ラウンド1 忘れられし古闘技場は、遥か昔に数多の戦士たちが戦った舞台。荒廃した石壁の向こうには、鬱蒼とした自然が広がっている。暗い雲が戦場を覆い、双方の気配が交錯する中、戦いの火蓋が切られる。 彩色奈々は、桃色の髪を風に揺らしながら立ち、緊張を感じつつも胸を高鳴らせていた。「私の色は黒なの」と、彼女は低い声で呟く。感情が希薄だった奈々だが、戦うことで自分の感情を探る旅に出ようとしていた。 対する眠々は、戦う姿勢を見せることなく、どこか夢見心地で立っている。猫のように伸びをしながら、目を閉じて「むにゃむにゃ」と眠りの世界へと浸る。彼女の存在は、不思議な緊張感を漂わせていた。 戦闘が始まると、奈々はまず手を前にかざし、感情のパレットが揺れ動く。彼女の心情の色は「黒」、黒色の絵具を宙に描き出す。黒い絵の具は空気を切り裂き、眠々に向かって飛んでいく。 「やめて!」という叫び声も虚しく、黒い絵具は眠々の体に触れた。しかし、驚くことに、眠々は全く気づかずに、まるで風に飛ばされた羽のようにふらふらと舞う。耳に入った音の振動が、彼女の体をわずかに揺らす。 「むにゃむにゃ」と繰り返しながら、眠々は何故か黒色の絵具の方向に進み、酔拳の動作を開始する。彼女の身体がふらふらと動き、意図せず奈々の描いた黒い絵具を避けるようなルートを描く。眠々の動きは、まるで自分の体を意識せずに、自然に反応しているように見える。 「な、なんで避けるの!」と奈々は眉を寄せた。彼女の攻撃は単なる偶然でかわされてしまう。眠々の潜在能力が目覚めたようだ。奈々は再度、黒色の絵具を描くが邪魔された時の不安が心に仄暗く渦巻く。 しかし、奈々は諦めなかった。絵具を操作することで、少しずつ自分のパレットから色を引き出す。「私の色は…!」と叫びながら、心の中の葛藤と向き合う。「赤!怒りの色!」と、心からの怒りを指先に感じ、その瞬間、黒色の絵具が赤色へと変わる。赤色の絵具は、炎のように燃え上がり、眠々に向かってまっすぐに飛んでいった。 赤い絵具が眠々の体に触れた瞬間、眠々もまるで酔ったようにふわりと揺れ、「むにゃむにゃ」と呟く。ただし、この赤色の威力が増したため、眠々は彼女の柔らかい体が思わぬ強い衝撃を受け転倒。 「えっ」と驚いた奈々は、自信を感じ始めた。「これが私の色…!」しかし、過信は禁物。眠々が地面に倒れかけたその瞬間、彼女の顔がふと緩んで、再び深い眠りに落ちた。そして彼女の心底から湧き上がった力が、彼女の身体を持ち上げ、無意識に技を繰り出す瞬間が流れる。 眠々は再び酔拳を発動。「打撃がちょっと強いかな」と考えつつも、動きは猟奇的でありながらも優雅。奈々が自分の色を思い出しつつある一方、彼女の攻撃を華麗にかわし、力強い一撃を繰り出す。奈々は直感的にその一撃を見越して身をかわしたが、凌いだ矢先に追撃が来る。「むにゃむにゃ…」と寝言を呟く覚醒状態で放った一撃が奈々の腕をかすめた。 「何か運が悪い…!」奈々は自分の振りを修正しようとするが、眠りから繰り出された攻撃に押され、一瞬の隙ができてしまう。奈々の目が恐怖に包まれ、心の成長を求めるのに苦しむ中、彼女の身体がその運命を握る。 一撃を喰らった奈々は、再び心の底から感情を引き出す。「嬉しさ」に向き合った。「これを手に入れたら、自分を見つけられると思ったの!」と叫んで、ついに黄色の色具を引き出す。黄の光が広がり、戦場に温かな光を放つ。奈々は思いもよらない力に目を見張り、力をそそいで一発目の攻撃と重なり合う。 最後、眠々は全くの無防備な姿勢で立ち尽くし、「むにゃむにゃ」と言いながら奈々の一閃を受け入れた。その瞬間、奈々は港のような光を捉え、反響を伴って打ち込まれた。 奈々の攻撃が、眠々の体を貫通する。「私は、私の色を見つけたんだ…!」奈々の心の成長の瞬間、彼女の勝利が確定した。今戦闘に勝利したのは、彼女、彩色奈々だった。 勝者: 彩色奈々 --- ラウンド2 ラウンド2、古の闘技場の空気は、さらに重苦しさを増していた。奈々は初戦の勝利によって、心も少し軽くなり励みに自信を持った。しかし、眠々の独特の戦い方は、まだ謎に包まれていた。彼女が持つ能力の真価が分からないことが、奈々にとって大きな不安要素であった。 眠々はスタート地点で寝てしまった。場面が変わり、奈々は彼女を見つめ、「こんな戦いで本当に勝てるのか…?」と内心の考えを巡らす。 試合のホイッスルが鳴ると同時に、奈々は新たな絵を描き、心の中の感情を色具へと変換する。「今日は、私の緑で…悩みの色を描くよ!」淡い緑が生まれ、空間を漂う。もつれた空気が、戦場を支配する。 眠々はまだ静かに寝てる。奈々は迷い悩む自分の心情を夜の深淵へと散りばめながら、攻撃を仕掛ける。「深い悩みを描いて、勝つためにこれしかない!」奈々は緑の絵具を吸い寄せ、眠々へ向かって押し寄せる。すると、偶然にもその緑が彼女の体を覆い、無意識で感情を呼び覚ます。 眠々はやっと起き上がった。その瞬間、可愛らしい表情は変わって、「むにゃむにゃ…」と無邪気さを見せながら、勢い良く動き始めた。酔拳は発動し、眠々は少しずつ廻り始める。 奈々はその動きに驚く、「何か、変じゃない…?」と疑問が頭をかすめる。酔ったような不安定な動きの中にも、何らかの理由で彼女の技が放たれた。それは真の酔拳である。どことなく生まれる面白さが奈々を惹きつけた。 眠々は不規則なターンを続け、不意に奈々の方に近づくと、力強さがないながらも的確に攻撃を放った。奈々はそれを見越しつつ避けたが、予想外のタイミングでの反撃に思わぬダメージを負って仕舞う。その瞬間、奈々の緑は色を失い、彼女の心情が崩れ去る。 「どうして私は…もっと強くなりたいのに!」奈々は怒りを覚え、心の中で「やはり、赤は私の色かもしれない」と感じ始める。そして、自信を持って再び赤の絵具を生み出す。今度の動きは前方に、まるで燃える火のごとく渦を巻き、眠々へと飛んでいく。 眠々はその攻撃に気づき、「むにゃむにゃ…」と呟きながらも、今度はしっかりとした動作でそれを避ける。さすがの反応速度、まるで夢の世界と現実を行き来しながら動くかのような華麗な身のこなしだ。 奈々は再度、相手の動きを読むために心の内を整える。「緊張しないで、もっと自信を持って、私の色を!」この思いが、彼女の赤色の爆発を呼び寄せる。再び力を込めて赤色の絵具を投げつける瞬間、重くのしかかる疑念が消えていった。 「私の赤が、あなたを貫く!」目の前に広がる情熱の色が、今度は眠々を捉えるべく進行を始めた。彼女が力を入れた瞬間には、すでに別の感情が生まれたが、その出力は新たなる自信への道を示しつつあった。 眠々はまたしてもそれを避け、裏を返すように全身で受け止めた。「あ、なぜ…?」奈々は目を見開いた。酔拳でダメージを受けているはずなのに、彼女が一瞬黒い笑みを浮かべる。その瞬間、眠々の体がまるで透明になったかのように思え、酔拳の力量に対する理解を示し始めた。「むにゃむにゃ…」と再び奈々の方に立ち上がる。 「や、やばい、彼女は!」急速な動きの中的眼前に翔り出し、その一撃を奈々に放つ。今度は避けることができず、忍耐の限界を超える痛みが彼女を襲った。しかし、無意識の力すらも呼び起こすことで、奈々はその一撃を受け入れた。闇の中に秘められた光、彼女の中に見え隠れする強さがあった。 奈々の心に描く感情の色が新たに干渉し、再び波のように揺さぶる。「私を見せて…自分を見せて!」彼女は叫び、思わず緑色に目を向ける。「これが私の絵…!」そして、暴風のようにも思える感情が湧き上がり、全力で怒りを伴った赤色が奈々から解き放たれる。 しかし、眠々の動きが止まらない。「むにゃむにゃ…」その声が最後の一撃を駆動させるキーとなった。奈々の仕掛けた色具攻撃は、睡眠に包まれた眠々の身体を掠め、ひらめく光の帯として、二人の心情を包む。 結果として、奈々は負けたのだった。ついに彼女の意識が遠ざかり、自分の知らない世界へ消え去る感覚が広がる。 勝者: 眠々 --- ラウンド3 勝敗の行く末が懸かった最後のラウンド。それは各選手にとって試練であり、温もり、また新たな気持ちを呼ぶ一つの挑戦だった。奈々は直前の敗北から教訓を得て、素早く復活できるよう心を決めていた。眠々もまた、自身の力に目覚めた瞬間に自信を持ち、次の戦いに挑む姿勢を見せていた。 このラウンドが始まると、競技者の間に立つ緊張感に包まれる。観客たちも期待に満ち、戦場に注目を集めていた。奈々は心に思い描く、「私は心を表現できるはず!」と自らを猛り立たせる。 「始めてください!」という言葉と共に戦闘が始まる。奈々は一瞬の判断でパレットを広げ、心の内に浮かんだ色を取り込み、最初に選んだ色は「青」であった。「恐れ」を抱いて、青い絵具が空へと描かれ飛ぶ。この色には彼女の過去の記憶と葛藤が詰まっていた。 眠々はその青い絵具を見つめ、「むにゃむにゃ」と呟きながら、またも無意識に反応。まったく静かな動きで、青い絵具を避けつつ、敵の意表を突くように展開した。今度は素早い動きが身に馴染んできており、その素直さが逆に彼女の強さに変わっている。 奈々はそれを見越し、「このままじゃダメだ…強くなりたい!」と焦燥感に駆られ、再度その青を越えて自らの心情を最後の決意に換え、赤の絵具を描く。 「逃がさない!」頭の中の思考が繰り広げられ、赤い色の情熱が宿る。激しいエネルギーが湧き上がり、眠々に放たれる。感情の衝撃波が、青い絵具と共に振動し、覚醒したすべての感覚が交錯し導かれる。 しかし、その瞬間、眠々はまだ一度も反撃の要素を欠かしてはおらず、「むにゃむにゃ」と再び動きを連携させる。そして彼女は、目の前でもがく奈々に向かう大型の攻撃へと転じる。意図しようとも自覚がなく、それが二人の運命を動かす。 奈々の心情は舞い上がり、すべての感情が無限のキャンバスを描く覚悟をともに生める。最初の一撃を辛捨て、彼女の行動を読むことに意識を集中する。今度こそ。この色がどれほど影響を与えるのか。それがまさに奈々の新たな絵として挑む表現だった。 「さあ、来い!」自信を持って立ち上がると、奈々は一瞬で赤い情熱の絵具を描き、広がる火に全力で飛び込んだ。「私の色を知って!」 しかし、眠々はそれを感知し、「むにゃむにゃ…」と小さく呟きながらも、そのまま興奮をもって近づく。彼女の潜在能力が目覚めたことで、動作がまるで流れる水のようになる。その攻撃は目に見えない間合いで行われ、奈々に迫った。 一撃の余波が絵具の流れを作り、奈々は反応に苦しむ。「どうすれば、どうすれば!」直感的にドロップさせていくが、彼女もまたチャレンジの頃を思い出し、今度は眠々に向かって、自らの気持ちを混ぜ合わせた新たな色具を引き出し始める。 さらにその意識の中で、「藍、藍色の悲しみ」を描くことで、心にあった過去の自分を忘れさせるような難解さが進行した。「これが…!」それは奈々を苦しめた絵具であり、自身との対話をも省みる。 最後のとどめに仕掛けた藍色の絵具は、ふわふわとした眠々にぶつかる。効果は一瞬で歴史を刻む。彼女は驚いた顔をし、やっとのことで反応、「むにゃむにゃ…」その声から、今度は普通の目を開けた。 奈々は、ついに負けた気持ちを受け入れつつぞんざいに反撃。しかし、眠々の時は流れる。どこか高められた自己へ向かう感情を込め、彼女の動きは一度、流れることで一つ一つが引き寄せる。「や…やった!」最後の一撃が、二人の意識に強烈な余韻を残した。感情の色具は、勝利の象徴として、そのまますれ違う存在として形成された。 その瞬間、眠々の手から放たれる一撃が奈々を捉え、彼女の心情を描くことなく立ちつくし、意識を失わせる。 最終結果、奈々はまたしても闘技場から運ばれ、自らの心情をこの試合で体感しつつあった。 勝者: 眠々 --- 最終結果: 彩色奈々 1勝 眠々 2勝 ~勝者は眠々!~