氷と炎の交錯 第一章:追跡の影 凍てつく風が荒野を駆け抜ける。マーシィ・クロードフェルは、雪に覆われた山脈の頂に立ち、遠くの王国を睨みつけていた。彼女の瞳は冷たく澄み、長い銀髪が風に舞う。一流の魔道士として、王に仕えていた頃の栄光は今や遠い記憶だ。不正の濡れ衣を着せられ、国を追われた彼女は、人間不信の塊と化していた。復讐の炎──いや、氷の刃を胸に、彼女は今、この地域を人間ごと氷漬けにする計画を練っていた。 「人間どもめ……お前たちの裏切りを、永遠の冷たさで償わせてやる」 マーシィの指先から、魔力が溢れ出す。アイシクルフォード──氷を生成し、変形させる彼女の能力が、空気を震わせる。彼女は慎重に周囲を窺い、頭脳明晰な頭で次の標的を定めた。だが、その視界に異物が映った。水色髪の男、黒いコートを纏った若者が、ゆっくりと近づいてくる。氷浦圭人、23歳。冷静な表情で、まるでこの極寒の地が我が家のように歩を進める。 圭人は、低温耐性を持つ体質のおかげで、マーシィの冷気をものともしない。彼の力、ゼロフレイム──絶対零度の蒼炎は、常識外の存在だ。炎でありながら凍てつくその力に目覚めて間もない彼は、困難の始まりを感じていたが、迷いはなかった。 「マーシィ・クロードフェルか。お前の復讐が、この地を滅ぼす前に止める」 圭人の声は静かだが、決意に満ちていた。マーシィは眉をひそめ、相手を値踏みする。人間不信の彼女にとって、突然現れたこの男は脅威でしかなかった。 「ふん、追っ手か。国からの刺客か何かか? いずれにせよ、氷の棘で貫いてやる」 戦いが始まる予感が、空気をさらに冷たくした。 第二章:蒼炎の覚醒 マーシィは即座に動いた。彼女の周囲に氷の粒子が集まり、ブリザードが発動する。空から無数の氷の棘が降り注ぎ、圭人を襲う。鋭い棘は大地を貫き、雪煙を上げる。だが、圭人は動じない。戦闘開始の台詞を呟きながら、彼の背にゼロフレイムの翼が形成される。蒼く輝く炎の翼が広がり、彼は空へ舞い上がった。 「俺の炎で凍らせる」 翼を羽ばたかせ、棘の雨を回避する圭人。ゼロフレイムを放射し、降り注ぐ氷を相殺する。炎は触れたものを凍てつかせる──マーシィの氷と瓜二つの性質だ。彼女は驚愕を隠せなかった。 「何だ、その力は……炎が凍るだと?」 マーシィは冷静さを保ち、次なる技を繰り出す。ライトストリーム──巨大な氷の針山が地面から突き上がり、圭人を捕らえようとする。針は触れた者を即座に凍結させるはずだった。圭人は空中で身を翻し、翼を盾のようにして防ぐ。蒼炎が氷の針に触れ、互いの力がぶつかり合う。爆風のような冷気が広がり、周囲の岩を粉砕した。 圭人は接近戦に持ち込む。ゼロフレイムを纏った拳でマーシィに迫るが、彼女は慎重に距離を取る。氷の壁を生成し、防御を固める。圭人の蹴り、ゼロシュートが壁を砕く。強烈な蒼炎の蹴りが氷を蒸発させ、マーシィを後退させる。 「くっ……この男、ただ者じゃない」 マーシィの心に、わずかな動揺が生まれる。人間不信の彼女だが、この力は国とは無関係のようだ。だが、戦いは容赦ない。彼女はビザーレを放つ──爆発する氷塊が圭人を包み込む。爆発の衝撃で圭人は吹き飛ばされ、雪原に叩きつけられる。だが、彼の耐性は本物だ。体温が低下せず、即座に立ち上がる。 「まだだ」 圭人は再び翼を広げ、マーシィに肉薄する。蒼炎の放射で彼女の氷を溶かし、格闘で押す。マーシィのローブが裂け、息が荒くなる。二人の戦いは、氷と炎の交錯で周囲を白く染め上げた。 第三章:森羅の介入 戦いの熱が頂点に達しようとした時、空が歪んだ。空間が裂け、瞬間移動の魔法が発動する。現れたのは、【森羅万象を司る魔道士】アルネバス。875歳の最強の魔道士は、穏やかな表情で二人を見下ろしていた。知識と経験に満ちた彼の瞳は、弱者に優しく、強者に厳しい光を宿す。 「ふむ、面白い戦いだな。だが、この地を破壊する前に、仲裁をさせてもらおう」 アルネバスは空中に浮かび、魔導加護を発動。味方──この場合、中立の立場だが──に魔法の障壁を張る。彼の存在だけで、戦況が変わる。マーシィは警戒を強め、圭人も身構える。 「誰だ、お前」圭人が問う。 「アルネバスだ。森の散歩の途中で、この騒ぎに気づいた。君たち、互いに消耗するだけだぞ」 だが、マーシィは聞く耳を持たない。復讐の炎が彼女を駆り立てる。 「邪魔をするなら、氷漬けだ!」 マーシィのブリザードがアルネバスを狙うが、彼の空間操作魔法が全てを消滅させる。攻撃力10の氷棘は、空間の歪みに飲み込まれ、無に帰す。アルネバスはため息をつき、四種神力の風の力を発動。マーシィを吹き飛ばす。彼女は氷の壁で防ぐが、衝撃で膝をつく。 圭人はこの隙を逃さない。ゼロシュートでアルネバスに迫るが、魔導加護の障壁がそれを遮断。アルネバスの防御力20と魔法防御力15が、蒼炎を弾き返す。 「ほう、君の力は興味深い。だが、無駄だ」 アルネバスは時間操作を試みる。圭人の動きを遅くするが、ゼロフレイムの性質が特殊で、完全には効かない。圭人は素早く反撃し、蒼炎の放射でアルネバスを包む。だが、アルネバスの耐性──時間操作無効、特殊効果無効──がそれを無効化。魔力30の彼は、雷の力で圭人を感電させる。圭人は耐えるが、体が痺れる。 マーシィは立ち上がり、ライトストリームをアルネバスに放つ。巨大な氷の針山が迫るが、空間操作で消滅。アルネバスは地の力で地形を変え、二人を分断する壁を創出する。 「強者に厳しく、だ。君たち、力を抑えろ」 戦いは三つ巴の様相を呈し始めた。アルネバスの素早さ25が、戦場を支配する。 第四章:外なる神の降臨 混沌が頂点に達した時、世界が凍りついた。灰白色の炎が空を覆い、【凍れる灰色の炎】【外なる神】【旧支配者】アフーム=ザーが現れる。グレート・オールド・ワンのそれは、ハイパーボリア滅亡の原因たる最強の存在。見た目は灰白色の炎──触れる者を凍らせる寒気のとばりが、周囲を包む。 「…………」 アフーム=ザーは言葉を発さない。ただ、その存在だけで、防寒対策のない者は即死の危機に陥る。マーシィの氷さえ、灰色の炎に飲み込まれ、変質する。圭人のゼロフレイムが反応し、蒼炎が灰色に染まり始める。 「何だ、この気配……」圭人が呟く。冷静な彼の表情が、初めて歪む。 アルネバスは眉をひそめ、四種神力の全属性を展開。炎で焼き尽くそうとするが、アフーム=ザーの寒気のとばりがそれを上回る。空間操作さえ、灰色の炎に侵食され、無効化される。アルネバスの魔導加護が、初めて揺らぐ。 マーシィは心への接触を感じる。アフーム=ザーが彼女の精神に触れ、クトゥルフ神話の知識を授ける。マーシィの正気度が失われ、幻覚に襲われる。王国の裏切りが、無限の氷の渦として脳裏に広がる。 「いや……あぁぁ!」 彼女のビザーレが暴発し、周囲を爆破するが、アフーム=ザーの炎に吸収される。圭人は翼を形成し、逃れようとするが、寒気のとばりが彼の耐性を試す。ゼロフレイムが共鳴し、圭人の体が灰色に染まる。 「くそ……この力、俺の炎を食うのか?」 アルネバスは瞬間移動で距離を取るが、アフーム=ザーの影響は空間を超える。時間操作を試みるが、無効。生、死、時の力を操る四種神力さえ、旧支配者の前に屈する。 「これは……外なる神か。森羅万象を司る我が力も及ばぬとは」 戦場は灰白色の炎に覆われ、三人はそれぞれの方法で抵抗する。マーシィは秘奥義、eternal coldnessを放とうとする。巨大な氷のレーザーがアフーム=ザーを狙うが、灰色の炎がそれを凍てつかせ、逆流させる。マーシィは自らの魔法に飲み込まれ、膝をつく。 圭人は奥義、ゼロバーストを発動。ゼロフレイムを凝縮し、一気に解放。壊滅的な蒼炎の爆発がアフーム=ザーを襲うが、灰色の炎がそれを吸収し、増幅。爆風が圭人を吹き飛ばし、彼のコートが裂ける。 アルネバスは五大属性の総力で対抗。獄炎、水の受け流し、雷、風、地の創造──全てをぶつけるが、アフーム=ザーの寒気のとばりが全てを凍らせる。魔導加護の超回復が追いつかず、アルネバスの体に亀裂が入る。 第五章:絶望の渦 アフーム=ザーの心への接触が、皆を蝕む。マーシィは正気を失い、幻覚の中で王国を氷漬けにする妄想に囚われる。彼女の氷が暴走し、味方さえ凍らせる。圭人はクトゥルフの知識に苛まれ、ゼロフレイムの制御を失う。蒼炎が灰色に変わり、自滅の危機に陥る。 「俺は……何を……」 アルネバスは精神干渉無効の耐性で耐えるが、物理的な寒気が彼の魔力を削ぐ。空間操作で逃れようとするが、アフーム=ザーの存在が空間を歪め、瞬間移動を封じる。 「この神は、最強だ。だが、諦めぬ」 アルネバスは四種神力の死の力を呼び、破壊の波を放つ。だが、灰色の炎がそれを無効化。マーシィは最後の力を振り絞り、eternal coldnessを再発動。超強力な巨大レーザーがアフーム=ザーを貫こうとするが、炎の渦に飲み込まれ、マーシィ自身を凍てつかせる。彼女の体が氷像と化す。 圭人はゼロバーストの残滓で抵抗。飛行しながら蒼炎を放射するが、寒気のとばりが翼を凍らせ、墜落。地面に叩きつけられ、動けなくなる。 アルネバスは単身で挑む。時間操作でアフーム=ザーの動きを止めようとするが、無効。五大属性の連携で攻撃を畳み掛けるが、防御が崩れる。魔力30の彼の限界が訪れる。 「弱者に優しく……だが、この神に優しさは無用か」 灰色の炎がアルネバスを包み、彼の体が凍りつく。875年の叡智が、旧支配者の前に散る。 第六章:永遠の灰色 戦いは終わった。アフーム=ザーの灰白色の炎が、戦場を覆い尽くす。マーシィは氷像として砕け、圭人は凍てついた体で息絶え、アルネバスは空間の歪みに飲み込まれる。最強の旧支配者は、ただ静かに在る。 ハイパーボリアの亡霊が、この地を灰色の絶望に染めた。困難は始まったばかりだったが、終わりはあまりにも残酷だった。 (文字数:約4200字) 勝利サイド:【凍れる灰色の炎】【外なる神】【旧支配者】アフーム=ザー