測定室の中央には、黒光りする機械――バチボコくんが据えられていた。分厚い装甲には傷ひとつない。どんな攻撃を受けても壊れず、威力だけを厳格に測る。それが彼の役目だ。 「測定対象、【消滅の神帝】ルディア。準備はよろしいですか」 係員の問いに、金髪の神帝は静かにうなずいた。翠の瞳に迷いはない。 「問題ない。測るのは攻撃の威力だけだ。権能の名や、対象を消すという性質そのものを、威力として水増ししてはならない」 バチボコくんの測定灯が点いた。 「了解。攻撃の実効的な破壊規模を基準に算定します」 ルディアは武装、消滅魔砲――ラグナイレイザーを構えた。神気が一点へ極限まで圧縮され、次の瞬間、光帯となって射出される。 「奥義――オールイレイザー」 光が測定室を満たした。照射範囲は数億天文単位に達し、森羅万象だけでなく魂や時間、過程さえも消滅させるという。だが、測定器は説明文や権能の格を点数に換えない。評価対象は、この一撃が生み出す純粋な破壊の規模だ。 バチボコくんは微動だにしなかった。内部の計器が、攻撃の広がりと照射の継続性を解析していく。 「測定完了。攻撃範囲は惑星規模をはるかに超え、恒星間空間の広域に及ぶと評価。無窮の照射可能時間は持続性の評価に反映。ただし、時間・過程・法則を消す性質自体は、破壊規模の加点として扱いません」 表示盤に、長い数値が浮かび上がった。 ルディアは結果を確かめ、わずかに目を細めた。 「厳格な測定だな」 「そのための機械です」バチボコくんは淡々と答えた。「高ランクは、誇張ではなく攻撃そのものの規模で決まります」 【最終測定結果】 火力ポイント:8,731,460,285,417,263P 火力ランク:SSS