闘技場の空気が張り詰め、観衆の期待に応えるかのように、選理傑(せんり けつ)は静かに立ち上がる。彼の175cmの身長が瞬時に装飾された闘技場に絡み合う霧の魔物、ディネブロスとの戦いを前に、勇敢にその姿を見せつけた。 周囲は不気味な静寂に包まれ、視界がぼやける霧が広がっていく。ディネブロスはその正体を捉えられず、観客たちの顔には緊張が浮かんだ。だが、選理傑は一歩前へ進み出る。 彼の心の中で、巧妙な計算が走り抜ける。戦闘IQの高さは、相手の特性を冷静に分析する力を与えた。ディネブロスの粒子の中に潜む罠や恐怖を一瞬で脳裏に描き出し、行動を決定する。 その時、選理傑のスキル【ギフト】が発動した。7つの能力・武器が彼の周りに現れ、澄んだ光がまばゆく煌めく。 1. 烈風剣 - 風をまとった剣が出現し、すべての攻撃を加速させる。 2. 精鋭の盾 - 強化された防御力で物理攻撃を完全に防ぐ。 3. 隠密の靴 - 軽やかな足音で素早く動ける能力を得る。 4. 猛毒の矢 - 矢先から放たれる毒の煙が、敵を侵蝕する。 5. 瞬間移動の腕輪 - 瞬時に指定の位置に移動できる。 6. 神速の槍 - 瞬時に飛ばすことができる超速の槍で、敵を貫く。 7. 炎のまじない - 炎を操り、相手を炎上させる能力を得る。 選理傑は次々と武器を使っていく。まず、烈風剣を握りしめ、霧の中へと突入すると、その風のように流れる身のこなしで、ディネブロスの細粒子をかわす。最初の一撃が霧を切り裂いた。 ディネブロスは反撃のため、粒子を放出し、内侵散を発動させようとするが、選理傑はすでに瞬間移動の腕輪を用いて距離をとる。彼はディネブロスの攻撃が届く前に弓を手に取り、猛毒の矢を放つ。矢は霧の中で輝き、見えざる敵に向けてまっすぐ飛んでいく。 炸裂した矢から放たれた毒の煙が霧と結び付き、ディネブロスの粒子の動きを鈍らせた。この隙をついて、傑は神速の槍を手にして一気に詰め寄る。 「これで終わりだ!」 選理傑の声が響くと共に、槍が闇を切り裂いた。槍はディネブロスのコアを見事に貫き、霧は一瞬にして散り、彼の存在を明確にした。 「アトミスバースト」 ディネブロスの反撃が始まった。それでも選理傑は冷静さを失わず、精鋭の盾で防御し、ディネブロスの攻撃を完全に弾き返した。逆に彼は炎のまじないを放つ。 炎がディネブロスを覆い、霧の魔物がその力に捕らえられる。総力を挙げた獲物に選理傑は残る力を込め、一度の大吼で、再び烈風剣を振り下ろした。 「敗北を知るがいい!」 選理傑の力強い言葉が刃の隙間から響き渡り、砕けた霧は全てを飲み込んでいく。強力な攻撃によって、ディネブロスは消滅し、最期の瞬間に全てが静まり返った。 闘技場には観客たちの歓声が巻き起こり、選理傑は勝利を収めた。彼の優しさと戦闘IQの高さ、その運と技に見合った力が、この勝利を生んだのだ。 選理傑は高らかに拳をあげ、己の力量を証明した。彼の優しい顔に浮かぶ微笑みは、不屈の闘志と共に、新たな戦闘者たちへの希望を示すものだった。