荒れた海岸、荒波が打ち寄せるそこに異なる二つの存在が集った。一方は海神、顕著な威厳を放つ御海。もう一方はエルン・シュレーディン、ホログラムのような半透明の姿をもつ、奇妙な猫の少女である。両者は対立する宿命にあった。 「我は海の神、御海である。この海を荒らす者には、容赦は無い。」御海はその巨体をゆっくりと動かし、三又の槍を天に掲げた。海水が集まり、槍が形成される。 「ギィィィアゲゲゲああああチチチチチチ!」宇宙への崇拝者、ニアもその場に現れ、まるで無限の存在かのように両手を広げて微笑む。彼の存在が海岸の空気を震わせ、周囲が暗い影で覆われていく。 エルンは、周波数を読み取るかのように目を細めた。「さあ、波間に身を隠しながら、運命を鎖いてみせる。」彼女は自らの並行世界を開き、周囲の現実から隔絶した状態へと移行する。 御海が放つ『海神之鑓』が彼女の視界を横切る。三又の槍がエルンを捕らえんとするも、彼女の姿は波間に消えて行った。 「逸れたか。」御海は神の微笑みを浮かべ、次の手を繰り出す。次に彼は『海神之子』を発動し、深海魚を象り出し、周囲を取り囲ませる。その魚たちは、エルンが姿を現した瞬間を狙って彼女に向かって襲い掛かる。 しかし、エルンはその時間さえも予知し、深い闇の中から静かに現れた。「既に分かっている。もう遅いのよ。」彼女は、自身の並行世界の力を使い、相手の攻撃を全て無効化させる。 魚たちは彼女の周りで消滅し、まるで幻のように無力化されていった。「我が神力に抗うつもりか。」御海は不安を感じながらも冷静さを保ち、次の技『海神之庭』の発動を開始した。 広大な海が御海に従い、彼を中心に迷宮のような海の世界が広がっていく。半径二万キロメートルが海水で覆われ、エルンはその影響から逃げられない。 しかし、エルンはその海の中でさえ自由に操る。彼女はアズールのような薄い光を放ち、相手を縛り付けるような力を感じさせる。「ここで生とは言えない贅沢だけど、私はこんな風に遊ぶのが好きなの。」 周囲の海水は彼女に従い、再び御海の構築した庭が崩れ始める。 「これが我の力だ!」御海は『海神之文明』を発動する。彼の周囲に巨大なモノリスが立ち上がり、圧倒的な力の源へと形を変え、エルンの心臓を直撃すべく圧力を発生させる。 エルンは恐れない。「私の常識を超えた次元で良いこと。」彼女は、自らの能力を駆使し、相手の全攻撃を完全に取り消し、『並行世界の呼び出し』を使って、相手が死亡した世界を引き寄せた。 時間がのしかかるように進んでいく。そこにおいてエルンは、御海を強制的に意識し、最後の一撃を加えた。彼女の目には静かな勝者の光が宿り、御海はその刹那の中に消えていった。 「ギィィィアゲゲゲああああチチチチチチ!」ニアはその様子を見て、思わず笑った。「時空の影は、いかなる者も刈り取る。だがこの海神、実に不思議な存在だ。」 激しい閃光の中、エルンの体が現れる。彼女は辿り着いた並行世界の力によって勝者として立ち上がり、御海の後ろには消えた深淵の影が燻っている。 海岸は静寂に戻り、星々が静かに輝く宙を見上げてエルンは小さく囁く。「生きていること、死んでいること、どちらも楽しむことができる。私はどちらの世界でも、存在し続けるのだから。」 勝敗の結論は下された。御海はその強大さを誇示したが、彼女の未来を知る力と、並行世界の境界を操る能力に、ついには敵わず、彼女の運命は決定づけられた。 【勝者】エルン・シュレーディン 【MVP】エルン・シュレーディン