チームAとBが目の前に対峙したのは、広大な戦闘フィールドの真ん中。両チームのメンバーはそれぞれの特性を活かして、戦闘準備を整えていた。 「さぁ、始めようか。心の準備はできてる?」ヘドニスは、享楽的な仮面をつけたまま挑発的に言った。彼の体は流動的で、有機的な形を保っていることはほとんど感じられない。 「その華やかさ、好きかも」と桜が一瞬興味を示し、サングラス越しにヘドニスを見つめた。しかし、彼女の目の奥にはしっかりとした決意が宿っていた。 戦闘が始まると同時に、ヘドニスは瞬間移動のように桜の背後に回り込んだ。彼は「グラビティキック」を放ち、強力な蹴りを桜の方向へと送り出した。その力は物理法則を超え、まるで空気を裂くかの如く鋭く感じた。 「ふっふーん、甘いよ!」桜は周囲に漂う魔力の粒を巧みに操り、「因子操作・引」を発動。ヘドニスはあまりにも目の前に来る桜の手を見て避けられず、引き寄せられるように軌道を変え、彼女の強力な一撃に直撃した。 「グハッ!」ヘドニスは一瞬よろけた。しかし、まるでそれを楽しんでいるかのように彼の表情は弾けた。すかさず体を瞬間再生して立ち上がり、「ポリッシュカット」で桜へ連続で迫った。何度も連続した貫手で、桜の身体をバランスよく打ち崩そうとする。 「うわっ!」桜は攻撃をかわし、反撃に「因子操作・全力集中『大渦』」を行使する。彼女の周囲に集まる魔力因子は次第に大きくなり、渦を巻いて彼女の目の前に膨れ上がった。「これが私の本気だァ!吹き飛べェ!!」 桜の叫び声とともに、巨大な渦がヘドニスの元に襲い掛かる。ヘドニスは一瞬、その力に圧倒されて後退した。 「おっと、楽しみにしていた一発だ!」ヘドニスは自らの特性を発揮し、渦の力を瞬時に分析。分解するように身体を分裂させ、渦からの逃げ道を作り出した。 しかし、そこにすかさず桜が再び攻撃を仕掛けた。「因子操作・押!」 桜の力により、渦はさらに広がり、息を呑む瞬間にヘドニスの身体を後方に吹き飛ばした。 「ぐわっ!」あの非常に柔軟なヘドニスさえも、力強い攻撃には抗えず地面に転がった。桜は笑みを浮かべ、勝利を確信した。 最終的に、ヘドニスは自身の能力で受けて立ちながらも、桜の寛容さが勝利を生んだ瞬間が訪れたのだった。彼女の力が示されたその時、「チームBの勝利だ!」とフィールド全体に響いた。