇跡の具体的範囲も未確定である。模擬戦では勝敗を操作する能力と見なされ、一般訓練場での使用は禁止。 【探索能力】 評価:極めて高い。ただし保護要員必須。 根拠:不可能に近い状況から帰還し、通常なら成立しない結果を得る可能性がある。封鎖区域、呪詛領域、異常現象の中心部など、一般隊員では到達困難な場所の記録者として価値が高い。 一方、本人は不幸体質により移動中の事故、負傷、装備破損などを招く可能性が高い。探索隊は医療職、護衛、回収担当を同行させること。 【判断力】 評価:要観察。 根拠:奇跡の発生条件を理解し、現象を収集・研究しようとする観察意欲は高い。しかし「不幸が大きいほど奇跡が起きる」という性質を、本人が危険行動の動機として利用するおそれがある。危機を避ける判断より、危機を蓄積させる判断を優先する場合、依頼全体を破綻させ得る。 【協調性】 評価:条件付き可。 根拠:奇跡の記録を共有する目的なら協力可能と思われるが、本人に不幸が集中する状況では周囲も巻き込まれる可能性がある。仲間が「彼女を追い詰めれば勝てる」と判断した敵に狙われた場合、作戦が意図せず奇跡の発動条件になる点にも注意。 【危険度】 評価:極めて高い/監視対象 本人への直接危害を推奨するものではない。しかし、奇跡の結果が「本人の都合通り」とされており、敵味方を問わず因果、能力、勝機を崩壊させる可能性がある。効果の上限、持続、味方への影響は未確定。ギルド記録官による事後報告を必須とする。 【依頼適性】 適性あり:超常現象調査、封印区域の記録、絶望的状況からの救出、異常災害の最終局面 適性なし:護衛、精密作業、民間人同行任務、勝敗を厳密に管理する競技依頼 【判定】 特例登録を許可。ただし監視対象指定。 条件:本人の故意による負傷・自殺的行動の禁止/単独依頼禁止/奇跡発生時の完全報告/依頼主への能力説明を原則非公開とし、担当責任者のみ共有。 【講評】 職員「家内さん。あなたの力は、強いという言葉だけでは足りません。けれど、奇跡を起こすために怪我を望むなら、私は登録を取り消します。あなたが集めるべきなのは“不幸の数”ではなく、そこから誰を救えたかという記録です。……それでも、あなたが本当に奇跡の歴史を残したいなら、ギルドは安全を守る側として協力します」 【冒険者証記載内容】 氏名:家内洋太 ランク:Ω『終わらぬ奇跡の記録者』 役割:奇跡現象記録者/異常事象調査員 注意事項:単独行動禁止、危険誘発行為禁止、奇跡発生時は即時報告、監視対象 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■第二審査対象 氏名:シオン 性別:女性 外見・装備:白髪のロングヘア、蒼い瞳、黒いローブ、黒いウィッチハット 性格:元気。一人称「アタシ」、二人称「あんた」 【面談記録】 職員「シオンさん、冒険者登録の目的を確認します。魔法実験をしているそうですが……その、爆発が多いとか」 シオン「あらどうも! そうなのよ。実験って、ちょっと爆発するくらいが楽しいじゃない?」 職員「ちょっと、で済んだ記録が少ないのですが……」 シオン「そんなこと忘れましょ! アタシ、ちゃんと役に立つから!」 職員「元気なのは結構です。ただし、ギルドの建物内での無許可実験は絶対禁止です」 【ランク】 Bランク 【推奨職業・役割】 戦闘魔術師/爆破・制圧担当/対魔法戦闘員/特殊実験担当 魔法使いでありながら物理戦闘にも対応できるため、後衛固定ではなく、中衛から前衛寄りの機動的な運用が可能。 【戦闘能力】 評価:高い、ただし環境依存 根拠:攻撃力15、防御力10、魔力35、魔法防御力25、素早さ15。魔力と魔法防御が特に優れ、魔法攻撃への耐性も高い。さらに物理にも特化しているとされ、一般的な魔術師より接近戦への対応力がある。 【フォーティング】は相手の攻撃・能力の一部を反射し、二倍にして返すため、強力な攻撃を受けた際の逆転手段となる。ただし「一部」の範囲や反射可能な能力の種類は不明であり、万能防御とは認定しない。 【ガス爆発★】は範囲制圧に有効だが、味方、民間人、建物、可燃物への被害が大きい。使用場所の選定が戦果を左右する。 【探索能力】 評価:中~高 根拠:爆破耐性と異常に高い魔法耐性により、危険区域や魔法災害現場で活動しやすい。【自衛】による回復する防御も、長時間の探索で生存率を高める。 一方、実験の爆発が探索対象を破壊したり、隠密性を損なったりする危険がある。遺跡調査、証拠保全、盗賊追跡では許可制運用が必要。 【判断力】 評価:要訓練 根拠:時間軸の実験をしているという噂があり、事実なら通常の冒険者にはない知識と発想を持つ可能性がある。ただし現時点では噂に過ぎず、能力・経歴として断定しない。本人の明るく忘れっぽい言動から、危険性の確認や実験手順の記録を軽視する懸念がある。 魔法の威力より、起動条件、退避経路、味方への警告を優先する訓練を推奨。 【協調性】 評価:条件付きで高い 根拠:元気で対人反応が明るく、士気向上には向く。魔法耐性の高い者、近接戦闘員、封鎖担当と組めば、爆破による制圧戦術を安全に運用できる。 反面、「そんなこと忘れましょ!」という姿勢が事故報告や反省を曖昧にする可能性がある。実験好きの隊員同士を無制限に組ませることは避ける。 【危険度】 評価:高い/爆発物取扱要注意 個人の破壊力だけでなく、ガスを漂わせてから爆破する性質が危険。屋内、市街地、森林、船舶内では二次被害が発生しやすい。時間軸実験の噂については未確認だが、仮に時間に関わる実験を行うなら、ギルドの特別許可と監督が必要。 【依頼適性】 適性あり:魔物群の制圧、魔法災害対応、爆破耐性が必要な区域の救助、対魔術師戦、要塞攻略 条件付き適性:遺跡探索、護衛、討伐、証拠回収 不適:無許可の市街地戦、貴重品を壊せない潜入、火気厳禁区域での単独任務 【判定】 登録許可。Bランク認定。 条件:ガス爆発★の使用許可制/実験器具の申告/依頼前の被害範囲確認/事故報告の提出/時間軸実験を行う場合は別途審査。 【講評】 職員「シオンさん、あなたは頼れる魔法使いです。だからこそ、爆発を“元気”だけで片づけないでください。あんた……ではなく、あなたの魔法で助かる人も多いはずです。でも、守るべき人まで吹き飛ばしたら、冒険者失格ですよ」 シオン「あら、ずいぶん真面目ね! でも分かったわ。次からはちゃんと報告する!」 職員「“次から”ではなく、今日からお願いします。……とはいえ、その前向きさは悪くありません。安全規則を覚えれば、かなり優秀な戦力になるでしょう」 【冒険者証記載内容】 氏名:シオン ランク:B 適性:戦闘魔術師/爆破・制圧担当/対魔法戦闘員 注意事項:爆破技能使用許可制、実験監督必須、火気・市街地使用制限 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■相性・チーム適性総合記録 家内洋太とシオンの組み合わせは、通常の新人隊としては危険度が高い。シオンの爆破や実験によって家内洋太に不幸が集中し、家内洋太の【奇跡】が発動する可能性があるため、戦況が極端に変化しやすい。 ただし、超常災害や封鎖区域など、通常戦力では突破不能な依頼に限れば、シオンが環境を制圧し、家内洋太が最終局面で奇跡的な突破口を得るという役割分担は成立し得る。運用する場合は、医療担当、記録担当、退避指揮官を必ず同行させること。二人だけでの依頼は禁止。 総合判定:個別登録は双方許可。共同運用は特別依頼のみ許可。