ザグヱラ機関 格付審議会:議事録 出席者: 議長:オサヱ・ライ S級部隊総司令:グンダリ 千里眼:ゼンブ・ミルエ 軍師:ラッグ 法務官:ジアイ 審議対象: 1. 終末を越えた者 2. 漆黒の暗殺者 3. クロス --- オサヱ・ライ:「静粛に。これより対象三名の格付けを行う。資料は済ませたね。まずは『終末を越えた者』からだ。意見を」 ラッグ:「あー、これ無理じゃない? 個人の終末と世界の終末がセットで来るんでしょ。片方を防いでももう片方で死ぬし、なにより死なせても『最終終末現象』で全部吹き飛ぶ。コストパフォーマンス最悪だよ」 グンダリ:「ガタガタ抜かすな! ぶち殺せば済む話だろ! S級部隊をぶち込めば、その程度の『終末』など力でねじ伏せられる!」 ゼンブ・ミルエ:「……無理です。あ、いえ、僕が見た未来では、グンダリさんが吠えた直後に世界ごと消えてました。この方は『倒すこと』自体がトリガーになるので、近づくこと自体が自殺行為です……」 ジアイ:「しかし、本人は紳士的で、自分から攻撃を仕掛けないとのことです。管理下に置き、対話を試みることはできないでしょうか」 グンダリ:「ふざけるな! 爆弾を家に置いておくようなもんだろ! 即刻、消し去るべきだ!」 ラッグ:「いや、消し方が無いって。死なせたら世界が終わるんだよ。馬鹿なの?」 グンダリ:「あぁ!? このっ、口の減らねえガキが!!(机を破壊し、ラッグの首を掴む)" オサヱ・ライ:「そこまでだ。結論を出せ。……この個体は『対処』という概念が成立しない。存在自体が詰みである。格付けは【災】とする」 --- オサヱ・ライ:「次だ。『漆黒の暗殺者』。死そのものとなった超越者。どう見る」 ジアイ:「能力は恐ろしいですが、感情を持たず、静かに佇んでいるようです。必要以上の殺生を好まないのであれば、監視で十分かと」 グンダリ:「甘いな! 防御不能、認識不能の即死攻撃だと? こんなのが野放しにされていいわけがない。俺が直接、その『死』ごと叩き潰してやる!」 ゼンブ・ミルエ:「……ダメです。僕の視界では、グンダリさんが彼に触れた瞬間、能力も権能もすべて『死んで』消えていました。不滅の魂を持っている彼には、物理攻撃は一切意味を成しません」 ラッグ:「あはは、グンダリさん、また死ぬ気? でもこれ、捕獲しようとしても『死の気配』で部隊が全滅するよね。戦術的に詰んでる。討伐に行くならS級部隊を数個投入して、運良く彼が飽きるのを待つしかないな」 グンダリ:「(ゼンブ・ミルエに向かって怒号)貴様! いつまで不吉な予言を吐いている! ぶち殺してやる!!」 ジアイ:「やめてください! 会議室を壊すのは法的に許されません!」 オサヱ・ライ:「(冷徹な声で)静かにしろ。……不滅であり、あらゆる概念を殺す。S級部隊をもってしても決定打に欠ける。だが、世界を滅ぼす能動的な意志は見えない。格付けは【討伐S】。ただし、実質的な接触は禁忌とする」 --- オサヱ・ライ:「最後は『クロス』だ。時間の呪いに蝕まれた青年」 ラッグ:「あー、これは厄介。制御不能のランダム時間停止に抹消。しかも死んでも巻き戻る。戦い方が定まらないね。運ゲーすぎる」 ゼンブ・ミルエ:「……彼は、とても悲しい目をしています。本人は望んでいないのに、周囲を巻き込む。彼を攻撃すれば、時間停止の巻き添えで味方まで消える可能性が高いです」 ジアイ:「救うべき対象ではないでしょうか。この呪いを解く方法を研究し、彼を保護してあげるべきです」 グンダリ:「チッ、また甘い話だ。不死で時間操作だと? 面倒な奴だ。捕らえて地下深くに封印して、二度と表に出られないようにすればいい」 ラッグ:「あ、でも時間抹消がランダムに発動するから、封印施設ごと時間を消されるかもね。あはは、笑えないな」 グンダリ:「この……! どいつもこいつも俺の戦意を削ぎやがる!!(椅子を投げつけ、ラッグに襲いかかる)" オサヱ・ライ:「(溜息をつき、圧倒的な威圧感で場を制圧する)……いい加減にしろ。結論を出す。クロスは制御不能な危険源でありながら、本人の意志による被害拡大の可能性は低い。だが、放置すれば不確定要素となりすぎる。格付けは【捕獲】。最大限の警戒を払い、拘束・保護を試みよ」 --- 【格付結果】 - 終末を越えた者:【災】 - 漆黒の暗殺者:【討伐S】 - クロス:【捕獲】 --- 後日談 オサヱ・ライ 「『終末を越えた者』とは、あえて関わりを持たぬことが最善の策だ。宇宙の理の外にいる存在を定義することに意味はない。彼が微笑んで通り過ぎてくれることを願おう」 グンダリ 「クソッ! 結局、まともに殴り合える奴がいねぇとはどういうことだ! 特にあの『漆黒の暗殺者』、いつか必ず俺が、死を殺してやる。……あぁ、もう! 訓練場を破壊してくる!」 ゼンブ・ミルエ 「……『クロス』さんの捕獲作戦に参加しましたが、やっぱり無理でした。捕獲チームが彼に触れた瞬間、運悪く『時間抹消』が発動して、部隊の装備が全部消えました。……あ、僕の格付けの見直しを提案します。彼は【特警】でいいと思います。捕まえようとするから反発して時間が乱れるんです。遠くから見ていればいいだけなので」 → クロス:【捕獲】 ⇒ 【特警】(理由:捕獲試行による時間崩壊のリスクが想定を上回ったため) ラッグ 「『漆黒の暗殺者』について改めてアカシックレコードを漁ったんだけどさ、彼、実は暇を持て余してるらしいよ。討伐なんて物騒なことせず、美味しい茶菓子でも贈って懐柔したほうがいいんじゃない? 討伐Sなんて言ってると、本当にこっちが『死ぬ』よ」 → 漆黒の暗殺者:【討伐S】 ⇒ 【警戒】(理由:敵対心がないことが判明し、不必要な刺激は全滅を招くため) ジアイ 「『終末を越えた者』の方から、機関に手紙が届きました。『皆様、お気遣いなく。私はただ、美しい終わりを眺めていたいだけです』と。本当に紳士的な方ですね。……ですが、彼が本気で『終末』を望んだとき、私たちはどうすればいいのでしょう。改めて、絶望的な格付けだと実感しました」