夜の19時。喫茶店「Dallas」は、いつものようにカオスな空気に包まれていた。 「にゃー!今日のガチャ爆死したから、誰か私に5000円払ってストレス解消させてにゃん!✧(≖ ◡ ≖✿)✧」 緑髪ツインテールを振り乱し、メイド服姿でテーブルを叩くライムちゃん。そんな彼女の横で、頭に魚を乗せた三毛猫のマスターDが、丸眼鏡をキラリと光らせてのほほんと呟く。 「いいよ~、ライムちゃん。挑戦者が来たら1500円あげるからね~。あ、俺ならプリンターで超巨大ビル作って頭上にドカーンと落とすんだけどな~」 「おい、店を壊すな。いい加減にしろ」 黒革ジャケットのごついおっさんが、鋭い眼光でマスターを制した。その時である。 ガラガラ……と店が開いた。入ってきたのは、てっぺんが眩しい80代のお爺さん。彼はゆっくりと、しかし確実に「逆方向」へ歩きながら入店してきた。 「ふあ〜(起床)」 その瞬間、世界に異変が起きた。お爺さんが「起きた」ため、世界の理に従い、店内にいたライムちゃん、マスターD、ごついおっさんの三人が、同時にガクンと深い眠りに落ちた。Zzz……。 だが、ライムちゃんは「ギャグ補正」を持つ女子高生である。睡眠時間を削ってソシャゲに励む彼女にとって、「眠い」という状態は日常茶飯事。なんと寝ながらにして戦闘態勢に入った! 「ムニャ……にゃん!寝ながら戦うのも乙にゃー!✧(≖ ◡ ≖✿)✧」 ライムちゃんが【虹のペン】を猛烈に走らせる! 【描いた食材:超激辛・爆発プリン】 【効果:食べた瞬間、口から火を吹きながら後方にロケットのように飛んでいく】 ライムちゃんが描いたプリンが実体化し、お爺さんの口にダイレクトアタック! ドカーン!! しかし、ここで【世界の理】が発動した。お爺さんがダメージを受けた=お爺さんがダメージを与えたことになる。 「ぎゃああああ!!(逆方向への衝撃)」 プリンを投げたはずのライムちゃんが、なぜか自分だけロケットのように店内の壁に激突した。審判のごついおっさんが、眠りながらもボソリと呟く。 「……なんだこの試合、物理法則がバグってやがる……(Zzz)」 「にゃー!おかしいにゃん!でも負けないにゃー!」 ライムちゃんは不屈のギャグ耐久力で壁から跳ね返り、切り札を繰り出す! 「【猫耳メイド姿に変身】!にゃーーん!!」 ポンッ!という効果音と共に、さらにフリフリな猫耳メイド姿になったライムちゃん。彼女は空中に巨大なコーヒーカップを描き出し、お爺さんをその中にガッシリと閉じ込めた! 「超高速回転!コーヒー・サイクロンにゃーー!!」 カップが猛烈な速度で回転し、遠心力でお爺さんを店外へ吹き飛ばそうとする。しかし、お爺さんがふと、心地よい風に当たってこう呟いた。 「いい天気じゃ(生を実感)」 【世界の理:爺が生を実感すると世界が死滅する】 ガガガガガ!!と店内の家具が砂のように崩れ始め、宇宙の終わりのような崩壊が始まった。絶体絶命のピンチ!だが、ライムちゃんのギャグ補正はそれを上回る! 「こんなの、漫画の回想シーンで解決するにゃん!✧(≖ ◡ ≖✿)✧」 ライムちゃんが空中に「完」という文字を描いた瞬間、世界は強制的にリセットされ、お爺さんはカップに乗ったまま、猛烈な勢いで夜空の彼方へと吹っ飛んでいった。 キラキラと輝く夜空から、お星さま🌟が降りてきて、呆れたように呟いた。 「……もう、この店の人たちは、理屈を全部無視しすぎだよ」 静寂が戻った店内で、ライムちゃんはドヤ顔で5000円(参加費)を握りしめ、マスターDから1500円の報酬を受け取った。 「にゃー!楽勝にゃん!これで新キャラ引くにゃん!」 「あーあ、店半分壊れたね~。またプリンターで直すか~」 「お前が壊したんだろうが!!」 ごついおっさんの怒号が、夜の街に響き渡った。 * 【虹のペン】 描いた食材:超激辛・爆発プリン 効果:対象を爆風で後方へ弾き飛ばす(が、お爺さん相手だと自分に返ってくる) 被害額(円): ・店内のテーブルおよび椅子(崩壊分):120,000円 ・壁の修理費(ライムちゃん激突分):45,000円 ・マスターDの精神的ダメージ(なし):0円 ・合計:165,000円