第一章:出会いの森 深い森の中、夜の静寂が広がっていた。月明かりが間接的に差し込む中、森のざわめきは消え、冷たい空気が二人を包み込んでいる。この暗闇の中で、己の魂の形・真人は、長髪を靡かせながら静かに待ち構えていた。彼は自身の魂の存在に自信を持ち、どんな敵も一瞬で叩き潰せると信じて疑わない。しかし、今夜は特別だ。相手は特級呪術師・五条悟。彼との戦闘は、真人の興味をかき立てる。それと同時に、彼の嫌悪感も芽生えていた。 一方、五条悟は高身長の白髪という外見とは裏腹に、冷静さを保ちながらしっかりと状況を判断していた。彼の目は「六眼」によって、魔力の動きや相手の感情を感じ取ることができる。真人の存在が差し迫っていることを把握しつつも、五条はひとまず構えを取らず、様子を見ることにした。 「俺は興味ないが…この戦闘が俺にとって有意義だと思わざるを得ない」と真人は呟く。彼の言葉は森の中に響き渡るが、五条は特に反応しない。此処にいる二人は、互いに異なる生き方をしてきたため、この瞬間がどれほど重要であるかを理解しているわけではなかった。ただ、一つだけ確かなことがある。今から手に入れる「勝利」は、彼らの名誉となるのだ。 真人は呼吸を整え、五条の動きを探った。彼の所在を明確に把握するため、術式「無為転変」の感覚を鋭く研ぎ澄ます。でも、五条にはやはり何か特別な気配があった。攻撃を加えてくるという雰囲気は感じ取れないが、彼の魔力は常に一定で安定している。そのため、真人は「何か裏がある」と直感した。 「面白いね、君の魂の形、少しだけ興味がある」と五条が意地悪く口にする。これが彼なりの挑発なのか、それとも本当に興味を持っているのかは分からない。しかし、真人にはその言葉が逆効果になったようだ。彼の耐性は、魂に響く攻撃以外は完全無効化されるという自信に満ちている。この瞬間、彼は一瞬内心を揺さぶられたことを悔やんだ。 「興味が無い」と真人は残酷な笑みを浮かべる。彼のその言葉に五条は動じず、むしろその険悪な表情を楽しむように笑った。「じゃあ、始めようか」 この瞬間、森に静寂が戻ることはなかった。真人が持つ「多重魂」を駆使し、改造人間を召喚する感覚を抱きしめる。彼は、自分の意志のままに自在に肉体を操ることができるが、果たして勝つことができるのか。それが彼の唯一の考えだった。 五条は五感を研ぎ澄まし、周囲の空気を把握し、彼の術式「無下限術式」を発動させる。周囲には無限の領域が広がり、真人の攻撃は無効化される。真人は一瞬、迷った。そして、次の瞬間、彼の周囲は変わった。多重の魂の力によって、彼の意志が仲間を動かし、五条に対する攻撃の連携が生まれる準備がされた。 しかし、五条の目にはすべての動きが見えていた。彼の六眼が誇示する能力によって、真人の行動がすべて把握されていると確信した。五条は無限の情報を与え、作戦を牽引する。彼は冷静に対処し、真人の動きを捌く準備を整えた。互いの技が森の中で交差する瞬間が訪れる。 第一章は、互いの存在感と意志の強さがにじむ不穏な空気の中で幕を開けた。どちらがこの夜の勝者になるのか、どちらが名を刻むのか、勝負は始まったばかりだ。 --- 次の戦闘は夜が深まるにつれ、互いの策略が絡み合うこととなる。どちらが先に動くのか、それとも待ち伏せの戦略が功を奏するのか、次の章へと続く。