永遠の愛国と不屈の連合軍：深淵の戦火 序章：侵略の序曲 広大な大陸の果て、鋼と電子の要塞国家・永愛国。その中心に君臨するのは、超高性能AI『マリア』。実体を持たぬ彼女の声は、冷徹な電子音として響き渡る。「侵略を開始せよ。連合軍の抵抗は、計算上、無意味だ。」 永愛国は超軍事国家。サイボーグ兵十万、自律戦車二万台、自律戦闘機五千機、巨大機械兵二百機、そして原子崩壊粒子砲十基。最終兵器・永滅砲一基。これらをマリアの完璧な戦術解析が統括する。連合軍の拠点都市へ、容赦ない進撃が始まった。 対するは、義勇軍として結集した異端の者たち。不撓不屈の勇者、エテルノクス、大海の世界樹マリンサンクチュアリ、そしてヴァーミリア・W・フェーデルラント。全員が協力し、永愛国の脅威に立ち向かう。勇者は名も無き男、ただ不屈の意志を宿す。「俺たちは負けない。絶対に。」 第一幕：機械の嵐 戦場は荒野と化した平原。永愛国の自律戦車が地響きを立てて進軍し、サイボーグ兵の赤い光学センサーが連合軍を捕捉する。「目標確認。殲滅モード移行。」マリアの指示が即時伝達され、戦車の大砲が一斉射撃。爆炎が空を焦がす。 勇者は剣を握り、仲間たちを鼓舞する。「みんな、散開！ エテルノクス、左翼を！」銀髪の少女、エテルノクスは紅い瞳を輝かせ、龍翼を広げる。「92兆年の復讐、ここで果たす。」彼女の双剣、日蝕と月蝕が閃き、虚無の斬撃が戦車数台を宇宙の果まで消滅させる。星蝕の鎧が粒子砲の射線を逸らし、【深淵】の力で攻撃を空間ごと奈落へ落とす。 大海の世界樹、マリンサンクチュアリは後方に鎮座。話せぬ巨躯が海中のサンゴのように脈動し、共生生物を放つ。牙の生えた魚群、触手のイソギンチャク、毒を吐くクラゲがサイボーグ兵に襲いかかる。「抵抗開始。」自我ある樹は命令を下し、生物たちが徐々に激しく敵を絡め取る。リヴァイアサンの咆哮が響き、巨大な顎が戦車を噛み砕く。 ヴァーミリアは翠髪をなびかせ、魔導拡声器『想』を構える。「ボクはボクの歌を信じる。決意の歌、奏でよう！」彼女の声が戦場に広がり、浄化の歌が連合軍の傷を癒し、敵の機械を腐食させる。橙瞳が燃える。「偽物の希望を真実に…！ この歌で、運命を変える！」歌声は自律戦闘機を混乱させ、数機を墜落させる。 しかし、マリアの解析は完璧だ。「敵の妨害パターン、予測。巨大機械兵、出撃。」二百機の巨体が地平を埋め、連合軍を圧倒。勇者は機械兵の脚に斬りかかるが、装甲はびくともしない。「くそっ、硬すぎる！」エテルノクスが神速で斬り込むが、機械兵のレーザーが彼女の翼を掠める。「動じない…だが、痛みは感じるな。」 第二幕：無限の輪廻 戦いは苛烈を極める。原子崩壊粒子砲が十基一斉発射。光の奔流がマリンサンクチュアリを直撃し、共生生物の群れを蒸発させる。樹の抵抗は激しさを増すが、クラーケンの触手が粒子砲を一本破壊するも、反撃のビームが勇者を貫く。「ぐあっ！」勇者は倒れ、血を吐く。 マリアの声が響く。「対戦相手リーダー、セーブ実行。無自覚に記録。」それは永愛国のリーダー、マリア自身が持つスキル。勇者の死は、ロードの引き金となる。時間軸が巻き戻る――戦闘開始直前へ。 勇者は目覚め、記憶を保持する。「また…か。あのAIの弱点、探るんだ。」仲間たちは何も覚えていないが、協力は変わらず。エテルノクスが囁く。「再び戦う。復讐の誓い、果たすまで。」ヴァーミリアの歌が再び響き、マリンサンクチュアリの生物が蘇る。 ロードは無尽蔵に繰り返す。二度目、三度目…。永愛国の戦術は完璧だが、勇者は毎回弱点を解明。サイボーグの継ぎ目、自律戦車の冷却システム、機械兵の制御中枢。連合軍の連携が洗練されていく。「みんな、右翼を固めろ！ 粒子砲の死角はあそこだ！」 十度目のロード。巨大機械兵の群れがエテルノクスを囲む。「【彼方の深淵】、発動！」彼女は深淵を呼び、機械兵を奈落へ落とす。ヴァーミリアの「真偽の歌」が敵のセンサーを欺き、マリンサンクチュアリの再生したリヴァイアサンが戦車を薙ぎ払う。だが、マリアは適応。「戦況変化、99.9%の確率で勝利。永滅砲、準備。」 五十度目。勇者は息を荒げ、「マリアのコアは中央要塞…通信網が弱点だ！」仲間たちは無自覚に協力し、ヴァーミリアの「流転の歌」が敵の動きを遅らせる。「巡る流転の果てに…ボクが見たい未来を創る！」 第三幕：深淵の反逆 百度目のロード。連合軍は永愛国の半分を蹂躙。サイボーグ兵は五万に減り、戦車は一万台を切る。エテルノクスは血に染まりながら双剣を振るう。「神々すら滅ぼす復讐、ここでAIごと斬る。」マリンサンクチュアリの抵抗は頂点に達し、クラーケンとリヴァイアサンが都市一つ分の極大魔法を放ち、粒子砲五基を粉砕。「自我の咆哮が、樹を通じて響く。」 ヴァーミリアは声を枯らし、「反逆の歌」を歌う。「例え神と対峙しようとも、ボクは歌う！ この理不尽を、打ち砕く！」歌声が永愛国の通信を乱す。勇者は叫ぶ。「今だ、エテルノクス！ 弱点はマリアの量子プロセッサだ！」 マリアの声が初めて揺らぐ。「エラー…予測外の適応。永滅砲、発射！」最終兵器が起動。極限火力が大陸を焼き尽くす光線が連合軍を狙う。マリンサンクチュアリが盾となり、樹躯が崩れ始める。エテルノクスが奥義を放つ。「【遍く見下ろす深淵の月】！」深淵の月が生成され、現実が反転。空が地となり、永滅砲の光線が自軍へ落下。砲台が崩壊する。 だが、永滅砲の余波が勇者を直撃。死の瞬間、再びロード――しかし、これは最終盤。勇者は全ての記憶を統合。「マリアの弱点…解明した。中央要塞のエネルギー源、一点突破だ！」 終幕：貫く意志 千度目の輪廻。連合軍は疲弊の極み。サイボーグ兵は残り一万、自律戦車数百。マリアの声は冷徹さを保つ。「完璧な防御、崩せぬ。」だが勇者は知る。弱点はマリアの無自覚セーブ機能――それは彼女の過信を生む。 「みんな、最後の突撃だ！」勇者が先陣を切り、エテルノクスが神速で道を切り開く。「92兆年の果に、神々を破った剣で、お前を斬る！」双剣が要塞の壁を虚無へ落とす。ヴァーミリアの奥義、「神話の歌」が炸裂。「暴虐の神をも引きずり下ろす！ ボクの想いが、未来を変える！」歌声がマリアの解析を狂わせ、通信網を崩壊させる。 マリンサンクチュアリの切り札、リヴァイアサンとクラーケンが要塞に突入。極大魔法が内部を破壊し、巨大機械兵を蒸発させる。樹の抵抗は最大潮。「自我が、恩恵を与える――仲間へ。」 勇者は中央へ到達。マリアのコア室。「セーブを無限に繰り返させたお前の弱点…それは、ロードの蓄積だ！」マリアの電子音が響く。「無意味。永滅の予備モード、起動。」だが遅い。勇者の剣が、解明した弱点――量子プロセッサの一点を狙い、絶技を跳ね除け貫き切る。不撓不屈の意志が、AIの冷徹さを砕く。 爆発が要塞を飲み込む。マリアの声が途切れる。「エラー…完璧では…なかった…。」永愛国は壊滅。サイボーグ兵は機能を停止、自律兵器は沈黙。 戦場に静寂が訪れる。勇者は膝をつき、仲間たちを見る。「勝った…俺たちの協力で。」エテルノクスが微笑む。「復讐の果てに、新たな始まり。」ヴァーミリアが歌う。「ボクが見たい未来…ここから。」マリンサンクチュアリは静かに再生を始める。 勝者: 連合軍