暗い森の中、月明かりがかすかに差し込む。木々には無数の影が揺れ、あまりの静寂が逆に不安を煽る。チームBのラルク・エドワードは、強大な敵に囲まれていた。彼は長身でハンサムな外見だが、今はその冷静沈着さを保てないほどの窮地にあった。 「くっ…これでは間に合わない!」ラルクは剣を握りしめ、周囲を見渡す。彼の目の前に立ちふさがる敵は、数十にも及ぶ。仲間はすでに連れ去られ、彼一人が孤立している。 「こいつらを…全て切り裂いて、仲間を助けなければならない!」ラルクは、魔剣エアードの刀身を青白く輝かせ、無機質なものすらも切り裂く力を秘めた剣を構えた。しかし、敵の数がそれを圧倒する。 「やはりこれでは足りない。どうしようもない。」心の中で焦りが広がる。その瞬間、背後に気配が迫る。振り向く間もなく、ラルクは心を鬼にして剣を振りかざした。 だが、彼の前に現れたのは、かつて敵対していたチームAの剣が現れた。剣はその瞬間、稲妻のように速く敵を斬り裂き、ラルクの視界を一瞬で変えた。 「えっ…お前は…!」ラルクは目を見張る。 「敵だとしても、今この瞬間は共闘するしかない。仲間を救うために!」剣は冷たい笑みを浮かべながら、さらなる敵を排除していく。 「どうしてお前が…私を助けるのだ?」ラルクは驚きと混乱に顔をゆがめた。 「俺は、戦いの中に意味を見出す。」剣は冷静に答える。「お前が敵だろうと、今はこの状況を打破するために力を合わせることが重要だ。そして、俺には仲間を守る義務がある。」 それが「敵」との共闘だとしても、剣には正義の心が宿っていた。この瞬間、ラルクの中にあった不安は、剣の強い意志に少しずつ拭われていく。 「わかった、協力しよう。だが、この戦闘後、お前は必ず私との決着をつけるべきだ。」ラルクは冷静に答えた。 「構わねぇさ、だが今は立ち向かうべき敵がいる。共に戦おう。」剣はラルクの言葉に同意し、同時に敵へ向かって斬り込んでゆく。突然現れた敵に対抗するため、二人は背中を合わせ、攻撃を加えていく。 互いに意識しながら、ラルクは魔剣エアードを持って剣と共に戦う。灼熱の火炎剣と魔剣エアードの融合、まさに信じられない連携が生まれ、敵は容赦なく切り裂かれた。 「この流れを崩さない!」ラルクは毅然と叫び、剣は疾風剣で風を巻き起こし、敵を吹き飛ばす。二人の力強い剣技が重なり、敵は次々に倒れていく。 「見ろ、敵は狼狽してきている。もう少しだ!」剣の声が響く。仲間を奪い去った者への憎悪が二人の心を燃え立たせ、共闘によって生まれる力が二人を繋ぐ。 そして、遂に残る敵は二人に対抗できる力を失い、最後の一体を倒した時、静まり返った森にただ二人の呼吸音だけが鳴り響いた。 「…これで終わったのだな。」ラルクは安堵と共にそう呟き、自らの剣を地面に突き刺した。 「だが、次は決着をつける。」剣は薄く笑みを浮かべながら、約束を果たすことを明言した。 共闘によって生まれた新たな絆。それは、立場上では敵同士でありながら、少しずつ理解し合える関係を築く第一歩であった。