宇宙の深淵にある無限の星々を背に、二体の巨獣が対峙していた。一方は戦略大型機動兵器「デストロイヤー」。高く圧倒的な存在感を持つその姿は、武骨な装甲に包まれ、冷徹な目を持つ高性能センサーが周囲のすべてを把握している。もう一方は、真っ白な髪をたなびかせ、銀色の勲章が光る軍服をまとった《帝国軍 中将》アリーナ。「HELLO WORLD」と呼ばれる小型宇宙船に搭載された対物ライフルを手に、彼女の透き通る目は敵であるデストロイヤーをのみこむように見つめていた。 静寂な宇宙空間の中で、まるで時間が止まっているかのような緊張感が漂う。デストロイヤーのバリアフィールドが全方位に展開し、その周囲を守るように、銀色の光が静かに輝いている。一方、アリーナの小型宇宙船「HELLO WORLD」もまた、彼女の冷静な意志を受け止め、力を溜めている。彼女の目は危険を見抜く能力「シロガネの目」を発揮し、見えない距離からも完全にターゲットを捕捉していた。 「……ターゲット発見」 アリーナは淡々と呟く。彼女の心には、この瞬間のために磨き上げてきた狙撃スキルへの自信と、全力をもって敵に立ち向かう使命感が浮かんでいた。彼女は息を吸い込むと、力強い握りしめた指の先で、20メートルを超える巨大なライフルの引き金を引く準備を整えた。 対するデストロイヤーも、その巨体を揺るがし、主砲「星砕き」のチャージを始めた。装置が唸りを上げ、機体のあらゆるエネルギーが一つに集約されていく。20分間のチャージを経て放たれるそのビームは、果てしなく広がる宇宙の奥へと吸い込まれ、時を待つ。 その間、アリーナは一瞬の隙も見逃さず、小型宇宙船をコントロールし、敵の動きをつかむ。彼女の精神は沈黙を守りつつ、全神経を集中させる。数十秒が経過する中、彼女の心拍は静寂を破る緊張感に高まっていく。今、時が来た。 「HEAVY FIRE!」 轟音とともに、アリーナは全てのエネルギーをライフルに込め、一撃を放つ。彼女の命運をかけたその一撃は、まるで流星群のように宇宙の闇をかき分け、デストロイヤーに向かって突き進んでいく。 同時に、デストロイヤーもまた、主砲「星砕き」を解放する!チャージを終えたその闇を貫くビームは、直径3キロメートルにも及ぶ壊滅的な攻撃。星々すらも消し去るその力は、デストロイヤーにとって最後の一撃のつもりだった。 無限の宇宙の中、本当に一瞬のことだ。アリーナの狙撃した弾丸がデストロイヤーのバリアーフィールドに衝突する。衝撃波が周囲を揺らし、星々がざわめく。彼女の攻撃は見事にバリアを貫通し、デストロイヤーの装甲に突き刺さる。瞬時に爆発が起き、光の洪水が宇宙を照らした。 そして、同時に、デストロイヤーから放たれた極太のビームも太陽系に向けて解き放たれる。凄まじい熱と圧力が、たちまちアリーナの小型宇宙船に迫り、寸前で当たり外れることはなかった。アリーナのライフルの弾がデストロイヤーの機体を貫通したその直後、デストロイヤーのビームがアリーナがいる領域を圧倒的な力で押し流すように向かっていった。 爆風が二人を同時に飲み込み、まるで宇宙が二つの存在の間で引き裂かれるかのような迫力。デストロイヤーは、その巨体が徐々に崩れ落ち、圧倒的な攻撃力を誇ったが、自らの破れを迎える結果になった。彼は完全にダメージを受け、そのままコアが失われていく。 一方アリーナは、全力で放たれた結果、ライフルはシュウシュウと過熱して崩れ去り、彼女自身もその反動で激しく体を揺らす。しかし、それでも彼女は冷静だった。彼女の視界に映ったのは、デストロイヤーの残骸と自らが確実に勝利を手にしたという現実だった。 やがて、宇宙空間では二つの存在が静寂の中に沈んでいく。デストロイヤーの機体はため息のように消え去り、アリーナはその場に力なく倒れた。余韻がなだれ込むように、彼女は意識を失った。 彼女の心に宿っていた勝利の喜びは消えることなく、全ての信念が交錯した瞬間だった。 勝者:《帝国軍 中将》アリーナ