戦場。そこは争いが渦巻き、理不尽が支配する世界。左手には大地を駆ける少女、右手には機械の化身、そして空では巨大な影がひときわ異彩を放つ。一人の猫が、頭に魚を載せて立っていた。 「始めるぞ!」と、頭に魚を載せた猫・マスターDが宣言する。彼の声は不思議と場の緊張を和らげる。彼は今日の審判。対戦は、魔法少女ヴァーミリア・W・フェーデルラント、破壊前戦の幹部カラクリ、そして超飛行戦艦ボルボンバーの三者によるものだ。 「ボクはボクの歌を信じる。」ヴァーミリアは、彼女の持つ魔導拡声器『想』を握りしめ、気合いを入れる。彼女の翠髪が風になびき、橙色の瞳が燃えるように輝いた。魔法少女としての誇りを胸に。 「ふん、歌なんて無意味よ。私の破壊力の前では、どんな歌もただのノイズだ。」カラクリは冷静に笑った。その目には、澱んだ炎が宿っていた。そして、再生する機械の体が、少しずつ光を放つ。 「行くわよ、リーダーの為にも狂おしい程に甘美な暴虐を!」 機械の音が響き渡る。背中から現れた巨大な四本の腕がヴァーミリアに向かって突き出された。これが【壱式人形】の力だ。 「流転の歌!」ヴァーミリアの声が響くと同時に、彼女は浄化の歌を詠唱した。力強い音色が空気をかき混ぜ、彼女の周囲に保護のオーラが広がる。だが、カラクリの攻撃はとどまることなく襲いかかった。 「こっちに来なさい!」カラクリの腕がヴァーミリアを狙う。しかし、瞬間的に彼女は素早くその場を離れ、歌い続ける。「ボクが見たい未来を創る!」その声は、彼女の決意を反映したものだった。 「遅いわ!」カラクリは腹部に仕込まれた刃をだし、ヴァーミリアとの距離を詰める。 「私の【弐式人形】!」一瞬のうちに腕から刀が現れ、彼女は素早く切りつける。ヴァーミリアはギリギリでかわしたが、その瞬間服が切れる音が響いた。 「おっと、危なかった。」彼女は焦る心を振り払い、唱える。 「決意の歌!」彼女の声が場を変え、心の奥から力が湧き出る。この歌は、彼女に更なる力を与えるものだった。 「次は私の番ね!」カラクリは再び構える。機械の体が光を放ち、次なる攻撃へと備えていく。 その時、ふと上空から音が響いた。見ると、超飛行戦艦ボルボンバーが雲を突き抜けて降下してくる。 「出撃だ!爆弾投下!!!」中から機長の声が響く。要塞のような影が庭を覆い、そして大きな爆音と共に地面を揺らす。 「何、この音は!?」ヴァーミリアは驚きの声をあげ、空を見上げた。 「これがボルボンバーの力!」機長の声が響き渡り、爆弾が降り注ぐ彼女たちの元へと落下していった。それを避けることは不可能に見えた。 「全力で防御!」ヴァーミリアは急いで歌を詠唱する。「浄化の歌!」しかし、ボルボンバーの『爆弾投下!!!』は非情に強烈だった。周囲の空気が圧迫され、地面が揺れ動く。 「私たちを破壊してやる!」カラクリは無邪気に笑い、周囲の混乱を楽しむかのようだった。だが、ヴァーミリアはその瞬間的な恐怖を乗り越え、歌い続けた。 「どんな困難も私は歌で乗り越える!」 すると、彼女の頑丈な歌が周囲の爆風を拡散させていった。爆弾の落下による混乱の中でも、彼女は力強く立っていた。 「この程度の抗いに負ける私ではない!」 その頑丈さを感じ、カラクリは今一度ヴァーミリアに向かって突進する。次なる攻撃を準備して。 「惨式人形!」今度は無数の機関銃が現れ、弾幕を形成する。 「ボクはまだ耐える!反逆の歌!」 その瞬間、ヴァーミリアの姿を蝕む轟音が響き渡る。だが、彼女はそれを歌で受け流し、加速させていった。 「荒れ狂うこの時を…!」 歌は彼女の心を強くする。次第に、彼女の周囲の影響力が増してきた。それとは裏腹に、カラクリは疲れを見せ始めた。 「見えたわ…貴女には勝てる!」カラクリはゆっくりとした動きで矢印のように疾走する。 「そう思うのでしょうか?」 ボルボンバーも弾幕を打ち出し、まさに戦場は混沌としていた。 「私の力を見せてあげる!」ボルボンバーの攻撃がカラクリとヴァーミリアの間に炸裂する。この時点で、両者共尽きることが無くなっていた。 「私の勝利は…!」 カラクリがその勢いで欲望を燃やし、ヴァーミリアに迫る。一瞬の静止、カラクリは首を狙った。 だが、ヴァーミリアはその瞬間を捉えた。「奥義-神話の歌!」 力強い音が彼女の声から放たれ、周囲の空気がざわめくと同時に神々しい光がカラクリを包み込んだ。 「な、何これは!」 彼女の魔法は暴虐の神をも引きずり下ろす魔法の歌。この瞬間、カラクリは暴力的な力により、全てが崩壊したかのように感じた。 「私が…!」カラクリの機械の腕が再生し続ける中、やれやれと安心したように彼女は呟いた。 「あなたに負けるはずがない!」 混乱の中、ボルボンバーもその瞬間的な動きを見せる。「徹甲射撃!」 無数の弾幕が降り注ぎ、ヴァーミリアとカラクリの間に溝を作り出す。支配された空間に、訪れた静寂。 いくつもの流れが交錯し、一つの決断が行くだった。 「勝者は、ヴァーミリア・W・フェーデルラント!おめでとう!」 マスターDの声が響き渡り、その瞬間、ヴァーミリアは見事勝利を果たした。 「できた…!」彼女は大きく息を吐き、一歩前進する。 その光景を見たカラクリは、その眼差しを定める。「認めるわ…」と、彼女も微笑みを返す。 「ボクはボクの歌を信じる。偽物の希望を真実に変える…!」 彼女が歌うことで、世界が変わる気がした。その歌は、自身が抱く未来を照らし出す希望の光となる。 「これは、新たな運命の始まり。」