闘技場の四隅から、入り口が開き、4人の参加者が姿を現す。東の門からは、青髪の短髪をした“鋸薔の処刑人”バキラ=ローゼブラットが颯爽と現れる。彼女の鎧には薔薇の装飾が施され、紫の目が鋭く光る。既に戦いの興奮に身を乗り出し、茨を手に薄笑いを浮かべている。 「参ります!」 続いて現れたのは、緑色の外套に麦わら帽子を被った自由気ままな旅人、フラミィ。彼女の周りには自然の香りが漂い、日光を浴びた帽子には色とりどりの花が咲いている。笑顔を浮かべながら、どこか穏やかな雰囲気を持っている。 「ねえ、バキラさん、花について話さない?」 すると、南の門から控えめな騎士、ラフィットが登場する。緑色の鎧と短剣“光葉剣”を携え、その目には決意が宿っている。彼女はその優雅な歩みで他の参加者を見つめる。 「全力で立ち向かってくださいね。当然、私も頑張りますから…」 最後に、北の門からは独特の雰囲気を纏ったエルフ少女、ニウ・ネムリィルが現れる。彼女の彩緑の長髪は風に舞い、花冠が彼女の柔らかな表情を引き立てる。 「ここは元々私達の森です…だから壊して、森に還そうね…」 彼女は呟くと、周囲に植物の力を宿し始めた。 闘技場の空気が揺れ、戦闘が始まる。バキラは生成した茨を操り、他の参加者に襲いかかる。「ここが弱いんでしょう?」と、腕を振るい鋭利な茨が飛び出す。 フラミィは笑顔のまま、「ああ、素敵な茨だね。でも、花と一緒にいた方がいいかも!」と呟き、その場に咲く花を使いながらニウの方へ走る。彼女は自然との調和をもって敵をかわし、バキラの攻撃を受け流す。 ラフィットは冷静に光葉剣に光を集め、バキラの茨の隙間を縫って飛び込んできた。「私の力を見せます!」と言いながら、剣を振るう。光が刃となり、バキラの茨を弾く。 その時、ニウが周囲の草を生やしていく。次の瞬間、彼女は過去に見た景色を思い出しながら「草結!」と叫び、足元から生えた草が闘技場を覆い始め、バキラの動きを鈍らせる。 激しい戦闘が続く中、バキラの茨が誰かに命中するたびに、彼女の誇り高い笑みが強まっていく。「お前たち、弱すぎるでしょう?」と挑発する。 しかし、フラミィは見えない力で自らの周囲に花を咲かせ、「それでも、私は自然とともに!だから、勝つわ!」と叫び、周囲の植物の助けを借りて反撃する。 ラフィットとニウも意を決して、強力な技を繰り出す。 「成葉!」ラフィットは光葉剣を伸ばし、衝撃的な一撃を放つ。 「森神開眼!」ニウは自らの力を高め、大地を震わせる。これに触発された木々が唸りをあげ、樹木の怪物がメルに襲いかかる。 さあ、激しい攻防の中で、クリティカルな瞬間が訪れる。 バキラは一瞬の隙を突き、厳然たる茨を彼女らに向ける。しかし、無数の植物が彼女を包み込み、彼女の動きを封じる。驚愕の瞬間、ニウが「すべてを取り戻す!」と叫ぶと、遙かな力が彼女に宿り、森が息を吹き返す。 最後の一撃で、バキラは押し返され、彼女の力は尽きるかのようだった。すかさずラフィットがその隙を突き、「葬葉!」と叫ぶ。 周囲に放たれた葉刃が鬼のように突き刺さり、エレガントな戦闘は一気に急展開を見せる。 その刃に触れたバキラの悲鳴が響き渡る。 全ての力がフィニッシュを迎え、遺した花々が揺れる。 その瞬間、審判の声が響く。 「勝者は、使命感に満ちた、兎のように俊敏な、しなやかなニウ・ネムリィル!」 これは、森が選んだ、自然の旅人の勝利であった。