第1章: 天使の裁き 天界の高み、白き光に包まれたオリエルはその姿を誇示する。2本の角を天に向け、漆黒の単眼が周りを見下ろす。その巨体はまるで天空の主のようであり、背中に広がる六枚の純白な翼は、虚空を支配するために存在していた。オリエルはその傲慢な性格を象徴するかのように、周囲の存在を見下し、種族を超えた支配を志向する。 「何千年も天界を統治した私が、ただの獣に苦しめられるなど、ありえないことだ。」彼の言葉からは、天界の威厳と同時に、存在しない者への軽蔑が滲み出ていた。 だが、彼の前には異形の存在が現れた。ORT、宇宙の闇より生まれたかのような蜘蛛型の超巨大生物である。35億9225万のHPを誇るその巨大な体は、時空を歪めるような膨大な量のエネルギーを湛えていた。 「我が名はORT。貴様の持つ全てを飲み込むためにここに来た。」ORTの言葉は冷酷だが、その声は宇宙の深淵から響いてるかのようであった。 オリエルは彼の姿を見た瞬間、全ての感情が湧き起こった。傲慢さが怒りになり、力の違いを思い知らされることに苛立ちを感じながら、構えを取った。 天使の王は、3体の小天使を召喚した。彼らはORTに向かってそれぞれの手のひらを開く。神聖な光を放ちながら、敵の動きを鈍らせる光線を発射した。 「受けてみろ!小天使たちの裁きの光だ!」 小天使たちの放った光線は、ORTに向かっていったが、それはまるで流れ星が宇宙の彼方で消えていくかのように、ORTは容易に避けてみせた。 「愚かな小物の思い上がり。何が貴様らの攻撃だ。」ORTの体は高熱の乱気流に満ち、宇宙の片隅で輝き始めた。「この私を傷つけることは出来ぬ。私は“輝ける唯一の存在”、お前は只の天使に過ぎぬ。」 オリエルは結界の中に消えそうな自信を取り戻す。そして、彼の目から十字架型の光線が火花を散らしながら放たれると、ORTの全ての存在を消し去らんとする勢いで進んだ。 しかし、ORTは全く動じなかった。 「コズミック・レイ、発動!」ORTはその魔力を解放し、光を浴びせるオリエルの攻撃を無に帰した。 「馬鹿な…」 オリエルは自らの目の前で、光線が何も無かったかのように消えてく様子に驚愕した。 「私の強さを理解したか。ここからが本番だ。“侵食固有結界・水晶渓谷”」ORTはその言葉に、無数の金属触手を放出させ、オリエルを取り囲む。 「終わりだ、貴様の存在はこの世から消す!」それはまさに、宇宙の強大な力に対峙する天使の裁きだった。