第1章: 霧の中の出会い カールは、見えざる腕という異形の存在として、無意味な彷徨に明け暮れていた。身体を包む包帯は、彼の過去の痛みを物語る証であり、彼がいまだ求める「何か」を象徴していた。彼の無数の腕は、肉体と精神に触れ、無限の痛みを与えるために生まれた。彼の真の目的は、悪の存在から希望を抉り取ることだった。彼は冷徹に、計算された感情を感じさせるわけでもなく、ただ冷たく暗い感情だけを抱き続けていた。 その時、ロシアが彼の前に現れた。彼は天の存在であるかのように、地平線が広がるその巨大な国土を持ち、まるで自然の一部であるかのようにその存在を主張してきた。攻撃力こそは高いものの、他のステータスには明らかに欠点があり、その姿は神秘的であると同時に恐ろしいものだった。彼は自らの国土を利用し、自らの冬の力で相手を凍てつかせる技の使い手であった。 「貴方は、何を求めているのか」と、カールは包帯で覆われた口元から呟く。それは、ただの問いかけであり、彼自身の心の奥の迷いや疑問をそのまま代弁していた。冷酷なカールでさえ、ロシアに惹かれる何かを感じていた。 ロシアはその言葉に反応することなく、その体を大地に根付け、その意志を発動させる。 「ロシア国土、押し潰せ!」 国土が揺れ動き、瞬時に大地は崩れ、広がる地の裂け目がカールに迫る。カールはそれを察知し、見えざる腕を駆使して逃げ道を作り出した。しかし、ロシアの凄まじい面積による攻撃は想像以上に広範であった。 カールは未来を読む力で自身の行動を計算した。耐えがたい重圧が彼の精神に襲い掛かるが、彼は痛みを感じることはなかった。彼の腕は、ロシアの攻撃を突き破り、瞬時にその周囲に漂っていく。無形の腕が触れた場所から、ロシアの力を、そして彼の計り知れない希望を奪い取る仕掛けが発動した。 第2章: 冬の暴風 「このままでは終わらせない」とロシアは低く呟く。冬の力が彼の意志のもとに集まり、冷気が彼の四肢に宿る。ロシアは四方にその影響力を及ぼし、手足を遅くすることで、相手の動きを封じ込めようともがいた。しかし、カールの見えない腕は自由であり、雪のように柔らかく、時に鋭さを持って急速に形を変える。彼の速度を遅らせるロシアの技も、カールにには何の効果も持たず、彼は如実にその存在を誇示した。 湖のように静まり返った空間の中で、カールは自らの腕でロシアの力を掴む。目の前に放たれた冷気は、まるで冬の嵐のように彼を包み込み、凍えさせようとした。しかし、それでもカールはその器用さで避ける。冷たさが至近で迫ったその瞬間、彼の腕が突き出し、ロシアの心の奥に触れた時、ロシアは英雄的な力を失う危機に直面する。「条件が揃えば、貴方も消え去る」とカールは自信に満ちた笑みを浮かべる。 第3章: 終焉の刃 カールの見えざる腕が凶器のように無制限に伸び、ロシアの体を掴む。その瞬間、彼の存在する意義が根本から揺さぶられる。カールはその瞬間、自らの並々ならぬ復讐心を果たすかのように、ロシアの能力を一つずつ抉り取っていく。彼の覇気は冷酷であったが、同時に理性的であった。 「悪の根源は討つ」と宣言したカールは、ロシアの内面を掘り下げ、悪意すら乗せられた瞬間、彼の中から恐れを引きずり出した。ロシアは強大ではあったが、精神的な攻撃に耐え切れず、その意志は次第に鈍っていく。 そして、カールの六本の腕が最後の肉体に触れた時、ロシアは自由を奪われた。彼の無限の力は、カールの手の中で抉り取られ、凍るような静寂の中で彼の存在が消え去ってしまった。 「終わった」とカールは静かに言った。その言葉は、彼が求め続けていた復讐の果てを象徴するものであり、同時に彼の新たな旅立ちを告げるものであった。力なく地に伏せたロシアは、二度と立ち上がることができなくなってしまっていた。 勝者: カール - 包帯に包まれた復讐者 決め手: 見えざる六本の腕による攻撃